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番外編1 ●●が怖い執事長の話
作戦(2)
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「その……この手紙の説明だと、来賓の部屋、狭いよ? ローズウェルさんと、騎士団長さん、一緒に寝ないといけないかもしれないけど……ほら、ベッド、一つ……かも」
ライト様が遠慮がちに聞いてくださるが……あぁそうか。
もう今更、仕事中に恋人がいるとは話さないから、ライト様はご存じなかったか。
これは……いつも余裕があって頭が切れるライト様を、珍しく驚かせることができるのではないだろうか?
「構いません。公私混同を避けるためにお伝えしていませんでしたが……」
きっとライト様の珍しい驚くお顔が見られる! と、少し得意げに口を開いた。
「実は、私とウオルタは恋人同士なんです」
「え? えぇ!? そ、そうなの!?」
あぁ、ほら。
ライト様は口元を押さえて、目を大きく見開いて驚いてくれた。
とてもかわいい。あまり人間を驚かせてはいけないが、でも、あまりにかわいい。
「恋人……えー……ローズウェルさん、隠すの上手くない?」
「仕事に個人的なことを持ち込みたくないので」
「そっか……ローズウェルさんは仕事ができる人だと思っていたけど、すごいね……恋人……うわー……全然気が付かなかった」
恋人ではないのだから、恋人らしく見えなくて当然なのだが。
ライト様を驚かせられるのは楽しいな。
「騎士団長さんの片想いなんだと思ってた」
「……ん?」
片想い……?
「騎士団長さん、あまりにもローズウェルさんのことを好きな気持ちが隠せてないって言うか、垂れ流しだから……ごめんね、片想いされている相手と同衾なんてヤバイって勝手に気を使っちゃった」
「え?」
「ん?」
ウオルタが……え?
「ウオルタ……騎士団長は、そんな風に見えました?」
「うん。どう見てもバレバレ。でも、そうか~。騎士団長さんが隠すのが下手で、ローズウェルさんが隠すのが上手すぎるだけで、恋人だったんだ。納得」
「え、えぇ……そうなんです」
「ローズウェルさんめちゃくちゃ愛されてるね! もちろん俺は魔王さんの方がいいけど、騎士団長さんもローズウェルさんのこと大好きって顔しているし、いつもローズウェルさんのこと気遣っているし、ローズウェルさんには甘いし……これが一方的な片想いならお互いしんどいなと思ったけど、両想いなら……すごく幸せなんじゃない?」
「……」
大好きって顔? 気遣い? 甘い?
……幸せ?
「ローズウェルさん?」
「あ、え、いえ、職場でこういう話をすることに慣れなくて……て、照れますね……」
「ふふっ。そうだね。三年も一緒なのに、プライベートのお話、全然してないよね? ローズウェルさんが良ければ、また聞かせてね?」
「……あ……はい」
照れたということで乗り切ったが……。
あれ?
今までも、ウオルタが私の顔を見ると嬉しそうに手を振る、などと言われることはあって、あれはウオルタなりにわざとしてくれているのだと思ったが……周囲をよく見ているライト様の今のお言葉は……。
もう一段深く、ウオルタの気持ちを察しているように思えた。
同衾を不安に思うほど……そう見えるのか?
まさか……まさか……そんな……。
そんなわけ……ない。
ライト様が遠慮がちに聞いてくださるが……あぁそうか。
もう今更、仕事中に恋人がいるとは話さないから、ライト様はご存じなかったか。
これは……いつも余裕があって頭が切れるライト様を、珍しく驚かせることができるのではないだろうか?
「構いません。公私混同を避けるためにお伝えしていませんでしたが……」
きっとライト様の珍しい驚くお顔が見られる! と、少し得意げに口を開いた。
「実は、私とウオルタは恋人同士なんです」
「え? えぇ!? そ、そうなの!?」
あぁ、ほら。
ライト様は口元を押さえて、目を大きく見開いて驚いてくれた。
とてもかわいい。あまり人間を驚かせてはいけないが、でも、あまりにかわいい。
「恋人……えー……ローズウェルさん、隠すの上手くない?」
「仕事に個人的なことを持ち込みたくないので」
「そっか……ローズウェルさんは仕事ができる人だと思っていたけど、すごいね……恋人……うわー……全然気が付かなかった」
恋人ではないのだから、恋人らしく見えなくて当然なのだが。
ライト様を驚かせられるのは楽しいな。
「騎士団長さんの片想いなんだと思ってた」
「……ん?」
片想い……?
「騎士団長さん、あまりにもローズウェルさんのことを好きな気持ちが隠せてないって言うか、垂れ流しだから……ごめんね、片想いされている相手と同衾なんてヤバイって勝手に気を使っちゃった」
「え?」
「ん?」
ウオルタが……え?
「ウオルタ……騎士団長は、そんな風に見えました?」
「うん。どう見てもバレバレ。でも、そうか~。騎士団長さんが隠すのが下手で、ローズウェルさんが隠すのが上手すぎるだけで、恋人だったんだ。納得」
「え、えぇ……そうなんです」
「ローズウェルさんめちゃくちゃ愛されてるね! もちろん俺は魔王さんの方がいいけど、騎士団長さんもローズウェルさんのこと大好きって顔しているし、いつもローズウェルさんのこと気遣っているし、ローズウェルさんには甘いし……これが一方的な片想いならお互いしんどいなと思ったけど、両想いなら……すごく幸せなんじゃない?」
「……」
大好きって顔? 気遣い? 甘い?
……幸せ?
「ローズウェルさん?」
「あ、え、いえ、職場でこういう話をすることに慣れなくて……て、照れますね……」
「ふふっ。そうだね。三年も一緒なのに、プライベートのお話、全然してないよね? ローズウェルさんが良ければ、また聞かせてね?」
「……あ……はい」
照れたということで乗り切ったが……。
あれ?
今までも、ウオルタが私の顔を見ると嬉しそうに手を振る、などと言われることはあって、あれはウオルタなりにわざとしてくれているのだと思ったが……周囲をよく見ているライト様の今のお言葉は……。
もう一段深く、ウオルタの気持ちを察しているように思えた。
同衾を不安に思うほど……そう見えるのか?
まさか……まさか……そんな……。
そんなわけ……ない。
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