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本編3/ 「成長」の話
風俗店長と恋人【16】
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「そういうわけで、私と彼氏はお互いに男遊びOKなの。意外かもしれないけど、他の男とセックスするようになってから一層フミハルさんとのセックスを楽しめるようになったわ。他のセックスは楽しいけど、フミハルさんとのセックスが一番安心する。他所の家を知って実家の良さを知るような感じかしら」
「すごい……」
もう三杯目の梅酒のグラスを握ったユキさんは、最後まで私の話を真剣に聞いてくれた後に、感嘆のため息をついた。
良かった。この話をすると苦い顔をされることもあるんだけど、ユキさんの心には響いたみたいね。
「これならミマさんの魅力が活かされるし、飽きられにくいし、飽きにくいし、自分に正直でいられるかも……」
私の話だけど、ユキさんはいつの間にか自分のことに置き換えて考えてくれているようだった。
だらだらと長い惚気話をしたかいがあったかしら。
「でしょう? だらだらと話してしまったけど、私が言いたいのは『お付き合いの形はカップルによってそれぞれ』決まった形なんて無いってこと」
「確かに。俺、好き勝手遊んでいるくせに、頭が固かったかもしれない。恋人同士でも、セックスは切り離して考えるなんて付き合い方もあったんだ……」
ユキさんが素直に頷く。
あぁ、こういう気取らないところ、昔から変わっていないわね。かわいい♡
「別に、私がユキさんの師匠だからって真似すること無いのよ。これがユキさんにとっても正解とは思っていないわ。あなたが一番自分に合うと思う形のお付き合いをすればいいの。世間の普通でも師匠のお手本でもなく、あなた自身が一番いいと思うお付き合い」
「……ちょっと考えてみる。自分がどんなお付き合いをしたいのか……どんなお付き合いならできるのか」
「そうね。一度自分を見つめなおすのは大事よ。それと。まずは相手としっかりお話しすることね」
真剣な顔で私の話を聞いていたユキさんが、困ったように眉を寄せてグラスに残った梅酒を煽る。
「でも、その相手が見つからないんだよ」
「そういえば……『恋人って良いな』と思った切っ掛けがあったんでしょう? どんな切っ掛けだったの」
「切っ掛けは……最高のポリネシアンセックスをするために一週間恋人ごっこしようって誘ってもらったんだけど……」
ユキさんは思い出すように一度目を閉じてからまたゆっくりと開く。
「ポリネシアンセックスはもちろん、その間の恋人ごっこが楽しくて……すごくドキドキするのに安心する、あの不思議な居心地の良さ。恋人って良いなって思った」
あら、可愛いお顔ね。
色気とは違う、下半身よりも心臓にぐっとクる、ちょっと切なくて可愛いお顔。
ふーん。
そんな顔できちゃうってことは……
「それ、恋人関係を良いなと思ったの? 相手を良いなと思ったの?」
「え?」
ユキさんは一瞬目を瞬かせた後、元々酔いなのか照れなのかほんのり赤くなっていた顔を、首筋まで真っ赤にする。
「え……うそ……あれ?」
「まぁ、その辺りも含めて一度じっくり考えて見なさい」
ユキさんは戸惑っているけど、その戸惑いは「自覚」しちゃったみたいね。
「ユキさんが成長するいい機会だと思うわ」
私が育てた最高の男の子だけど、これからもっともっと素敵なところを観られるかもしれないわね。
楽しみ♡
良い話ができたと思って、グラスに残ったお酒で口を潤していると、ふいにユキさんが可愛らしく首を傾げる。
「ところでミマさん、前に俺のお誘いを『彼氏がいるから』って断らなかった?」
……チッ、気付いちゃったのね。
もう、ここは正直になるしかないか。
「だって、若い頃の私と比べられるの嫌だったんだもの」
「え? 今のミマさんは今のミマさんで素敵だと思うけど? でも……」
ユキさんが、私が一番好きな色気のあるかわいい笑顔を向けてくれる。
