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第2章 ペットの可愛がり方の話
第37話 心配
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「あのー……ライト様、体調はいかがですか?」
食事の時間でもないし、俺が声をかけてもいないのにリリリさんが部屋にやってくるのは珍しい。
あと、いつも元気ににこにこしゃべってくれるリリリさんが心配そうに、めちゃくちゃ気を使いながら口を開いてくれているのも珍しい。
「ん? 元気だよ」
「食欲は大丈夫ですか? 昼食も軽くしましょうか?」
「いつも通りでいいよ」
「えっと、痛み止めや……その……止血の魔法は……?」
「必要ないよ」
「マッサージなど……」
「自分でストレッチするから大丈夫」
ローズウェルさんに見られたし、色々洗濯に出しているんだから、ある程度の人にはバレバレだろうけど……リリリさんにも俺と魔王さんがエッチしたのバレているんだな。
気恥ずかしくはあるけど……。
みんなこういうことって気になるんだろうね。
ホストの時なんてうっかり枕営業したら翌日にはネットの掲示板に書かれて界隈みんなにバレていたから、まぁいいか。
「あの……」
「んー?」
俺が笑顔のまま返事を続けても、リリリさんは最後まで真剣な顔だった。
「ライト様、お節介なのは重々承知なのですが……あの、魔王様には絶対に言いませんから、辛かったり、苦しかったりすることがあれば、絶対に言ってくださいね!」
あ……。
あー……そうか。
ちょっとミーハーな気持ちなのかと思ったけど、本当に、心の底から俺を心配してくれているんだ。
きっと今までのペットは、初体験で体が辛くても魔王さんの前で気を使って無理をしていた子もいたんだろう。
「ありがとう。俺、本当に大丈夫だし、辛い時は正直に言うから。その時はよろしくね」
「はい! 私たちメイドには絶対に遠慮しないでください!」
リリリさんがやっと笑顔になってくれた。
明るくて元気なリリリさんには笑顔の方が絶対に似合う。
魔王さんのペットをやることに不満は無いけど、この閉鎖的な環境でリリリさんみたいな人がいてくれるのって貴重だよね……。
だから……
「……遠慮しないでって言うなら、一つお願いしていい?」
「はい! なんでもどうぞ!」
「帽子ってある?」
「ございます。午後のお出かけ用ですね? どのような形がご希望ですか?」
「顔は日に焼けたくないからツバが広いのが欲しいんだよね。それで、俺に似合いそうで魔王さんが『かわいい』って褒めてくれそうなやつ」
俺の言葉に、リリリさんは真剣な顔で考え込む。
「……お召し物は、そちらのご予定ですか?」
「うん」
そちらって言っても、いつもの白いスタンドカラーのシャツに生成っぽい緩めのズボンだけど。
「承知致しました! すぐに被服室へ行って見繕ってきます!」
「よろしくね」
リリリさんを見送って、昨日のセックスの筋肉痛を解すために軽くストレッチをしていると……一〇分もしないうちにリリリさんが戻ってきた。
なぜか、すっごく良い笑顔で。
「こちら、いかがですか!?」
五つくらい重ねられたつば広の帽子の中から、一番オススメらしい広めの波打ったつばと深い赤色のリボンが印象的な白い帽子を手渡される。
元の世界の女優さんがこういうの被っているイメージあるな。
「お、エレガントでいいね。……こんな感じ?」
俺が被ってみると、リリリさんは手鏡を向けながら大きく頷いてくれる。
「はい! とてもよくお似合いです!」
「じゃあこの帽子使わせてもらうね」
「それと……あの、よろしければこれも」
リリリさんが、帽子と共に持ってきた細長い赤色の布をおずおずと差し出す。
この形状って確か、このお城に来た日にもつけた……。
「リボンタイ?」
「はい。帽子のリボンとお揃いで……あの、今、お庭の同じ色のバラが満開なので」
へぇ。色々考えてくれているんだ。
リリリさん、俺を着飾るのが楽しいみたいだけど……楽しむだけじゃなくてちゃんと考えてしてくれているのが嬉しい。この世界のメイドさんってみんなこんな感じ?
