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第2章 ペットの可愛がり方の話
第31話 良いムードだから
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「魔王さん!」
ソファから立ち上がって、向かいの魔王さんの隣に座る……と言うよりは、しがみつく。
「ライト!?」
「魔王さん、ありがとう。俺、すごく嬉しい」
「そんなに外に出たかったのか?」
魔王さんは嬉しそうに俺の体を抱きしめ返して背中を撫でてくれるけど、違う。そうじゃない。
「外に出られるのも嬉しいけど、それ以上に……魔王さんが俺のことを考えてくれて、俺のために頑張ってくれたのが嬉しい!」
「ライト……」
俺ね、ダメなんだよね。
俺のために頑張ってくれる人、好きすぎる。
小さい頃から両親がいなかったからかな……こういう無償の愛みたいなのに弱い。
弱すぎる。
「大好きなライトのためだ。当然だろう?」
「魔王さん……」
俺のこと好きって手つきで体を撫でてくれるのも、本当に好き。
いいなぁ。
嬉しいなぁ。
好きだなぁ。
嬉しくて、たまらなくて、ぎゅうぎゅう抱きしめて魔王さんの胸元に頬を摺り寄せる。
でも、こんなんじゃ俺の嬉しい気持ちを全然表現できない。
もっと……
もっと、「嬉しい! 魔王さん好き!」を全力で伝えたい。
でも、その方法って……
「……俺のしたことで、喜んでくれるライトはこんなにかわいいのか……」
「え?」
顔を上げると、魔王さんの方がなぜか「たまらない」という顔で俺を見つめていた。
そんな顔で見られたら、俺……もっと焦らそうと思っていたのに……。
「ライト、まだ我慢はできる。だが……」
俺のことが好きで好きでたまらないって感じの顔が近づいてくる。
「お前が愛しくてたまらない」
唇が触れそう。
キスする?
それとも、もっと……?
今日全部しちゃうのは勿体ないかな……出し惜しみしたい。
でも……俺がもう全部欲しい。
「あ、しかし……」
「え?」
顔が近づいてくる途中で、魔王さんが慌てて距離をとる。
「見返りが欲しくてしたわけじゃないから、ライトの気分が乗らなければきっぱりと断ってくれ!」
折角かっこよかったのに。
良い雰囲気だったのに。
でも、そんなところも愛おしい。
「ふふっ。魔王さんのそういう優しいところも好き」
魔王さんの顔を両手でつかんで、さっきの……ギリギリまで近づいた位置に戻す。
「でもね、今すごく良いムードだったから……このまま、ね?」
唇が触れそうで触れない位置で俺が目を閉じると、魔王さんが喉を鳴らしたのが解って……。
「ん……」
優しく唇が触れた。
◆
「お待たせ、魔王さん」
「あ、あぁ……」
魔王さんに先にシャワーを浴びてもらって、俺もシャワーを浴びて、二人ともバスローブ姿でベッドに腰掛ける。
魔王さんの視線が、緩く開いたバスローブの胸元……俺の鎖骨の辺りに向いているのバレバレ。
ちゃんとそういう目で見てもらえるか心配したけど、大丈夫そう。抱きたくて仕方ないって雄の顔だ。
でも、そうだな……
「あ、一応確認するけど、魔王さんは挿入する方だよね?」
できるだけ無邪気に首を傾げると、魔王さんが慌てた様子で頷いた。
「え? ……あ、あぁ、そうか。当然のように俺が挿入する方だと思っていたが……男同士は別にどちらでもできる……か」
「俺はね、大好きな魔王さんが気持ちよくなってくれるならどっちでもいいよ」
俺の言葉に魔王さんがきゅっと唇を噛む。
「ライト……お前は、なんでこんな時も……」
「んー?」
俺がとぼけていると魔王さんは宝物に触れるみたいに、そっと俺の頬に触れた。
「俺はお前を可愛がりたい。だから、抱かせて欲しい。なるべく、優しくする」
抱かれる側でも相手を可愛がれるけど……こうやって自分で選んで覚悟を決めてくれたからいいや。
「うん。魔王さんと俺、体格差あるから……よろしくね?」
「あぁ」
