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第7章 その後の二人 / 魔力切れと覚悟の話
再会(3)
しおりを挟む……いつもより沢山出してくれたのは解っていたけど。
でも、あまりに寂しくて、柔らかくなった魔王さんのペニスを未練がましく扱く。
「うっ! か、かわいい……!」
「あ!」
硬くなった!
これ、また精液出る? 出してくれる?
「ん、魔王さん、もっと、くれる? ね? 出して?」
ペニスに頬ずりして、いっぱいキスして、手でいっぱい扱いて……やった! すごい角度!
「はぁ、あぁ、そんな、かわいく求められたら……出るっ。出す! ライト……くっ……ライト!」
「んん!」
また出た!
あぁ、嬉しい。
一回目は必死だったけど、二回目は……だめ。やっぱりまだ必死。
「ん、んんっ、んく………はぁ……もっとぉ……魔王さん、もっと……」
二回目の射精が終わっても、しつこく先端をぺろぺろ舐めて、ちゅうちゅう吸うと、魔王さんが少しだけ乱暴に俺の頭を撫でた。
「ライト、かわいすぎだ……かわくて……かわいい……!」
「ふふっ、嬉しい」
魔王さんがいない間も、ローズウェルさんやリリリさん、お城の他の魔族さんたちにもたくさん「かわいい」って言われたけど、やっぱり魔王さんに頭を撫でられながら言われる「かわいい」が一番嬉しい。
まだまだ体液は足りないけど、二回もらって、嬉しいことも言われて、ほんの少しだけ心も体も落ち着いた。
……ん?
「ん? 魔王さん?」
魔王さんが少し体を屈めて、俺の腰を掴んだと思うと、強引に立ち上がらされた。
「すまない、たくさん飲ませてやりたいが、すまない。ライトを、味わいたい……!」
「俺を? ん!?」
キス……深くて激しい、噛みつくようなキスをされながら、魔王さんの手が性急に俺の服を脱がしていく。
キス嬉しい……唾液嬉しい……そんなことを考えているうちに、俺は裸になっていた。
「ん、んんっ……ふ」
魔王さんも、分厚いいつもの詰襟っぽい上着を脱いで、シャツも脱いで、下半身はもう脱いでいるから、裸。
「はぁ……ライト……」
「ん、魔王さん……!」
気持ちのいいキスも名残惜しいけど、体温も感じたい。
魔王さんがぎゅっと抱きしめてくれると、俺からも逞しい背中に腕を回して、胸元に頬を摺り寄せながら隙間を無くすようにくっついた。
「はぁ……魔王さん……魔王さんだぁ……」
体温、肌、厚み、筋肉の張り、全部いい。匂いも、息遣いも、声も。全部好き。
久しぶりに、魔王さんを感じられて嬉しい。
でも……魔王さんはなぜか無言だし、手が止まっている。
「魔王さん?」
「ライト……」
「……?」
声が暗い。急に、何?
不思議に思って顔を上げると、魔王さんは悔しそうな顔で唇を噛んでいた。
俺が腕の中にいるのに、なんで?
「……こんなに、痩せてしまって……」
「あ」
そう言えば……痩せた。
魔王さんの魔力不足の影響で、俺の中の魔王さんの魔力が枯渇して、寝込んでいる間に痩せた。
多分、三~四キロくらい。
筋力が落ちたから腹筋や手足が特に解りやすいと思う……けど、そんなに解る?
「俺のせいだな……すまない……ライトはただでさえ羽のように軽く、しなやかだが折れそうに細いのに……」
うーん……折角いい雰囲気だったのに。
魔王さん優しいからなぁ。気にしちゃうのは仕方ないか。
ここで魔王さんは悪くないってフォローも入れられるけど、それよりも……俺、今、余裕がないから……。
「魔王さん、細い俺、嫌い? ぽっちゃりの方がいい?」
わざとらしいくらい悲しい顔で首をかしげると、魔王さんは大慌てで首を振ってくれた。
「違う! ライトならなんでも好きだ! しかし、その……細すぎると……申し訳ないし、壊してしまいそうで怖い」
今度はわざとらしいくらいほっとした笑顔で魔王さんに抱き着く。
「よかった~! 魔王さんに嫌われちゃったらどうしようかと思った!」
「うぅ、かわいい……」
魔王さんの顔から「罪悪感」が薄れた。よしよし。
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