ゲイのエッチなお兄さん

回路メグル

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番外編3(全13話)

【番外編3】若頭(改造巨根)と舎弟と「怪我」の話【10】

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 タカさんが怪我をしてから二回目のセックスの日。
 数日前にセックスの師匠ともいえる二人から丁寧な指導を受けて、そのうえで「リードはできない」と言われてからも、俺はきちんと筋トレやディルドでの練習を頑張った。
 だって悔しかったんだ。
 いくら経験の差があると言っても、二人にはできるみたいなのに、俺にはできないということが。
 タカさんとの関係を、第三者に指摘されることが。

 だから、ここ数日必死に頑張ってトレーニングして、ディルドで練習して、動画も沢山観た。
 絶対に俺がタカさんを満足させるんだ。

 それで、あの二人に「ちゃんとできたぞ。俺のタカさんへの気持ちをみくびるんじゃねぇ」って言ってやる!


     ◆


「えっと……まずは彼シャツだったな」

 夕食後に、ソファでイチャイチャしているうちにセックスの雰囲気になって、まずは風呂。
 ここ数週間、毎日俺が洗っているタカさんの体を、今日は少しだけねちっこく洗い「ギプス濡らす気か? ベッドで待ってる」と言われて、すでに半勃ちのタカさんを見送った。
 一人になった浴室で後ろの準備をして、プラグを入れなおして、いつもならボクサーパンツだけを履いて寝室に向かうけど……。

「でかい……」

 洗濯籠から毎日俺が着せて、俺が脱がせて、俺が洗って干してアイロンをかけているタカさんのシャツを取り出す。今日着ていたこのシャツは、シンプルな白。ガタイのいいタカさんに会わせて作られたセミオーダーの開襟シャツ。
 何度も手に取ってきたシャツだけど、自分で着てみると、ボクサーパンツが余裕で隠れるし指先まで隠れるし、肩は落ちるし……改めてでかさに驚く。
 そうだよな。タカさんに抱きしめられると俺、すっぽり腕の中におさまるもんな。
 それと……あ、これ、タカさんの匂いしていいな……。

「ん……って! ちがう!」

 つい、タカさんのシャツの襟に顔を埋めて匂いを堪能してしまうが、違う!
 俺が楽しくなってどうするんだ!?
 タカさんを楽しませるための彼シャツだ。
 ほら、ミミが言っていたのも思い出せ。
 恥ずかしがっている感じだよな?
 よし……いける。

「お、おまたせしました」

 いつも勢いよく開く寝室のドアをゆっくりと開くと、ベッドに腰掛けた下着姿のタカさんが俺を見てひどく驚いた顔をする。

「……っ、リョウ……それ……」
「あ、えっと……勝手に借りて、すんません……あの……」

 あ、なんか、驚かれると一気に羞恥心が……。
 これ、裸より恥ずかしいな。
 この、いかにも……「エロいことのためにしてます!」っていうのが。

「……こ、こういうの嫌だったらすんません」

 自然と用意していた台詞が出るし、演技じゃなく恥ずかしくて視線を逸らす

「……い、や……いい、と思う」

 よかった。
 タカさんの絞り出すような声色的に、本気でいいと思ってくれてる。
 ちょっとほっとした。

「ほら、こい……リョウ」
「はい」

 いつもなら両手を開いて待っているタカさんだけど、今日は右手は黒いサポーターで吊ったまま、左手だけを広げて俺をベッドに呼ぶ。

「急にどうした?」

 右手に当たらないように気を付けながら、タカさんの膝に向かい合って乗り上げると、タカさんはいつも以上に嬉しそうに頬や額へキスをしてくれた。

「その……前回俺、上手くできなかったから……エロ動画とか観て研究しました」
「前回も言ったが、別に上手なセックスは求めていないが……」

 俺にキスをしてくれていたタカさんの顔が離れて、お互いの顔がよく見えるようになる。
 あ、うわ……タカさん、嬉しそうな顔してる。
 
「お前が俺のためにエロいこと頑張る姿はぐっとくる。たまんねぇ」
「タカさん……」
「他にも色々エロい格好あるのに、なんで俺が一番して欲しい格好が解るんだ?」

 うっ……彼シャツ提案したのは俺じゃなくてあの二人なんだけど……セックス経験の少ない俺でも、ここであの二人に勧められてと言うとタカさんが萎えるのは解った。

「俺、タカさんの恋人になってもう一年以上たつんスよ?」
「そうか……悪いリョウ。ずっとお前の方が経験がないから、若いからと見くびっていた」
「ん……」

 タカさんが嬉しそうに俺の頬を撫でる。
 嬉しそうで熱っぽい視線で……あ、やべ。ちょっと勃つ。

「もう一年以上、俺とヤってんだもんなぁ。成長して当然か」
「そうッスよ。タカさんのツボはもう解ってるんで。前回はちょっと、本当に騎乗位初めてでヤバかったけど、今回はちゃんと研究してきたから大丈夫っすよ!」
「ははっ。期待してるからな?」
「はい!」

 よし。彼シャツたった一つでこんなに好評なんだ。
 この調子なら、タカさんのこといっぱい喜ばせてあげられるんじゃないか?
 あの二人、心配しすぎだろ。
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