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番外編3(全13話)
【番外編3】若頭(改造巨根)と舎弟と「怪我」の話【7】
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急な参加だったにも関わらず、ユキさんは相変わらずの色気たっぷりの笑顔で俺を迎えてくれた。
ユキさんは仕事帰りで無難なスーツなのに、そんな顔でソファに座っていると、高級ホストクラブかよって思う。
「なるほど。右手が使えないタカさんのために、あの改造巨根を相手にリードしたいってことか……」
「あぁ」
新設のラグジュアリーホテル風のラブホテルは、ベッドもデカいがソファもデカくて、俺を真ん中に三人で並んで腰かけても充分のサイズ。その代わり、ローテーブルは小さくて、差し入れの酒とつまみを三人分並べるだけでやっとだった。
実はラブホって人生でまだ三回目なんだよな。ここ、料金の割には広くないか? 俺の住んでる1DKより広いだろ?
……と、俺がついつい辺りを見渡している間、ユキさんはサングリアのカップを片手に真剣に考え込んでくれていた。
この人、俺なんかの悩みをこんなに真剣に……。
「今はアナルを休ませる期間で、拡張のタイミング的に次のエッチまで十一日なんだって。ギリギリじゃない?」
十一日で間に合わないなら、次のセックスでも良いのかもしれないが、タカさんの怪我の経過は順調だから、その次となるともうギプスが外れて普通にセックスができるようになっているはずだ。
……まぁ、最悪は今回に間に合わなくてもいい。
今後タカさんとは一生一緒にいるつもりだから、これからも怪我や病気で俺がリードすべきことがあると思う。
それに……シンプルに、マンネリとか怖いし。
「二週間ないのか……ねぇリョウさん、ちょっと脱いでくれる?」
「……わかった」
他人に裸を見せるのは好きではない。
ヤクザのくせに、筋肉がつきにくいヒョロガリだから。
それに、今の俺の体はタカさんのもんだから。
でも、ユキさんの真剣な視線に促されれば、素直にスーツを脱ぐしかなかった。
「うーん……」
無難なファストファッションのボクサーパンツ姿でソファに座りなおした俺を、ユキさんがまじまじと見つめた後、「ごめん、ちょっと触るね?」と確認されてあまり性的な感じではなく太ももや腰を触られた。
「リョウさん、失礼を承知で言うけど」
「あぁ」
「上手なセックスのための筋肉が一二か所くらい足りない」
「……一二か所?」
「うん。細かく分けるともっとあるけど、セックスってタチの体力や筋力が必要だと思われているけど、ネコの筋力がすごく大事なんだよ。特に騎乗位で気兼ねなくアンアン言おうと思ったら足腰とインナーマッスルをしっかり鍛えないと」
「インナーマッスル?」
「あと、柔軟性見たいからベッド行こう?」
「柔軟?」
アスリートか?
もっとアナルがどうとか腰使いがどうとか言われると思っていたのに……。
混乱しながらもユキさんについてベッドに上がる。
「ちょっと開脚……あ、ちゃんとストレッチしてるんだ?」
「あぁ。ユキさんのメモに書いてあったのは、拡張期間に必ずしてる」
「じゃあ、それは続けてもらうとして……」
いつの間にかミミもベッドに上がっていて、両肩を美形二人にポンと叩かれた。
「「まずは、体鍛えよう!」」
「……え?」
◆
とりあえず一週間、アナルを休ませる期間でもあるし、まずは体を鍛えることになった。
二人に勧められるままジムのパーソナルレッスンを受けて、二人に言われた通りの「こういう筋肉をなるべく一〇日で……その後も継続して鍛えたい」と相談し、トレーナーにメニューを組んでもらった。
そしてそのメニュー通りに毎日ジムで体を鍛えて、食事もトレーナーのアドバイス通りに鶏肉とか野菜を言われたタイミングで食って、プロテインも飲んだ。
あと、体幹を鍛えるためのバランスボールとかヨガとかもユキさんに勧められた動画を参考に頑張った。
学校にもまともに行っていなかったし、遊びでスポーツをすることも無かったし、こんな風に体をしっかり動かすなんて初めてで、毎日筋肉痛だ。
というか、こんな地味な運動と飯で本当に鍛えられんの?
俺、脂っこい物とか甘い物とか食いまくっても太らないのに。
半信半疑ではあったけど、ユキさんに言われたことなので毎日必死に頑張った。
本当はタカさんに隠れてこっそりしたかったけど、タカさんの世話をさせてもらうためにタカさんの家に半分住んでいるようなものなのに隠すなんて無理で……詳しい理由は言わずに、正直に話をした。
「ちょっと体力付けようと思って、体鍛えることにしました」
「そうか……今のお前の体も充分魅力的だが、健康のためにもいいかもしれないな」
タカさんは優しいことを言っている風で、その表情は妙にニヤニヤっていうか……見透かされてる。
俺がこの前のセックスでヘバったから体力をつけようとしているのはバレバレだ。
俺がタカさんの家でバランスボールや筋トレをするたびに、タカさんの熱っぽい視線が向いて……恥ずかしいというか、居た堪れないというか……ちょっと興奮もするというか……。
でもいい。
ユキさんたちのアドバイスを受けていることは言っていないし、驚かせるためじゃないんだから。
タカさんを気持ち良くさせられればなんでもいいんだ。
ユキさんは仕事帰りで無難なスーツなのに、そんな顔でソファに座っていると、高級ホストクラブかよって思う。
「なるほど。右手が使えないタカさんのために、あの改造巨根を相手にリードしたいってことか……」
「あぁ」
新設のラグジュアリーホテル風のラブホテルは、ベッドもデカいがソファもデカくて、俺を真ん中に三人で並んで腰かけても充分のサイズ。その代わり、ローテーブルは小さくて、差し入れの酒とつまみを三人分並べるだけでやっとだった。
実はラブホって人生でまだ三回目なんだよな。ここ、料金の割には広くないか? 俺の住んでる1DKより広いだろ?
