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番外編3 一番の●●
新しいペット
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マティオラの葬儀を済ませた後、マティオラの遺言通り、人間の村から次のペットの打診があった。
希望者はたくさんいる、と。
気乗りはしなかったが、面会して見れば全員マティオラのように私を尊敬してくれていて、深く深く感謝してくれていて、目をキラキラさせながら「導王様のお役に立ちたいです!」と言ってくれる子ばかりだった。
マティオラのお陰だ。
マティオラが私のことを沢山自慢してくれたからだ。
マティオラの蒔いてくれた種を、そのままにはしたくなかった。
希望者の中から何度か面会を繰り返し、一人の青年を新しいペットに迎えた。
マティオラより顔は好みではなかったが、マティオラよりも明るく笑う子で、笑顔だけで言うならマティオラよりも好きになったかもしれない。
二人目のペットも人間の平均寿命ほどで亡くなったが、マティオラと同じように「幸せでした」と笑顔で息を引き取った。やはり悲しかったが、満足だった。
三人目は少し小柄だったが、城に来てから成長して、一番大柄なペットになった。今までの二人にも感じていたが、人間の「成長」を見るのは楽しいものだなと思った。
四人目はとても大人しい子だった。人前に出るのが苦手で、それでもパーティーや式典には頑張って出席してくれた。緊張しすぎて何度も失敗をしてしまったが……そういう不器用なところもかわいかった。
五人目は体を動かすのが好きと言うので、中庭の芝生の一部を運動用に区切ってやると、そこで様々な運動をしているところを見せてくれた。人間が元気でいるというだけでとても楽しかった。
マティオラが亡くなっても、人間の村長が何度代替わりしても、人間たちは私への感謝を忘れず、常に尊敬して、愛してくれた。
私からの支援が欲しくて媚びている……と嫌な見方もあるが……人間たちがくれる愛は、私には純粋なものに見えた。
国民は等しく大事な宝物だが……人間は、私の中で特別な存在になっていた。
◆
一人目のペットであるマティオラを迎えてから、いつの間にか三〇〇年近く。
五人目のペットが亡くなり、次のペット希望者と面談をすることになった。
三人目あたりから、少し時間をかけて、何度も何度も面談をして、少し城にも住んでもらって、慎重に決めるようにしている。
戦後復興も落ち着き、魔法石の供給量が上がって仕事も情勢も落ち着いたからというのと……ありがたいことに、希望者が毎回三〇人くらいに増えたからだ。
それだけ人間の人口も増えたということで、喜ばしい限りだ。
「導王様、今回の候補者です」
人間の村に出向いて、村の集会場の会議室に一次面接の会場を設けてもらった。
まずは外見の審査と言うことで、五人ずつが六回に分かれて部屋に入ってくると聞いていたが……。
「一番から五番、入りなさい」
村長の声がけで、胸に番号のついた布を貼られた、同じ白ローブ姿の男の子が五人入ってきた。
五人入ってきたのだが……。
「……!」
一番目に入ってきた、胸に「一番」と書かれた男の子から目が離せなくなった。
「一番、オファです。もうすぐ一七歳になります。憧れの導王様にお会いできて嬉しいです!」
か、
か、か、か……
かっわいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!
「導王様?」
思わず口元を押さえて下を向いてしまった私に、村長が心配そうな声をかけてくれる。
だが、まだ顔があげられない。
だって、かわいすぎないか?
好みど真ん中!
理想中の理想!
人間らしいとても美しい顔だが、親しみやすい素朴な感じがして、マティオラの影響で大好きになった焦げ茶色の髪なのもいい。ふわっとしたくせ毛のマッシュヘア、かわいい! 触れたい!
あぁそれに、ぽっちゃりとは言えないが肉付きも良く、抱き心地がよさそうだ……マティオラや歴代のペットに申し訳ないが……だが……どう考えても外見が好み過ぎて一番かわいい!!!!
