魔王さんのガチペット

メグル

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第3章 体の話

第52話 すごくかわいくみえる(4)

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「ライト……いいのか?」
「ん、いい……奥、いい……っあ!」

 俺の声を聴いて、魔王さんがもう我慢できないとでも言うように腰を動かす。
 ゆっくり……探るように……。

「あ、あ……あ、おく、奥当たるたび、だめ。体、ぜんしん、ふるえる……あ、すごい」

 まだ緩くだけど、魔王さんが少し腰を引いて、奥を突くたびに、全身に電流が走る。
 ゾクゾクする。
 こんな刺激知らない。
 これ、だめ。

「あ、いや、すごい、すごいぃ!」
「あ、ライト、っ、う……ん!」

 魔王さんが何度も息を飲んで、すごいギラギラした視線で俺を見下ろす。
 あぁ、怖い。
 食べられちゃいそう。
 これも、ゾクゾクする。

「あ、まおうさん、だめ、こんなすごいの、だめ、へん、へんになる!」
「あ……へ、変に、なっていい……もっと、もっと、もっとだ、ライト!」
「あ!? あ、ぁ、あぐっ! あ、お、ぅ、く、あ!?」

 魔王さんがトントンと小刻みに奥を突いて、ぐっと突いたところで腰を止めたと思うと、味わうようにそこで、そこ、先端で、ぐりぐり擦り付けてて……。

「あ、あぁ、あ!? や、なにそ、れ、いや、すごい、あ、それ、おく、ひらく、まおうさん、まおうさん!」

 刺激がすごい。もう、体がびくびく跳ねて、頭を振って、なんとか快感を逃がそうとするけど逃げない。
 だめだ。気持ちいい。よすぎる。
 変になる。もうおかしい。
 もうだめ。

「だめ、だめ、もうだめ、あ、あぁッ!」

 否定する言葉を言っても、獰猛な顔の魔王さんは止まらない。
 どうしよう。良すぎて、本当、俺、どうなってる?
 魔王さんに、なんか、してあげなきゃいけないのに、腰、動かされたら、もう、今、どう動いてもきもちよくて、体、よじって乱れるしかできなくて。
 一回、とめてもらいたいのに。
 セーフワードなんだっけ? なんだっけ!?

「あ、も、だめ、やめて、だめ、あ、それ、やだ、いや、よすぎ、よすぎていや、だめ! あ、おくばっか、だめ、だめだめいや! あ、あぁ!」
「っ、はぁ、ライト、すごい……かわいい……ライト……!」

 止まってくれない、しかも、すごく獰猛なのに、すごく楽しそう。
 じゃあもういい?
 俺、気持ち良く喘ぐだけでいい?
 もう、良すぎておかしくなるよ?
 いいよね?

「あ、あ、あ、ああぁ、いい、い、あ、おく、おっ!? あ!? あぅぐ……っ!」
「ライト、かわいい、あぁ、なんて、かわいいんだ……深くなるほど、かわいい、こんなライト、見たことが無い。はぁ、かわいい、っ、かわいい!」

 魔王さんの腰振りが少し強くなって、パンと大きく下半身が当たると、ぐりぐりと奥に擦り付けられて……あ、あー……今、今一番深い。当たって、結腸の入り口広がって、ちょっと入って、入っちゃだめな場所、こじ開けられて……こんなの、こんな、深く繋がるの、もう、だめ。

「あ、や、い、いく、まおうさ、い、いっちゃ、いくっ……!」
「うっ、お……こんな……中……っぐ!」
「アァッ! うそ!?」

 魔王さんの手が俺のペニスに触れる。
 魔王さん、絶対に余裕ないのに!

「そんな、りょうほう、あ、だめ、だめだめ、イく、イくッ! ん! んぐっ、ん!!」

 イった。
 イきそうなところにペニスを扱かれて、思い切り、めちゃくちゃ気持ちよくイった。

「あ、あ? あ、イ、った、イったぁ!」

 イったのに。
 魔王さんの手が止まらない。
 たぶん魔王さんも、自分がイくのに必死で……腰使いも遠慮なく強くて……。

「あ、アァ! っや、あ、ぅ、う……く、ぐっ!」

 イってるのに、ペニスをめちゃくちゃに扱かれて、中を思いっきり突かれて、今日一番強く突かれて、やばい。
 気持ち良すぎて怖い。
 快感が深い。お腹の奥から、魔王さんがこじ開けた奥からずーんと全身に重く広がる快感が、もう、すごい。

「っ……ラ、ライト……くっ!」

 魔王さんの腰がやっと止まる。
 最奥で、ぐりぐり奥に腰を押し付けてきて……。

「んんんっ!」

 またイった。
 やばい。
 こんなイきかた覚えたら、やばい。

「あ、ま、まおう、さ、ん、奥、すごい、おく、こんなの知ったら、おれ……おれ、まおうさん以外と、エッチできなくなる……!」

 喘ぎながら、快感でぐちゃぐちゃの頭で、思いつくまま口から言葉が出ていた。
 いつの間にか流れていた生理的な涙で顔もぐちゃぐちゃだし……よがりまくって、引き寄せまくって、シーツもぐちゃぐちゃ。多分折角キレイな色にしてもらった髪もぐちゃぐちゃ。
 かわいい俺じゃない。
 でも……魔王さん、何その顔?
 快感で上気した頬で、はぁはぁ言いながら……なんでちょっと泣きそうなの?

「ライト……はぁ……」
「んうっ!」

 射精してすぐの、まだ敏感なアナルの中を、魔王さんのペニスが抜けていき……あ……抜けちゃった。
 寂しい……。
 奥に、来てくれたのに、いなくなるの寂しい……

「あ、や、まおうさ、さびし……!」

 俺が涙をこぼしながら手を伸ばすと、魔王さんはすぐに上半身を倒して、ぴったりと俺を抱きしめながらベッドに寝転んでくれた。
 あ……魔王さんの体に密着して、包まれて、肌が触れて……これ、いい。

「ライト……すごかった……」

 うん。俺も……と、魔王さんの腕の中で俺からもぎゅうぎゅうくっつきながら頷く。

「こんなに深く、他人の中に踏み入れたことは無い。心も、体も……こんなに誰かを近くに感じたことはない。こんなに、気持ちがいいことだなんて、知らなかった。ライトと距離が近づくことが……幸せで仕方がない」

 魔王さんの声はまだ興奮していて、はぁはぁいっていて……でも泣きそうで……。

「ライト……好きだ。大好きだ……俺のライト……ライト!」

 魔王さんの言葉、全部震えるほどに嬉しいんだけど……返事する気力が無い。
 泣かないで欲しい、安心して欲しい。折角、こんなに深いセックスしたのに。

「まおうさん……」

 なんとか、一言だけ……。

「すき……」

 上手く笑えたかな?
 伝わるかな?

「あ……ライト……!」

 うん。
 魔王さんが泣きそうな顔からぎこちないけど笑顔になったから大丈夫か。

 よかった……

 よかっ……

 ほっとして気を抜いた瞬間、意識を手放していた。

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