325 / 409
番外編3 一番の●●
マティオラ(1)
しおりを挟む
マティオラには食事を沢山与えて、爪がボロボロになるような仕事はさせず、豪華とまではいかないが、清潔で体に合った新しいローブを与えた。
髪を毎日梳かしてやり、自然に笑顔が浮かぶように毎日優しく褒め続けた。
一年もすれば、健康的な肉付きになり、爪も髪も美しくなった。
髪が伸びて、かわいいリボンを編み込む様な髪型もできるようになったし、似合う服も解ってきて、とてもかわいくなったと思う。
何より……
「導王様、お花をお持ちしました」
毎日、仕事を始めるころに庭からいくつか花を見繕って摘んできて欲しいと頼んだら……とても嬉しそうに役目を引き受けてくれた。
朝からかわいい笑顔と、かわいい花の競演が見られて、一日のやる気が補充できた。
仕事中も、たまに中庭を覗くとマティオラが庭師と一緒に花の手入れをしたり、明日の花の組み合わせを考えたりしている様子が見られる。
癒し以外の何物でもない。
そしてもう一つ、午後のお茶を運ぶ仕事を頼み、これも快く引き受けてくれた。
「お仕事お疲れ様です。導王様、どうぞ補給なさってください」
仕事で使った魔力の補給に焼き菓子を食べるのだが……。
「ありがとう。あぁ、少し多いな。残すと料理長に悪い。マティオラ、二つ三つ助けてくれるか?」
焼き菓子の乗った皿を指差せば、マティオラは嬉しそうに頷いてくれる。
お菓子も、私の役に立つのも嬉しいようだ。
かわいい。
なんてかわいい。
日に日に慣れて、笑顔が増えるのもとてもかわいい。
「導王様、お仕事頑張ってくださいね! 夜、マッサージさせて頂きますから」
笑顔でそう言われるだけで、仕事を特別頑張れた。
そして……
性的なことも……マティオラはとても頑張ってくれた。
◆
ずっと、慣れた男娼がかわいく喘ぐ姿が好きだと思っていた。
マティオラは性的な経験がなく、性知識も乏しく、スムーズなセックスを行うまでには時間がかかったが……この時間は、最高に愛おしかった。
「う、うぐぅ……ん!」
マティオラをペットに迎えて一年。そろそろ夜も頼みたいと打診すれば、一瞬の迷いもなく頷いてくれた。
ただ、心は受け入れてくれても、体は初心者。数日かけて中を慣らしたつもりではあったが、初めての挿入の時は苦しい顔をさせてしまった。
「マティオラ、息を吐け」
「は、はい、ふ……ふぅー……ぐ、ふぅ……ん!」
ベッドに付けていた背中を反らせて悶えているのに、痛いとも、苦しいとも言わない。
必死に耐えて、必死に私を受け入れようとしてくれる姿は、あまりに健気で……かわいかった。
だが、かわいい姿はもう充分に堪能した。
折角私好みに肉がついた健康的で柔らかい体……まぁ、まだまだ細いが……かわいい顔、美しい髪がいやらしく乱れて欲しい。
「マティオラ……」
「う、く……導王、様?」
汗の浮かんだ額から頬にかけて撫でると、ぎゅっと瞑っていた瞳が開いた。
素朴で落ち着く焦げ茶色の瞳が愛おしい。
真面目で従順なマティオラに、我慢するなと言っても無理だろう。
だから……
「我慢できて、えらいな」
「あ……」
「だが、私は色っぽく喘いでくれる子が好きだ」
「あ、も、もうしわけ……」
「演技ではなく、体がどうにも感じてしまって仕方がない、そんな喘ぎ声が聞きたい。だから……お前がはしたなく乱れてしまう場所を教えてくれ」
「あ……え? ……はい?」
「良くない時は苦しい声でいい。良い時は、存分に喘いでくれ」
マティオラは戸惑いながらも、頷いてくれた。
おそらく、初めての体にはまだ負担をかけてしまうだろう。
だが……私も経験が無いわけではない。
快感を教えてやることは、できる。
髪を毎日梳かしてやり、自然に笑顔が浮かぶように毎日優しく褒め続けた。
一年もすれば、健康的な肉付きになり、爪も髪も美しくなった。
髪が伸びて、かわいいリボンを編み込む様な髪型もできるようになったし、似合う服も解ってきて、とてもかわいくなったと思う。
何より……
「導王様、お花をお持ちしました」
毎日、仕事を始めるころに庭からいくつか花を見繕って摘んできて欲しいと頼んだら……とても嬉しそうに役目を引き受けてくれた。
