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番外編3 一番の●●
マティオラ(3)
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マティオラは、村長の言う通り賢く勘のいい子で、セックスも回を重ねれば上手にできるようになっていった。
初々しさがなくなるのは寂しかったが、私が慣れさせて、私が育てて、私との距離が縮まったと思うと最高だった。
もちろん、上手にできる方が具合も良いし……。
とにかく、ますます私のものだと思えて、ますますかわいかった。
かわいくて、毎日が楽しい。幸せだ。マティオラがいるから頑張れる。
マティオラは……かわいいペットと言うのは、なんて素晴らしいんだ!
そう思いながら、マティオラが城にやってきて二年半が経った。
――コンコン
控えめなノックの音がして、執務室にマティオラがやって来た。
「導王様、お手紙です」
最近は、通信室とのやりとりもマティオラがしてくれる。
だいたい書簡が届くときは面倒な用事が多いのだが、マティオラが持ってきてくれると開く気がおきるから不思議だ。
「ありがとう……あぁ、会議か」
国際会議の招集の書簡だった。
今回は魔王の国か。以前の敵対国で、個人的に苦手な魔王の国。
気は重いが……会議の後にはパーティーがある。
前回のパーティーで魔王がペットを見せびらかしていた時は「確かにものすごくかわいいが、見せびらかすなんて品が無い。大事な物なら城に仕舞っておけ」と内心思っていたのだが……。
魔王、これだけは私が間違っていた。
自分に慣れた、慕ってくれるかわいいペットを見せびらかしたい気持ちが、今ならよく解る。
「マティオラ、来月の国際会議後のパーティー、一緒に出てくれるか?」
「はい! どこへでもお供いたします!」
私の頼みは絶対に断らず、笑顔で頷いてくれるところ……かわいいなぁ。あぁ、かわいい。
「ありがとう。マティオラを初めて皆に見せるのだから、特別かわいいローブを新調しよう」
「え? そんな、普段のローブで……あ、でも、私がみすぼらしいと導王様の評判に関わりますよね? ありがとうございます! ありがたく頂きます!」
本当は自分の会議用のローブがそろそろ色あせてきたので新調したかったが、それよりもマティオラに着せるかわいく豪華なローブを新調することを優先した。
魔王のペットのニマ様もとてもかわいかった。
だが、私にとってはマティオラの方が断然かわいい。
目一杯かわいく着飾って、皆に……魔王に、マティオラを自慢しよう。
こんなに会議が楽しみだったことは、初めてだ。
◆
国際会議後のパーティーには、前回魔王がペットを見せびらかした影響だろう。
大半の王が新しくペットを伴って参加していた。
魔王のペットブームに乗ったようで癪だが……まぁいい。
うちのマティオラが一番かわいいのだから、引き立て役はいくらいても構わない。
「マティオラ、もっとそばに」
「はい、導王様」
焦げ茶色のくせ毛を美しく巻いて、金色のリボンを編み込んだ髪を揺らしながら、マティオラは私の腕に抱き着いてくれる。かわいい。
今日のために新調した、深紅に金の刺繍が入った裾の広いローブが翻るのもかわいい。
少し開いた襟から見える、私が作った黒い人工魔法石を繋げて作ったネックレスも、白く柔らかいマティオラの肌によく似合っていた。
何より、私のことを慕ってくれているのがよく解る満面の笑みがかわいい。
「……導王のペット、慣れているな」
「あの距離感、羨ましい」
「柔らかそうで愛らしい子だ……」
そうだろう、そうだろう。
微かに聞こえてくる声は、どれもマティオラを称賛するものだった。
ペットに尊敬されているし、愛情をかけているし、なによりマティオラが特別良い子だ。
他の王たちが連れているペットも……まぁ、皆それなりにかわいいが……あ、あの子なんかちょっと色気があっていいな……なんて思う子もいるが、このパーティー会場で一番かわいいのは間違いなくマティオラだと思った。
「マティオラ、お前がこの中で一番かわいい」
「あ……そんな。導王様が、私をかわいくしてくださったので……」
少し照れながらも喜ぶマティオラは益々かわいかったし、周囲の魔族も羨ましそうにこちらへ視線を向けていた。
ほら。かわいい。
さて、そろそろ魔王に自慢をしに行くか。
ちょうど挨拶の客が途切れた魔王の王座へ、マティオラと腕を組んだまま向かった。
初々しさがなくなるのは寂しかったが、私が慣れさせて、私が育てて、私との距離が縮まったと思うと最高だった。
もちろん、上手にできる方が具合も良いし……。
とにかく、ますます私のものだと思えて、ますますかわいかった。
かわいくて、毎日が楽しい。幸せだ。マティオラがいるから頑張れる。
マティオラは……かわいいペットと言うのは、なんて素晴らしいんだ!