……と、俺がついつい辺りを見渡している間、ユキさんはサングリアのカップを片手に真剣に考え込んでくれていた。
この人、俺なんかの悩みをこんなに真剣に……。
「今はアナルを休ませる期間で、拡張のタイミング的に次のエッチまで十一日なんだって。ギリギリじゃない?」
十一日で間に合わないなら、次のセックスでも良いのかもしれないが、タカさんの怪我の経過は順調だから、その次となるともうギプスが外れて普通にセックスができるようになっているはずだ。
……まぁ、最悪は今回に間に合わなくてもいい。
今後タカさんとは一生一緒にいるつもりだから、これからも怪我や病気で俺がリードすべきことがあると思う。
それに……シンプルに、マンネリとか怖いし。
「二週間ないのか……ねぇリョウさん、ちょっと脱いでくれる?」
「……わかった」
他人に裸を見せるのは好きではない。
ヤクザのくせに、筋肉がつきにくいヒョロガリだから。
それに、今の俺の体はタカさんのもんだから。
でも、ユキさんの真剣な視線に促されれば、素直にスーツを脱ぐしかなかった。
「うーん……」
無難なファストファッションのボクサーパンツ姿でソファに座りなおした俺を、ユキさんがまじまじと見つめた後、「ごめん、ちょっと触るね?」と確認されてあまり性的な感じではなく太ももや腰を触られた。
「リョウさん、失礼を承知で言うけど」
「あぁ」
「上手なセックスのための筋肉が一二か所くらい足りない」
「……一二か所?」
「うん。細かく分けるともっとあるけど、セックスってタチの体力や筋力が必要だと思われているけど、ネコの筋力がすごく大事なんだよ。特に騎乗位で気兼ねなくアンアン言おうと思ったら足腰とインナーマッスルをしっかり鍛えないと」
「インナーマッスル?」
「あと、柔軟性見たいからベッド行こう?」
「柔軟?」
アスリートか?
もっとアナルがどうとか腰使いがどうとか言われると思っていたのに……。
混乱しながらもユキさんについてベッドに上がる。
「ちょっと開脚……あ、ちゃんとストレッチしてるんだ?」
「あぁ。ユキさんのメモに書いてあったのは、拡張期間に必ずしてる」
「じゃあ、それは続けてもらうとして……」
いつの間にかミミもベッドに上がっていて、両肩を美形二人にポンと叩かれた。
「「まずは、体鍛えよう!」」
「……え?」
◆
とりあえず一週間、アナルを休ませる期間でもあるし、まずは体を鍛えることになった。
二人に勧められるままジムのパーソナルレッスンを受けて、二人に言われた通りの「こういう筋肉をなるべく一〇日で……その後も継続して鍛えたい」と相談し、トレーナーにメニューを組んでもらった。
そしてそのメニュー通りに毎日ジムで体を鍛えて、食事もトレーナーのアドバイス通りに鶏肉とか野菜を言われたタイミングで食って、プロテインも飲んだ。
あと、体幹を鍛えるためのバランスボールとかヨガとかもユキさんに勧められた動画を参考に頑張った。
学校にもまともに行っていなかったし、遊びでスポーツをすることも無かったし、こんな風に体をしっかり動かすなんて初めてで、毎日筋肉痛だ。
というか、こんな地味な運動と飯で本当に鍛えられんの?
俺、脂っこい物とか甘い物とか食いまくっても太らないのに。
半信半疑ではあったけど、ユキさんに言われたことなので毎日必死に頑張った。
本当はタカさんに隠れてこっそりしたかったけど、タカさんの世話をさせてもらうためにタカさんの家に半分住んでいるようなものなのに隠すなんて無理で……詳しい理由は言わずに、正直に話をした。
「ちょっと体力付けようと思って、体鍛えることにしました」
「そうか……今のお前の体も充分魅力的だが、健康のためにもいいかもしれないな」
タカさんは優しいことを言っている風で、その表情は妙にニヤニヤっていうか……見透かされてる。
俺がこの前のセックスでヘバったから体力をつけようとしているのはバレバレだ。
俺がタカさんの家でバランスボールや筋トレをするたびに、タカさんの熱っぽい視線が向いて……恥ずかしいというか、居た堪れないというか……ちょっと興奮もするというか……。
でもいい。
ユキさんたちのアドバイスを受けていることは言っていないし、驚かせるためじゃないんだから。
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