「いいね。リリリさん、結ぶのもお願いできる?」
「はい! ぜひぜひライト様にしていただきたい結び方があるんです!」
リリリさんはまたすっごく良い笑顔になって俺の首にタイを結んでくれた。
どうやっているのかよく解らないけど、小さめのバラみたいな華やかな結び方で……。
ホスト時代のイベントの日には、昔ながらのホストっぽくバラの生花を胸にさすなんてこともあったなぁ……と懐かしくなった。
当然、俺にはよく似合っていた。
食事の時間でもないし、俺が声をかけてもいないのにリリリさんが部屋にやってくるのは珍しい。
あと、いつも元気ににこにこしゃべってくれるリリリさんが心配そうに、めちゃくちゃ気を使いながら口を開いてくれているのも珍しい。
「ん? 元気だよ」
「食欲は大丈夫ですか? 昼食も軽くしましょうか?」
「いつも通りでいいよ」
「えっと、痛み止めや……その……止血の魔法は……?」
「必要ないよ」
「マッサージなど……」
「自分でストレッチするから大丈夫」
ローズウェルさんに見られたし、色々洗濯に出しているんだから、ある程度の人にはバレバレだろうけど……リリリさんにも俺と魔王さんがエッチしたのバレているんだな。
気恥ずかしくはあるけど……。
みんなこういうことって気になるんだろうね。
ホストの時なんてうっかり枕営業したら翌日にはネットの掲示板に書かれて界隈みんなにバレていたから、まぁいいか。
「あの……」
「んー?」
俺が笑顔のまま返事を続けても、リリリさんは最後まで真剣な顔だった。
「ライト様、お節介なのは重々承知なのですが……あの、魔王様には絶対に言いませんから、辛かったり、苦しかったりすることがあれば、絶対に言ってくださいね!」
あ……。
あー……そうか。
ちょっとミーハーな気持ちなのかと思ったけど、本当に、心の底から俺を心配してくれているんだ。
きっと今までのペットは、初体験で体が辛くても魔王さんの前で気を使って無理をしていた子もいたんだろう。
「ありがとう。俺、本当に大丈夫だし、辛い時は正直に言うから。その時はよろしくね」
「はい! 私たちメイドには絶対に遠慮しないでください!」
リリリさんがやっと笑顔になってくれた。
明るくて元気なリリリさんには笑顔の方が絶対に似合う。
魔王さんのペットをやることに不満は無いけど、この閉鎖的な環境でリリリさんみたいな人がいてくれるのって貴重だよね……。
だから……
「……遠慮しないでって言うなら、一つお願いしていい?」
「はい! なんでもどうぞ!」
「帽子ってある?」
「ございます。午後のお出かけ用ですね? どのような形がご希望ですか?」
「顔は日に焼けたくないからツバが広いのが欲しいんだよね。それで、俺に似合いそうで魔王さんが『かわいい』って褒めてくれそうなやつ」
俺の言葉に、リリリさんは真剣な顔で考え込む。
「……お召し物は、そちらのご予定ですか?」
「うん」
そちらって言っても、いつもの白いスタンドカラーのシャツに生成っぽい緩めのズボンだけど。
「承知致しました! すぐに被服室へ行って見繕ってきます!」
「よろしくね」
リリリさんを見送って、昨日のセックスの筋肉痛を解すために軽くストレッチをしていると……一〇分もしないうちにリリリさんが戻ってきた。
なぜか、すっごく良い笑顔で。
「こちら、いかがですか!?」
五つくらい重ねられたつば広の帽子の中から、一番オススメらしい広めの波打ったつばと深い赤色のリボンが印象的な白い帽子を手渡される。
元の世界の女優さんがこういうの被っているイメージあるな。
「お、エレガントでいいね。……こんな感じ?」
俺が被ってみると、リリリさんは手鏡を向けながら大きく頷いてくれる。
「はい! とてもよくお似合いです!」
「じゃあこの帽子使わせてもらうね」
「それと……あの、よろしければこれも」
リリリさんが、帽子と共に持ってきた細長い赤色の布をおずおずと差し出す。
この形状って確か、このお城に来た日にもつけた……。
「リボンタイ?」
「はい。帽子のリボンとお揃いで……あの、今、お庭の同じ色のバラが満開なので」
へぇ。色々考えてくれているんだ。
リリリさん、俺を着飾るのが楽しいみたいだけど……楽しむだけじゃなくてちゃんと考えてしてくれているのが嬉しい。この世界のメイドさんってみんなこんな感じ?
「いいね。リリリさん、結ぶのもお願いできる?」
「はい! ぜひぜひライト様にしていただきたい結び方があるんです!」
リリリさんはまたすっごく良い笑顔になって俺の首にタイを結んでくれた。
どうやっているのかよく解らないけど、小さめのバラみたいな華やかな結び方で……。
ホスト時代のイベントの日には、昔ながらのホストっぽくバラの生花を胸にさすなんてこともあったなぁ……と懐かしくなった。
当然、俺にはよく似合っていた。
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