朝からかわいい笑顔と、かわいい花の競演が見られて、一日のやる気が補充できた。
仕事中も、たまに中庭を覗くとマティオラが庭師と一緒に花の手入れをしたり、明日の花の組み合わせを考えたりしている様子が見られる。
癒し以外の何物でもない。
そしてもう一つ、午後のお茶を運ぶ仕事を頼み、これも快く引き受けてくれた。
「お仕事お疲れ様です。導王様、どうぞ補給なさってください」
仕事で使った魔力の補給に焼き菓子を食べるのだが……。
「ありがとう。あぁ、少し多いな。残すと料理長に悪い。マティオラ、二つ三つ助けてくれるか?」
焼き菓子の乗った皿を指差せば、マティオラは嬉しそうに頷いてくれる。
お菓子も、私の役に立つのも嬉しいようだ。
かわいい。
なんてかわいい。
日に日に慣れて、笑顔が増えるのもとてもかわいい。
「導王様、お仕事頑張ってくださいね! 夜、マッサージさせて頂きますから」
笑顔でそう言われるだけで、仕事を特別頑張れた。
そして……
性的なことも……マティオラはとても頑張ってくれた。
◆
ずっと、慣れた男娼がかわいく喘ぐ姿が好きだと思っていた。
マティオラは性的な経験がなく、性知識も乏しく、スムーズなセックスを行うまでには時間がかかったが……この時間は、最高に愛おしかった。
「う、うぐぅ……ん!」
マティオラをペットに迎えて一年。そろそろ夜も頼みたいと打診すれば、一瞬の迷いもなく頷いてくれた。
ただ、心は受け入れてくれても、体は初心者。数日かけて中を慣らしたつもりではあったが、初めての挿入の時は苦しい顔をさせてしまった。
「マティオラ、息を吐け」
「は、はい、ふ……ふぅー……ぐ、ふぅ……ん!」
ベッドに付けていた背中を反らせて悶えているのに、痛いとも、苦しいとも言わない。
必死に耐えて、必死に私を受け入れようとしてくれる姿は、あまりに健気で……かわいかった。
だが、かわいい姿はもう充分に堪能した。
折角私好みに肉がついた健康的で柔らかい体……まぁ、まだまだ細いが……かわいい顔、美しい髪がいやらしく乱れて欲しい。
「マティオラ……」
「う、く……導王、様?」
汗の浮かんだ額から頬にかけて撫でると、ぎゅっと瞑っていた瞳が開いた。
素朴で落ち着く焦げ茶色の瞳が愛おしい。
真面目で従順なマティオラに、我慢するなと言っても無理だろう。
だから……
「我慢できて、えらいな」
「あ……」
「だが、私は色っぽく喘いでくれる子が好きだ」
「あ、も、もうしわけ……」
「演技ではなく、体がどうにも感じてしまって仕方がない、そんな喘ぎ声が聞きたい。だから……お前がはしたなく乱れてしまう場所を教えてくれ」
「あ……え? ……はい?」
「良くない時は苦しい声でいい。良い時は、存分に喘いでくれ」
マティオラは戸惑いながらも、頷いてくれた。
おそらく、初めての体にはまだ負担をかけてしまうだろう。
だが……私も経験が無いわけではない。
快感を教えてやることは、できる。
54
お気に入りに追加
3,620
あなたにおすすめの小説
腐男子(攻め)主人公の息子に転生した様なので夢の推しカプをサポートしたいと思います
たむたむみったむ
BL
前世腐男子だった記憶を持つライル(5歳)前世でハマっていた漫画の(攻め)主人公の息子に転生したのをいい事に、自分の推しカプ (攻め)主人公レイナード×悪役令息リュシアンを実現させるべく奔走する毎日。リュシアンの美しさに自分を見失ない(受け)主人公リヒトの優しさに胸を痛めながらもポンコツライルの脳筋レイナード誘導作戦は成功するのだろうか?
そしてライルの知らないところでばかり起こる熱い展開を、いつか目にする事が……できればいいな。
ほのぼのまったり進行です。
他サイトにも投稿しておりますが、こちら改めて書き直した物になります。
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!
王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜
・不定期
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる