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第8章 その後の二人 / 嫉妬と未来の話
パーティー(4)
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「導王様、お手紙ではお伝えしたけど、この前は本当にありがとう。魔王さんを通じて、導王様の優しさや導王様の国の素晴らしい魔力回復薬の効果、体で感じたよ。すごく元気出た。導王様って、優しい人なんだね」
「え? あ、ライト様……! あ、それは、いや、国の長として、当然のことをしただけだ!」
「なかなかできないことだと思うよ? それにあの魔力回復薬って導王様が開発した、導王様の国にしかないものなんだよね? すごいなぁ。魔王さんのお城にも備蓄できたら安心なのに……」
って、ファイさんが言っていたのを思い出したので言ってみたんだけど……。
「……ライト様に必要であれば、売ってやってもいいが……」
「いいの? ありがとう!」
俺が素直に喜べば導王様は笑顔になって……
「いいのか、導王? 貴重な物だろう?」
魔王さんが少し申し訳なさそうにすれば、導王様は得意げな顔になる。
「はっ、お前のためではない。ライト様のためだ。それに、黒髪がいる国は少ないからな。大量生産の手筈が整ったのに売り先が少ないから仕方なく売ってやるんだ! 魔力解析防止措置はするから、技術を盗もうとしても無駄だからな!」
「そうか。では、五〇〇ほど買い付けよう」
「え? いや、それは多すぎ……」
「大量生産できるのだろう?」
「うっ……」
魔王さん、導王様の性格は解り切っているもんね? 交渉は任せて置こう。
俺はその間に……
「オファちゃんも、この前はありがとう」
「ぴゃい! あ、は、はいぃ!」
折角キレイになったのに、オファちゃん緊張しすぎだなぁ。
でも、この反応はかわいくて好き。
「オファちゃん、会うたびにキレイになっていてびっくりする。頑張っているんだ? えらいなぁ」
「あ、ひゃ、あ、あ、あ、あ、ありがとうございます!」
前のパーティーでは意地悪されたから仕返ししたけど、今日は別に怒っていないし、お礼を言うだけのつもりだったんだけど……。
どうしようかな……。
「あ、あ、ら、ライト、様?」
俺が黙って、じっと真剣な顔でオファちゃんの顔や髪を眺めると、オファちゃんは嬉しいと戸惑いがどっちも一〇〇%みたいな顔で唇を震わせる。
「オファちゃんって輪郭と頭の形がキレイだよね」
「へ?」
「髪の毛、短いのも似合いそう。輪郭がスッキリ見えるような髪型とか。あーでも、そうするとローブと合わないか……好き勝手言ってごめんね?」
「り、輪郭……髪……あ、っ、ひゃ、いえ、はい!」
オファちゃんが自分の顔を両手で包み込みながら熱っぽい視線で俺を見てくれる。
俺、嘘言ってないからね。
俺と顔の系統は近いものの、健康的な美形のオファちゃんにはハーフアップより短い方が絶対に似合う。
俺に対して、妄信的に憧れてくれるのは嬉しいんだけど……さっきのイユリちゃんもそうだけど、俺は俺の正解を目指しているだけだからね。
あと、今日の反応があまりに良すぎて、この前のパーティーでちょっとやりすぎちゃったかなって反省も込めて……の、つもりだったんだけど……。
あれ? オファちゃん?
なんか益々「ライト様素敵……憧れちゃう!」って顔してない?
