ゲイのエッチなお兄さん

回路メグル

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本編3/ 「成長」の話

一週間、毎日しよう【17】七日目

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「ユキくんのここも好きだよ。こっちも」
「ん、俺も、そこ触ってもらうのも好き♡」

 恋人同士らしく、ゆっくり愛撫をして、キスはもう何回したか解らない。
 名前も、何度呼んだか解らない。
 恋人同士の甘ったるくてしつこいイチャイチャ前戯で、ユキくんの体も、アナルも、俺の表情も、頭の中も、もうとろとろになっている。
 こんな状態で挿入したら、とろとろ同士混ざり合ってしまうんじゃないかなんて馬鹿みたいなことを考えてしまうが……頭の中がとろとろなんだ。仕方がない。

「ユキくん、入れるよ」
「ん、来て。欲しい♡」

 薄くローションを足して……でもゴムは付けずに、正常位でユキくんのアナルに先端を宛がった。
 一年ぶりの生挿入だ。
 俺とユキくんが、一番近くなるセックスだ。

「ふぅ……」

 息を整えたから少し体重をかけて、括れの辺りまでゆっくり……でも、一気に挿入する。

「ん……ふぅ……あ」
「んっ」

 ……俺の方が喘いでる。
 しまった。めちゃくちゃいい。
 自分から言ったくせに、ユキくんを気持ちよくさせるためなのに、俺がめちゃくちゃいい。
 だって、いや、こんなだったか?
 この一週間何度も入ったアナルなのに。
 ゴムだって、一番薄い0.01や生感覚のゴムばかりだったのに。
 亀頭に絡む内壁の熱さ、生々しい粘膜が絡む感触、微かに感じる内壁の震え……こんなにも、ユキくんを感じるのか。

「はぁ……ん、セイジさん、この前……」
「ん?」

 つい、結合部を凝視して停まってしまっていると、ユキくんが腰に沿えた俺の手に自分の手を重ねた。

「生感覚のコンドーム使ってくれたけど」

 レイプごっこの日か。
 あのプレイでよく解ったな……。

「あれ、入ってきた瞬間生だと思ったけど」

 ユキくんは平気でしゃべっているように見えるが、声が微かに震えていて……顔を見ると……

「本当の生、全然違ったぁ♡」

 エッチな笑顔の中でも満面の嬉しそうな笑顔だった。

「生、いい?」
「うん♡ 生ってこんなにセイジさんの感触も、形もわかるんだっけ? すごい……入れるだけで満足感がやばい」
「俺も。すごくいいよ。ユキくんの中、いつも気持ちいいけど、今が一番気持ちいい」
「そうなんだ……セイジさんも気持ちよくなってくれるんだ……生、最高だね?」

 話しながらも、ユキくんの腰が少しもどかしそうに揺れる。

「最高だから、早く奥まで入れたい」
「ふふっ♡ 俺も。この気持ちいいの、奥まで全部で味わいたい」

 少し体を前に倒して、結合を深くする。
 すぐに奥まで入りたいのに、入れてしまうのがもったいなくて……ユキくんの中を味わいたくて、ゆっくりと少しずつ奥へと進める。

「ん、あ……んんっ! あ、そこ、あ、括れあたるの、すご……ぃ♡」
「前立腺?」
「ん、ん、そう、あ、そう!」
「いつもより気持ちよさそう」
「いい、あ、だって、生だと、なんか、段差、よくわかる……♡」

 そういえば去年も言っていたな。
 生の方が括れがハッキリすると。
 肌感覚だけでなく、そこも違うのか……じゃあ。

「ん、あ、あ♡」
「こんな感じ?」
「ん、そう、それ、いい♡」

 カリの括れで引っ掻くように腰を振れば、ユキくんが気持ちよさそうに喘ぐ。
 悲鳴のような喘ぎ声ではないが、しみじみ気持ちよさそうに、深く感じてくれているのが解る声で……いいな。
 これ、恋人セックスだな……。

「かわいい。俺で気持ちよくなってくれてるユキくん、かわいいな……」
「あ……♡ うん。セイジさんので……気持ちいい♡」

 更に上半身を倒して、腰に沿えていた手をユキくんの顔の横につくと、手首にユキくんの指が絡んだ。

「セイジさんとのセックス……気持ちいい♡」

 ユキくんの指が絡んだ俺の手首に、頬を摺り寄せ、愛おしそうにそこへキスをしてくれる。
 こんなの、どう見ても恋人だ。

「俺も、気持ちいい。ユキくんとのセックス、好きだよ。大好き」
「ん……うん♡」

 嬉しそうに頷いたユキくんが手首から手を離して、俺の両肩に手を置いた。

「好き」

 嬉しい言葉と共に、体を引き寄せられ、結合が自然と深くなる。

「あ♡ ん、ん……はぁ……このまま……奥まで♡」
「あぁ」
「あ! ん……ん、あ……あ……はぅ……んっ!」

 抱き寄せられ、内壁も奥へ招くように波打って、誘われるままに深く……最奥についても更に体重をかけて、みっちりともうこれ以上奥に行けないところまで繋がった。

「あ……♡ 深い……全部……♡」
「ん、全部埋まったよ」
「あ、ん……はぁ、あつい……セイジさんだ……」

 嬉しそうに俺に抱き着いて、体を摺り寄せるのと同じように、内壁もみっちりと俺のペニスに絡みつく。
 しっかり味わってくれているのが解る、食む様な動きはとても気持ちいいが……それ以上に何とも言えない体の奥深くからも幸福感があった。

「……俺、今すごく幸せだよ」
「セイジさん……」
「ユキくんと、誰よりも近くなれるのが……幸せだなって」

 ユキくんの体を抱きしめて、一mmも隙間ができないように最奥にぐりぐりと腰を押し付けると、ユキくんも肩に回した腕の力を強くしてくれた。

「……うん、俺も」
「幸せ?」
「うん」
「そっか……」

 ユキくんも幸せか。
 生の恋人セックスで。
 幸せか……そうか……。

「ごめん。ちょっとの間、顔見ないで」
「……セイジさん?」

 ユキくんの肩口に顔を埋める。
 こんな顔見せられない。

 情けないな。
 まさか、泣くとは思わなかった。

 去年だって恋人らしいセックスをして、嬉しい言葉を沢山言われた。
 この一週間だって。

 それなのに……いや、それだからか。

 腕の中のユキくんを幸せにできたことが嬉しかったし、この幸せがあと数時間で終わってしまうことが悲しかった。
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