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本編3/ 「成長」の話
風俗店長と恋人【14】
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リニューアルから三ヶ月。
相変わらず店は順調。小さなトラブルはあるけど、ボーイはまだ誰もやめていないし、売り上げはいいし、お客さんの出禁もまだ出ていない。
「自分が店長に向きすぎていてビックリ」
ここまでうまくできるとは本当にビックリ。
やはりボーイ経験が長くて、ボーイの気持ちが解るし指導もしっかりしてるからよね。
プライベートももちろん順調。
フミハルさんは相変わらず私に優しいし、仕事も応援してくれているし、優しくエッチしてくれるし。
穏やかで幸せ。
で、ちょっと退屈。
……というか、この仕事のせいよね。
毎日目の前で刺激的なセックスの話をきかされて、お客さんやボーイからオプションの相談、プレイの相談をされる。
相談しやすい、良い店長でいられるのは嬉しいけど、羨ましくなるようなプレイの話を色々聞かされて「ヤりたい」欲が日に日に膨らんでいく。
彼氏とそういうプレイをすればいいんだろうけど……
「ね、フミハルさん。今日はちょっと乱暴に抱いて欲しい……だめ?」
「トキくんのこと好きすぎて乱暴にできる自信が無いけどやってみる」
おねだりすれば付き合ってくれるんだけど、悪いけど……正直微妙。
思えば、お店の客の時でも、オプションは色々つけてくれるけど、結局は優しい普通のセックスばかりだった。
変わったことをするのが苦手みたいだし、それが「トキくんのこと好きすぎてつい丁寧に、気持ちよくしようって思っちゃうんだよね」なんて言われたら「あぁん、フミハルさん大好き♡」としか返せない。
嬉しいのよ。
こんな私をここまで大切にしてくれることは嬉しいの。
それに、無理強いはできない。
私だってフミハルさんが嫌がることしたくない。
でも……
ボーイを辞めて約一年半。
セックスを覚えて二〇年間ありとあらゆるセックスを楽しんできた体は、そろそろ我慢の限界だった。
優しいエッチに飽きたわけじゃない。
優しいエッチはしたい。愛されたい。
でも、それプラス、他のセックスもしたい。
他の男との刺激的なセックスをしたい。
ねぇ、私クズで変態すぎない?
◆
自分のクズで変態具合に呆れながらも、なんとか誤魔化して日々を送っていたある日、たまたま延長が入って店を閉める時間に私ともう一人のボーイ、エルちゃんの二人だけになった。
「最近のミマくん、つまんない」
「こら、店長でしょ」
エルちゃんはリニューアル前からのベテランボーイで元同僚。ミミちゃんほどではないけど、小動物系のかわいい見た目の男の子。
かわいいのに垂れ目と口元の黒子がエロくて、実際ものすごくエロくて、そこが人気でもあり、ちょっと問題児でもある。
「前は色気垂れ流しでギラギラしてて、次はどの男とセックスできるかな~って常に物色してるような人だったのに」
「なによそれ」
でも、確かにそうだ。最近の私は、ケンさんや他の常連さんにも「丸くなった」「色気ねぇな」と何度も言われている。店長としてはそれでいいんだけど、今まで長年愛されてきた「お色気キャラ」という自分の武器を失ったようで怖かった。
「腑抜けた笑顔、店長としてはいいかもだけどぉ……」
まだバスローブ姿のエルちゃんが、事務机でパソコンに向かう私の横にやってくる。
「ミマくんが時々してくれるセクハラ、好きだったのに」
「……エルちゃん」
床に膝をついたエルちゃんが、私の太ももに頬を摺り寄せる。
この子、エロ過ぎてすぐに他のボーイを誘ったり、お客さんと店外デートするのよね……ボーイとしては優秀だから悩ましい。
私もそのエロさに負けて、ボーイ時代は時々手を出していたから、本当に悩ましい。
「今日のお客さん下手な人ばっかりだったからぁ……久しぶりにミマくんの大きなおちんちんでアナルの中、ぐぽぐぽしてもらいたいなぁ」
「っ……!」
上目づかいで、私の太ももの付け根の際どい所に唇を寄せるエルちゃんは、めちゃくちゃエッチで……しかも知っているのよ。この子のアナル、縦割れのとろとろで、少し緩いけどすごく媚びてくる思い切り腰が振れる最高のアナルなの。
思い出したら……まずい。
「ちゃんと彼氏にも他のスタッフにも内緒にするし、ミマくんの好きな駅弁していいよ♡ 壁に押し付けるやつ」
体格的にできる子が限られているんだけど、駅弁、いいのよね。小さい体を壁に押し付けながら、重力も使ってがんがん掘るの、楽しいのよね……ネコの子が必死に落ちないように縋ってくれるのも楽しくて、アナルも反射でキュンキュンするし……。
「彼氏とじゃできないでしょ? ほら、フェラもしたげるよ?」
「っ! ちょ……ん……!」
スーツの布越しにエルちゃんの唇がペニスに触れる。
……フェラチオなんて最後にしてもらったのは……。
「ふふん♡ ミマくんもしたかったんだぁ」
「違っ……」
「勃起してるのに?」
「っ……」
彼氏がいるのに。
大切な、大好きな、彼氏がいるのに。
