魔王さんのガチペット

回路メグル

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番外編3 一番の●●

マティオラ(1)

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 マティオラには食事を沢山与えて、爪がボロボロになるような仕事はさせず、豪華とまではいかないが、清潔で体に合った新しいローブを与えた。
 髪を毎日梳かしてやり、自然に笑顔が浮かぶように毎日優しく褒め続けた。

 一年もすれば、健康的な肉付きになり、爪も髪も美しくなった。
 髪が伸びて、かわいいリボンを編み込む様な髪型もできるようになったし、似合う服も解ってきて、とてもかわいくなったと思う。
 何より……

「導王様、お花をお持ちしました」

 毎日、仕事を始めるころに庭からいくつか花を見繕って摘んできて欲しいと頼んだら……とても嬉しそうに役目を引き受けてくれた。
 朝からかわいい笑顔と、かわいい花の競演が見られて、一日のやる気が補充できた。
 仕事中も、たまに中庭を覗くとマティオラが庭師と一緒に花の手入れをしたり、明日の花の組み合わせを考えたりしている様子が見られる。
 癒し以外の何物でもない。
 そしてもう一つ、午後のお茶を運ぶ仕事を頼み、これも快く引き受けてくれた。

「お仕事お疲れ様です。導王様、どうぞ補給なさってください」

 仕事で使った魔力の補給に焼き菓子を食べるのだが……。

「ありがとう。あぁ、少し多いな。残すと料理長に悪い。マティオラ、二つ三つ助けてくれるか?」

 焼き菓子の乗った皿を指差せば、マティオラは嬉しそうに頷いてくれる。
 お菓子も、私の役に立つのも嬉しいようだ。

 かわいい。
 なんてかわいい。

 日に日に慣れて、笑顔が増えるのもとてもかわいい。

「導王様、お仕事頑張ってくださいね! 夜、マッサージさせて頂きますから」

 笑顔でそう言われるだけで、仕事を特別頑張れた。

 そして……
 性的なことも……マティオラはとても頑張ってくれた。
 

      ◆


 ずっと、慣れた男娼がかわいく喘ぐ姿が好きだと思っていた。
 マティオラは性的な経験がなく、性知識も乏しく、スムーズなセックスを行うまでには時間がかかったが……この時間は、最高に愛おしかった。

「う、うぐぅ……ん!」

 マティオラをペットに迎えて一年。そろそろ夜も頼みたいと打診すれば、一瞬の迷いもなく頷いてくれた。
 ただ、心は受け入れてくれても、体は初心者。数日かけて中を慣らしたつもりではあったが、初めての挿入の時は苦しい顔をさせてしまった。

「マティオラ、息を吐け」
「は、はい、ふ……ふぅー……ぐ、ふぅ……ん!」

 ベッドに付けていた背中を反らせて悶えているのに、痛いとも、苦しいとも言わない。
 必死に耐えて、必死に私を受け入れようとしてくれる姿は、あまりに健気で……かわいかった。
 だが、かわいい姿はもう充分に堪能した。
 折角私好みに肉がついた健康的で柔らかい体……まぁ、まだまだ細いが……かわいい顔、美しい髪がいやらしく乱れて欲しい。

「マティオラ……」
「う、く……導王、様?」

 汗の浮かんだ額から頬にかけて撫でると、ぎゅっと瞑っていた瞳が開いた。
 素朴で落ち着く焦げ茶色の瞳が愛おしい。
 真面目で従順なマティオラに、我慢するなと言っても無理だろう。
 だから……

「我慢できて、えらいな」
「あ……」
「だが、私は色っぽく喘いでくれる子が好きだ」
「あ、も、もうしわけ……」
「演技ではなく、体がどうにも感じてしまって仕方がない、そんな喘ぎ声が聞きたい。だから……お前がはしたなく乱れてしまう場所を教えてくれ」
「あ……え? ……はい?」
「良くない時は苦しい声でいい。良い時は、存分に喘いでくれ」

 マティオラは戸惑いながらも、頷いてくれた。
 おそらく、初めての体にはまだ負担をかけてしまうだろう。
 だが……私も経験が無いわけではない。
 快感を教えてやることは、できる。
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