「こんな素敵なお話聞いちゃったら、もうおねだりできないな」
「……相談ならいつでも乗るわよ」
「うん。ありがとう、ミマさん」
あーあ。こんな話したら早く彼氏の顔が観たくなっちゃった。
でも、今海外出張中なのよね……。
「すごい……」
もう三杯目の梅酒のグラスを握ったユキさんは、最後まで私の話を真剣に聞いてくれた後に、感嘆のため息をついた。
良かった。この話をすると苦い顔をされることもあるんだけど、ユキさんの心には響いたみたいね。
「これならミマさんの魅力が活かされるし、飽きられにくいし、飽きにくいし、自分に正直でいられるかも……」
私の話だけど、ユキさんはいつの間にか自分のことに置き換えて考えてくれているようだった。
だらだらと長い惚気話をしたかいがあったかしら。
「でしょう? だらだらと話してしまったけど、私が言いたいのは『お付き合いの形はカップルによってそれぞれ』決まった形なんて無いってこと」
「確かに。俺、好き勝手遊んでいるくせに、頭が固かったかもしれない。恋人同士でも、セックスは切り離して考えるなんて付き合い方もあったんだ……」
ユキさんが素直に頷く。
あぁ、こういう気取らないところ、昔から変わっていないわね。かわいい♡
「別に、私がユキさんの師匠だからって真似すること無いのよ。これがユキさんにとっても正解とは思っていないわ。あなたが一番自分に合うと思う形のお付き合いをすればいいの。世間の普通でも師匠のお手本でもなく、あなた自身が一番いいと思うお付き合い」
「……ちょっと考えてみる。自分がどんなお付き合いをしたいのか……どんなお付き合いならできるのか」
「そうね。一度自分を見つめなおすのは大事よ。それと。まずは相手としっかりお話しすることね」
真剣な顔で私の話を聞いていたユキさんが、困ったように眉を寄せてグラスに残った梅酒を煽る。
「でも、その相手が見つからないんだよ」
「そういえば……『恋人って良いな』と思った切っ掛けがあったんでしょう? どんな切っ掛けだったの」
「切っ掛けは……最高のポリネシアンセックスをするために一週間恋人ごっこしようって誘ってもらったんだけど……」
ユキさんは思い出すように一度目を閉じてからまたゆっくりと開く。
「ポリネシアンセックスはもちろん、その間の恋人ごっこが楽しくて……すごくドキドキするのに安心する、あの不思議な居心地の良さ。恋人って良いなって思った」
あら、可愛いお顔ね。
色気とは違う、下半身よりも心臓にぐっとクる、ちょっと切なくて可愛いお顔。
ふーん。
そんな顔できちゃうってことは……
「それ、恋人関係を良いなと思ったの? 相手を良いなと思ったの?」
「え?」
ユキさんは一瞬目を瞬かせた後、元々酔いなのか照れなのかほんのり赤くなっていた顔を、首筋まで真っ赤にする。
「え……うそ……あれ?」
「まぁ、その辺りも含めて一度じっくり考えて見なさい」
ユキさんは戸惑っているけど、その戸惑いは「自覚」しちゃったみたいね。
「ユキさんが成長するいい機会だと思うわ」
私が育てた最高の男の子だけど、これからもっともっと素敵なところを観られるかもしれないわね。
楽しみ♡
良い話ができたと思って、グラスに残ったお酒で口を潤していると、ふいにユキさんが可愛らしく首を傾げる。
「ところでミマさん、前に俺のお誘いを『彼氏がいるから』って断らなかった?」
……チッ、気付いちゃったのね。
もう、ここは正直になるしかないか。
「だって、若い頃の私と比べられるの嫌だったんだもの」
「え? 今のミマさんは今のミマさんで素敵だと思うけど? でも……」
ユキさんが、私が一番好きな色気のあるかわいい笑顔を向けてくれる。
「こんな素敵なお話聞いちゃったら、もうおねだりできないな」
「……相談ならいつでも乗るわよ」
「うん。ありがとう、ミマさん」
あーあ。こんな話したら早く彼氏の顔が観たくなっちゃった。
でも、今海外出張中なのよね……。
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