こんな安い誘惑で勃ってしまう自分が情けなくて……。
「……ごめんなさい」
泣きそうだった。
相変わらず店は順調。小さなトラブルはあるけど、ボーイはまだ誰もやめていないし、売り上げはいいし、お客さんの出禁もまだ出ていない。
「自分が店長に向きすぎていてビックリ」
ここまでうまくできるとは本当にビックリ。
やはりボーイ経験が長くて、ボーイの気持ちが解るし指導もしっかりしてるからよね。
プライベートももちろん順調。
フミハルさんは相変わらず私に優しいし、仕事も応援してくれているし、優しくエッチしてくれるし。
穏やかで幸せ。
で、ちょっと退屈。
……というか、この仕事のせいよね。
毎日目の前で刺激的なセックスの話をきかされて、お客さんやボーイからオプションの相談、プレイの相談をされる。
相談しやすい、良い店長でいられるのは嬉しいけど、羨ましくなるようなプレイの話を色々聞かされて「ヤりたい」欲が日に日に膨らんでいく。
彼氏とそういうプレイをすればいいんだろうけど……
「ね、フミハルさん。今日はちょっと乱暴に抱いて欲しい……だめ?」
「トキくんのこと好きすぎて乱暴にできる自信が無いけどやってみる」
おねだりすれば付き合ってくれるんだけど、悪いけど……正直微妙。
思えば、お店の客の時でも、オプションは色々つけてくれるけど、結局は優しい普通のセックスばかりだった。
変わったことをするのが苦手みたいだし、それが「トキくんのこと好きすぎてつい丁寧に、気持ちよくしようって思っちゃうんだよね」なんて言われたら「あぁん、フミハルさん大好き♡」としか返せない。
嬉しいのよ。
こんな私をここまで大切にしてくれることは嬉しいの。
それに、無理強いはできない。
私だってフミハルさんが嫌がることしたくない。
でも……
ボーイを辞めて約一年半。
セックスを覚えて二〇年間ありとあらゆるセックスを楽しんできた体は、そろそろ我慢の限界だった。
優しいエッチに飽きたわけじゃない。
優しいエッチはしたい。愛されたい。
でも、それプラス、他のセックスもしたい。
他の男との刺激的なセックスをしたい。
ねぇ、私クズで変態すぎない?
◆
自分のクズで変態具合に呆れながらも、なんとか誤魔化して日々を送っていたある日、たまたま延長が入って店を閉める時間に私ともう一人のボーイ、エルちゃんの二人だけになった。
「最近のミマくん、つまんない」
「こら、店長でしょ」
エルちゃんはリニューアル前からのベテランボーイで元同僚。ミミちゃんほどではないけど、小動物系のかわいい見た目の男の子。
かわいいのに垂れ目と口元の黒子がエロくて、実際ものすごくエロくて、そこが人気でもあり、ちょっと問題児でもある。
「前は色気垂れ流しでギラギラしてて、次はどの男とセックスできるかな~って常に物色してるような人だったのに」
「なによそれ」
でも、確かにそうだ。最近の私は、ケンさんや他の常連さんにも「丸くなった」「色気ねぇな」と何度も言われている。店長としてはそれでいいんだけど、今まで長年愛されてきた「お色気キャラ」という自分の武器を失ったようで怖かった。
「腑抜けた笑顔、店長としてはいいかもだけどぉ……」
まだバスローブ姿のエルちゃんが、事務机でパソコンに向かう私の横にやってくる。
「ミマくんが時々してくれるセクハラ、好きだったのに」
「……エルちゃん」
床に膝をついたエルちゃんが、私の太ももに頬を摺り寄せる。
この子、エロ過ぎてすぐに他のボーイを誘ったり、お客さんと店外デートするのよね……ボーイとしては優秀だから悩ましい。
私もそのエロさに負けて、ボーイ時代は時々手を出していたから、本当に悩ましい。
「今日のお客さん下手な人ばっかりだったからぁ……久しぶりにミマくんの大きなおちんちんでアナルの中、ぐぽぐぽしてもらいたいなぁ」
「っ……!」
上目づかいで、私の太ももの付け根の際どい所に唇を寄せるエルちゃんは、めちゃくちゃエッチで……しかも知っているのよ。この子のアナル、縦割れのとろとろで、少し緩いけどすごく媚びてくる思い切り腰が振れる最高のアナルなの。
思い出したら……まずい。
「ちゃんと彼氏にも他のスタッフにも内緒にするし、ミマくんの好きな駅弁していいよ♡ 壁に押し付けるやつ」
体格的にできる子が限られているんだけど、駅弁、いいのよね。小さい体を壁に押し付けながら、重力も使ってがんがん掘るの、楽しいのよね……ネコの子が必死に落ちないように縋ってくれるのも楽しくて、アナルも反射でキュンキュンするし……。
「彼氏とじゃできないでしょ? ほら、フェラもしたげるよ?」
「っ! ちょ……ん……!」
スーツの布越しにエルちゃんの唇がペニスに触れる。
……フェラチオなんて最後にしてもらったのは……。
「ふふん♡ ミマくんもしたかったんだぁ」
「違っ……」
「勃起してるのに?」
「っ……」
彼氏がいるのに。
大切な、大好きな、彼氏がいるのに。
こんな安い誘惑で勃ってしまう自分が情けなくて……。
「……ごめんなさい」
泣きそうだった。
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