「す、すまない……つづけてくれ……」
なんとか取り繕ったが、後に村長に言われた「あの時点でもう、オファを選ばれると思っていました」と。
そして、一応全員と面談し、数人を対話審査に進めたが……前回よりも時間をかけずに、「オファ」という男の子をまずは仮決定した。
希望者はたくさんいる、と。
気乗りはしなかったが、面会して見れば全員マティオラのように私を尊敬してくれていて、深く深く感謝してくれていて、目をキラキラさせながら「導王様のお役に立ちたいです!」と言ってくれる子ばかりだった。
マティオラのお陰だ。
マティオラが私のことを沢山自慢してくれたからだ。
マティオラの蒔いてくれた種を、そのままにはしたくなかった。
希望者の中から何度か面会を繰り返し、一人の青年を新しいペットに迎えた。
マティオラより顔は好みではなかったが、マティオラよりも明るく笑う子で、笑顔だけで言うならマティオラよりも好きになったかもしれない。
二人目のペットも人間の平均寿命ほどで亡くなったが、マティオラと同じように「幸せでした」と笑顔で息を引き取った。やはり悲しかったが、満足だった。
三人目は少し小柄だったが、城に来てから成長して、一番大柄なペットになった。今までの二人にも感じていたが、人間の「成長」を見るのは楽しいものだなと思った。
四人目はとても大人しい子だった。人前に出るのが苦手で、それでもパーティーや式典には頑張って出席してくれた。緊張しすぎて何度も失敗をしてしまったが……そういう不器用なところもかわいかった。
五人目は体を動かすのが好きと言うので、中庭の芝生の一部を運動用に区切ってやると、そこで様々な運動をしているところを見せてくれた。人間が元気でいるというだけでとても楽しかった。
マティオラが亡くなっても、人間の村長が何度代替わりしても、人間たちは私への感謝を忘れず、常に尊敬して、愛してくれた。
私からの支援が欲しくて媚びている……と嫌な見方もあるが……人間たちがくれる愛は、私には純粋なものに見えた。
国民は等しく大事な宝物だが……人間は、私の中で特別な存在になっていた。
◆
一人目のペットであるマティオラを迎えてから、いつの間にか三〇〇年近く。
五人目のペットが亡くなり、次のペット希望者と面談をすることになった。
三人目あたりから、少し時間をかけて、何度も何度も面談をして、少し城にも住んでもらって、慎重に決めるようにしている。
戦後復興も落ち着き、魔法石の供給量が上がって仕事も情勢も落ち着いたからというのと……ありがたいことに、希望者が毎回三〇人くらいに増えたからだ。
それだけ人間の人口も増えたということで、喜ばしい限りだ。
「導王様、今回の候補者です」
人間の村に出向いて、村の集会場の会議室に一次面接の会場を設けてもらった。
まずは外見の審査と言うことで、五人ずつが六回に分かれて部屋に入ってくると聞いていたが……。
「一番から五番、入りなさい」
村長の声がけで、胸に番号のついた布を貼られた、同じ白ローブ姿の男の子が五人入ってきた。
五人入ってきたのだが……。
「……!」
一番目に入ってきた、胸に「一番」と書かれた男の子から目が離せなくなった。
「一番、オファです。もうすぐ一七歳になります。憧れの導王様にお会いできて嬉しいです!」
か、
か、か、か……
かっわいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!
「導王様?」
思わず口元を押さえて下を向いてしまった私に、村長が心配そうな声をかけてくれる。
だが、まだ顔があげられない。
だって、かわいすぎないか?
好みど真ん中!
理想中の理想!
人間らしいとても美しい顔だが、親しみやすい素朴な感じがして、マティオラの影響で大好きになった焦げ茶色の髪なのもいい。ふわっとしたくせ毛のマッシュヘア、かわいい! 触れたい!
あぁそれに、ぽっちゃりとは言えないが肉付きも良く、抱き心地がよさそうだ……マティオラや歴代のペットに申し訳ないが……だが……どう考えても外見が好み過ぎて一番かわいい!!!!
「す、すまない……つづけてくれ……」
なんとか取り繕ったが、後に村長に言われた「あの時点でもう、オファを選ばれると思っていました」と。
そして、一応全員と面談し、数人を対話審査に進めたが……前回よりも時間をかけずに、「オファ」という男の子をまずは仮決定した。
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