シャワールームでしっかり準備したから大丈夫だとは思うけど。
魔王さんの絶対大きいよなぁ……。
楽しみでしかない。
ソファから立ち上がって、向かいの魔王さんの隣に座る……と言うよりは、しがみつく。
「ライト!?」
「魔王さん、ありがとう。俺、すごく嬉しい」
「そんなに外に出たかったのか?」
魔王さんは嬉しそうに俺の体を抱きしめ返して背中を撫でてくれるけど、違う。そうじゃない。
「外に出られるのも嬉しいけど、それ以上に……魔王さんが俺のことを考えてくれて、俺のために頑張ってくれたのが嬉しい!」
「ライト……」
俺ね、ダメなんだよね。
俺のために頑張ってくれる人、好きすぎる。
小さい頃から両親がいなかったからかな……こういう無償の愛みたいなのに弱い。
弱すぎる。
「大好きなライトのためだ。当然だろう?」
「魔王さん……」
俺のこと好きって手つきで体を撫でてくれるのも、本当に好き。
いいなぁ。
嬉しいなぁ。
好きだなぁ。
嬉しくて、たまらなくて、ぎゅうぎゅう抱きしめて魔王さんの胸元に頬を摺り寄せる。
でも、こんなんじゃ俺の嬉しい気持ちを全然表現できない。
もっと……
もっと、「嬉しい! 魔王さん好き!」を全力で伝えたい。
でも、その方法って……
「……俺のしたことで、喜んでくれるライトはこんなにかわいいのか……」
「え?」
顔を上げると、魔王さんの方がなぜか「たまらない」という顔で俺を見つめていた。
そんな顔で見られたら、俺……もっと焦らそうと思っていたのに……。
「ライト、まだ我慢はできる。だが……」
俺のことが好きで好きでたまらないって感じの顔が近づいてくる。
「お前が愛しくてたまらない」
唇が触れそう。
キスする?
それとも、もっと……?
今日全部しちゃうのは勿体ないかな……出し惜しみしたい。
でも……俺がもう全部欲しい。
「あ、しかし……」
「え?」
顔が近づいてくる途中で、魔王さんが慌てて距離をとる。
「見返りが欲しくてしたわけじゃないから、ライトの気分が乗らなければきっぱりと断ってくれ!」
折角かっこよかったのに。
良い雰囲気だったのに。
でも、そんなところも愛おしい。
「ふふっ。魔王さんのそういう優しいところも好き」
魔王さんの顔を両手でつかんで、さっきの……ギリギリまで近づいた位置に戻す。
「でもね、今すごく良いムードだったから……このまま、ね?」
唇が触れそうで触れない位置で俺が目を閉じると、魔王さんが喉を鳴らしたのが解って……。
「ん……」
優しく唇が触れた。
◆
「お待たせ、魔王さん」
「あ、あぁ……」
魔王さんに先にシャワーを浴びてもらって、俺もシャワーを浴びて、二人ともバスローブ姿でベッドに腰掛ける。
魔王さんの視線が、緩く開いたバスローブの胸元……俺の鎖骨の辺りに向いているのバレバレ。
ちゃんとそういう目で見てもらえるか心配したけど、大丈夫そう。抱きたくて仕方ないって雄の顔だ。
でも、そうだな……
「あ、一応確認するけど、魔王さんは挿入する方だよね?」
できるだけ無邪気に首を傾げると、魔王さんが慌てた様子で頷いた。
「え? ……あ、あぁ、そうか。当然のように俺が挿入する方だと思っていたが……男同士は別にどちらでもできる……か」
「俺はね、大好きな魔王さんが気持ちよくなってくれるならどっちでもいいよ」
俺の言葉に魔王さんがきゅっと唇を噛む。
「ライト……お前は、なんでこんな時も……」
「んー?」
俺がとぼけていると魔王さんは宝物に触れるみたいに、そっと俺の頬に触れた。
「俺はお前を可愛がりたい。だから、抱かせて欲しい。なるべく、優しくする」
抱かれる側でも相手を可愛がれるけど……こうやって自分で選んで覚悟を決めてくれたからいいや。
「うん。魔王さんと俺、体格差あるから……よろしくね?」
「あぁ」
シャワールームでしっかり準備したから大丈夫だとは思うけど。
魔王さんの絶対大きいよなぁ……。
楽しみでしかない。
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