「わかった。では五〇を金一〇〇で買わせてもらう」
俺たちがおしゃべりしている間に、魔王さんたちの交渉もまとまったようだ。
「無駄遣いするなよ。ライト様に負担がかかるようならすぐ使うんだぞ!」
「あぁ。心がける」
導王様秘蔵の質のいい魔力回復薬が手に入るようで何より。
さて、これでだいたいの参加者とはおしゃべりしたと思うけど……。
「ライト、そろそろ主催へのあいさつに行こう」
「あ、そうか」
メインとのおしゃべりがまだだった。
今日は東の王様が主役のはずなのに俺たちが目立って申し訳なかったな……と思いながら、途中で新しいワインのグラスを受け取りつつ、魔王さんと並んで東の王様の王座の前へと向かった。
「え? あ、ライト様……! あ、それは、いや、国の長として、当然のことをしただけだ!」
「なかなかできないことだと思うよ? それにあの魔力回復薬って導王様が開発した、導王様の国にしかないものなんだよね? すごいなぁ。魔王さんのお城にも備蓄できたら安心なのに……」
って、ファイさんが言っていたのを思い出したので言ってみたんだけど……。
「……ライト様に必要であれば、売ってやってもいいが……」
「いいの? ありがとう!」
俺が素直に喜べば導王様は笑顔になって……
「いいのか、導王? 貴重な物だろう?」
魔王さんが少し申し訳なさそうにすれば、導王様は得意げな顔になる。
「はっ、お前のためではない。ライト様のためだ。それに、黒髪がいる国は少ないからな。大量生産の手筈が整ったのに売り先が少ないから仕方なく売ってやるんだ! 魔力解析防止措置はするから、技術を盗もうとしても無駄だからな!」
「そうか。では、五〇〇ほど買い付けよう」
「え? いや、それは多すぎ……」
「大量生産できるのだろう?」
「うっ……」
魔王さん、導王様の性格は解り切っているもんね? 交渉は任せて置こう。
俺はその間に……
「オファちゃんも、この前はありがとう」
「ぴゃい! あ、は、はいぃ!」
折角キレイになったのに、オファちゃん緊張しすぎだなぁ。
でも、この反応はかわいくて好き。
「オファちゃん、会うたびにキレイになっていてびっくりする。頑張っているんだ? えらいなぁ」
「あ、ひゃ、あ、あ、あ、あ、ありがとうございます!」
前のパーティーでは意地悪されたから仕返ししたけど、今日は別に怒っていないし、お礼を言うだけのつもりだったんだけど……。
どうしようかな……。
「あ、あ、ら、ライト、様?」
俺が黙って、じっと真剣な顔でオファちゃんの顔や髪を眺めると、オファちゃんは嬉しいと戸惑いがどっちも一〇〇%みたいな顔で唇を震わせる。
「オファちゃんって輪郭と頭の形がキレイだよね」
「へ?」
「髪の毛、短いのも似合いそう。輪郭がスッキリ見えるような髪型とか。あーでも、そうするとローブと合わないか……好き勝手言ってごめんね?」
「り、輪郭……髪……あ、っ、ひゃ、いえ、はい!」
オファちゃんが自分の顔を両手で包み込みながら熱っぽい視線で俺を見てくれる。
俺、嘘言ってないからね。
俺と顔の系統は近いものの、健康的な美形のオファちゃんにはハーフアップより短い方が絶対に似合う。
俺に対して、妄信的に憧れてくれるのは嬉しいんだけど……さっきのイユリちゃんもそうだけど、俺は俺の正解を目指しているだけだからね。
あと、今日の反応があまりに良すぎて、この前のパーティーでちょっとやりすぎちゃったかなって反省も込めて……の、つもりだったんだけど……。
あれ? オファちゃん?
なんか益々「ライト様素敵……憧れちゃう!」って顔してない?
「わかった。では五〇を金一〇〇で買わせてもらう」
俺たちがおしゃべりしている間に、魔王さんたちの交渉もまとまったようだ。
「無駄遣いするなよ。ライト様に負担がかかるようならすぐ使うんだぞ!」
「あぁ。心がける」
導王様秘蔵の質のいい魔力回復薬が手に入るようで何より。
さて、これでだいたいの参加者とはおしゃべりしたと思うけど……。
「ライト、そろそろ主催へのあいさつに行こう」
「あ、そうか」
メインとのおしゃべりがまだだった。
今日は東の王様が主役のはずなのに俺たちが目立って申し訳なかったな……と思いながら、途中で新しいワインのグラスを受け取りつつ、魔王さんと並んで東の王様の王座の前へと向かった。
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