魔王さんのガチペット

メグル

文字の大きさ
上 下
193 / 409
第7章 その後の二人 / 魔力切れと覚悟の話

再会(6)

しおりを挟む
「あぁ、精液も……すぐ……っ、ふっ、はぁ……」

 魔王さんが射精のために、腰振りを早くする。
 それに合わせて、俺のペニスを扱くのも、早くなる。

「あ、や、ちょっと、あ、あ、あぁ!」

 射精した。
 オーガズムの抜けない体に両方は、だめ。すぐイっちゃう。

「くっ……あ、ライ……ト!」

 あ、魔王さんもイった。これは嬉しい。
 こぼれてしまった分も、しっかり、奥に押し込むように腰をぐりぐり押し付けてくれるのもいい。

「あ……嬉しい……魔王さんの……嬉しい……ん……んっ魔王さん……!」

 嬉しくて、ぎゅって抱き着いて魔王さんの首筋や鎖骨に沢山キスをする。

「はぁ……そうか。嬉しいか……もっと……もっと注いでやろうな?」
「うん。もっと……もっとちょうだい……あ、んん!」

 イってすぐなのに。
 もう魔王さんのが硬い。もう腰振れる硬さなんだ? 天才。最高。
 でも……。

「あ、あ? あ、あ! あ、ちょっ、あ、あ?」

 腰振ってくれるのは嬉しい。
 精液くれるのは嬉しい。
 でも……

 俺のペニスはもう扱かなくていいのに!

「まだ、まだだ、零れた分、注いでやるからな?」
「え? あ、あ!? あ、ま、や、あ!」

 手、離して欲しいのに。
 気持ち良くて、アナルが嬉しくて、ペニスが気持ち良くて、だめ、言葉にならない。
 まずい。
 俺、今日、何回イった?
 魔王さんほど回数イけないのに。
 多分、精液もう残ってないのに。

「はぁ……ライト……もう……出る、もう……くっ!」
「あ、あ、ああっ!」

 しかも、魔王さん、腰すごい。むちゃくちゃ興奮してる。
 久しぶりのセックス、いつもすごいけど特にすごい。
 前立腺も結腸もごりごり擦れて、えぐられて、それがどんどん射精に向けて早くなって、手の動きもそれにつられて、めちゃくちゃに強く、あ、もう、出ないのに、そんな、中、ペニス、あ、や、両方、あ、もう、あ、だめ、だめ、快感深い、強い、あ、これ、これ、これ、だめ!

「う、あ、アァァッ!」

 喉が痛いくらい叫んでしまった。
 思い切り責められて昇りつめた快感がパンとはじけるような。
 そういう衝撃で……。
 射精できるならこれは射精なんだろうけど……違った。
 メスイキ? いや、もっと、もっと奥からこみ上げてくるような……?
 もっと深い、強制的な、大きな快感で……

――プシュ……

 出た。
 精液は出ないけど……精液が出ないから? 出た。

 潮が。

「あ……あ……あっ……」

 びく、びくっと体が震えて、震えるたびにペニスから透明の液体が噴き出る。
 これ、潮だよって言ってあげたいけど、だめ。気持ち良くて、唇すら動かない。

「あ……ライト?」

 魔王さん、あんなに気持ちよさそうだったのに、腰とめて、驚いた顔しちゃって……大丈夫かな?
 引いてない?

「これは……まさか……先日、してくれた……潮、か?」

 あ、気付いた?
 よかった。

「ん……」

 まだ快感で痺れているんだけど、嬉しくて思わず笑顔になりながら頷くと、魔王さんはパァァァっと効果音でも付きそうな満面の笑顔になりながら俺を抱きしめてくれた。

「そ、そうか! これが潮か! 確かに、無臭で、透明で、尿とは別物で……」

 魔王さんが俺の腹筋辺りに溜まった液体に触れる。
 うっ……今、お腹に指が当たるだけの刺激でも気持ちいい。

「ライトが、俺でこんなに気持ちよさそうに……!」

 うん。気持ちいい。
 すごく気持ちいい。

 でも、悔しい……

「魔王さん……」

 魔王さんは潮吹きしても元気だったのに、悔しい。
 俺、今日はもうダメ。
 今、体力落ちているから……は、言い訳か。
 とにかくもうだめ。

「ん? どうした? 苦しいか?」
「ん……」

 首を横に振って、はぁはぁ言うので精一杯。
 もっと、精液欲しいのに。
 沢山注いでもらったけど、まだ足りないのに。

「もっ……と……魔王さん……ほし……のに……気持ち……良すぎて……」

 もうできない。悔しい。
 言葉だって、もっとかけてあげたいことが沢山あるのに。これで、限界。
 でも……。

「ライト……そ、そうか……そんなに俺を求めてくれて……それに、俺で気持ちよくなってくれて……」

 魔王さんがすっごくすっごくご機嫌な顔をしているから、まぁいいか。
 そのまま快感の波にのまれるように意識を手放した。

しおりを挟む
感想 116

あなたにおすすめの小説

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈

めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。 しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈ 記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。 しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。 異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆! 推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

【書籍化確定、完結】私だけが知らない

綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ 目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/12/26……書籍化確定、公表 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

【書籍化進行中】契約婚ですが可愛い継子を溺愛します

綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
恋愛
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ  前世の記憶がうっすら残る私が転生したのは、貧乏伯爵家の長女。父親に頼まれ、公爵家の圧力と財力に負けた我が家は私を売った。  悲壮感漂う状況のようだが、契約婚は悪くない。実家の借金を返し、可愛い継子を愛でながら、旦那様は元気で留守が最高! と日常を謳歌する。旦那様に放置された妻ですが、息子や使用人と快適ライフを追求する。  逞しく生きる私に、旦那様が距離を詰めてきて? 本気の恋愛や溺愛はお断りです!!  ハッピーエンド確定 【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/12/26……書籍化確定、公表 2024/09/07……カクヨム、恋愛週間 4位 2024/09/02……小説家になろう、総合連載 2位 2024/09/02……小説家になろう、週間恋愛 2位 2024/08/28……小説家になろう、日間恋愛連載 1位 2024/08/24……アルファポリス 女性向けHOT 8位 2024/08/16……エブリスタ 恋愛ファンタジー 1位 2024/08/14……連載開始

迷子の僕の異世界生活

クローナ
BL
高校を卒業と同時に長年暮らした養護施設を出て働き始めて半年。18歳の桜木冬夜は休日に買い物に出たはずなのに突然異世界へ迷い込んでしまった。 通りかかった子供に助けられついていった先は人手不足の宿屋で、衣食住を求め臨時で働く事になった。 その宿屋で出逢ったのは冒険者のクラウス。 冒険者を辞めて騎士に復帰すると言うクラウスに誘われ仕事を求め一緒に王都へ向かい今度は馴染み深い孤児院で働く事に。 神様からの啓示もなく、なぜ自分が迷い込んだのか理由もわからないまま周りの人に助けられながら異世界で幸せになるお話です。 2022,04,02 第二部を始めることに加え読みやすくなればと第一部に章を追加しました。

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!

棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。

処理中です...