そう思いながら、マティオラが城にやってきて二年半が経った。
――コンコン
控えめなノックの音がして、執務室にマティオラがやって来た。
「導王様、お手紙です」
最近は、通信室とのやりとりもマティオラがしてくれる。
だいたい書簡が届くときは面倒な用事が多いのだが、マティオラが持ってきてくれると開く気がおきるから不思議だ。
「ありがとう……あぁ、会議か」
国際会議の招集の書簡だった。
今回は魔王の国か。以前の敵対国で、個人的に苦手な魔王の国。
気は重いが……会議の後にはパーティーがある。
前回のパーティーで魔王がペットを見せびらかしていた時は「確かにものすごくかわいいが、見せびらかすなんて品が無い。大事な物なら城に仕舞っておけ」と内心思っていたのだが……。
魔王、これだけは私が間違っていた。
自分に慣れた、慕ってくれるかわいいペットを見せびらかしたい気持ちが、今ならよく解る。
「マティオラ、来月の国際会議後のパーティー、一緒に出てくれるか?」
「はい! どこへでもお供いたします!」
私の頼みは絶対に断らず、笑顔で頷いてくれるところ……かわいいなぁ。あぁ、かわいい。
「ありがとう。マティオラを初めて皆に見せるのだから、特別かわいいローブを新調しよう」
「え? そんな、普段のローブで……あ、でも、私がみすぼらしいと導王様の評判に関わりますよね? ありがとうございます! ありがたく頂きます!」
本当は自分の会議用のローブがそろそろ色あせてきたので新調したかったが、それよりもマティオラに着せるかわいく豪華なローブを新調することを優先した。
魔王のペットのニマ様もとてもかわいかった。
だが、私にとってはマティオラの方が断然かわいい。
目一杯かわいく着飾って、皆に……魔王に、マティオラを自慢しよう。
こんなに会議が楽しみだったことは、初めてだ。
◆
国際会議後のパーティーには、前回魔王がペットを見せびらかした影響だろう。
大半の王が新しくペットを伴って参加していた。
魔王のペットブームに乗ったようで癪だが……まぁいい。
うちのマティオラが一番かわいいのだから、引き立て役はいくらいても構わない。
「マティオラ、もっとそばに」
「はい、導王様」
焦げ茶色のくせ毛を美しく巻いて、金色のリボンを編み込んだ髪を揺らしながら、マティオラは私の腕に抱き着いてくれる。かわいい。
今日のために新調した、深紅に金の刺繍が入った裾の広いローブが翻るのもかわいい。
少し開いた襟から見える、私が作った黒い人工魔法石を繋げて作ったネックレスも、白く柔らかいマティオラの肌によく似合っていた。
何より、私のことを慕ってくれているのがよく解る満面の笑みがかわいい。
「……導王のペット、慣れているな」
「あの距離感、羨ましい」
「柔らかそうで愛らしい子だ……」
そうだろう、そうだろう。
微かに聞こえてくる声は、どれもマティオラを称賛するものだった。
ペットに尊敬されているし、愛情をかけているし、なによりマティオラが特別良い子だ。
他の王たちが連れているペットも……まぁ、皆それなりにかわいいが……あ、あの子なんかちょっと色気があっていいな……なんて思う子もいるが、このパーティー会場で一番かわいいのは間違いなくマティオラだと思った。
「マティオラ、お前がこの中で一番かわいい」
「あ……そんな。導王様が、私をかわいくしてくださったので……」
少し照れながらも喜ぶマティオラは益々かわいかったし、周囲の魔族も羨ましそうにこちらへ視線を向けていた。
ほら。かわいい。
さて、そろそろ魔王に自慢をしに行くか。
ちょうど挨拶の客が途切れた魔王の王座へ、マティオラと腕を組んだまま向かった。
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