ゲイのエッチなお兄さん

回路メグル

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本編3/ 「成長」の話

風俗店長と恋人【9】

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「入れるよ」
「んっ、来て」

 ベッドに仰向けになった私にフミハルさんが覆いかぶさる。

「んっ! ……く……」

 とろとろに解してもらった場所が大きく広がって、フミハルさんのペニスが一気に括れまで押し込まれた。

「はっ……う……ん」

 久しぶりのアナルセックス。
 しかもフミハルさんのペニスは大きめ。
 入れる瞬間はやっぱりキツかった。苦しいし、可愛い声も出せない。
 色気のある表情も作れない。
 それなのに、フミハルさんはいつになく楽しそうにそんな私を見ていた。

「その顔も珍しくてそそるけど、俺でもっと気持ちよくなって」
「あ、うっ、ん! あ!?」

 まだ中は苦しくて、馴染んでいなくて、必死に記憶をたどってどうすればいいか考えていたのに、私が思い出すよりも先に、フミハルさんが「いつものセックス」を始める。

「あ、あ、あ、あぁん! そこ、そこ、いい、あ、あぁっ!」

 開発しきった前立腺、押し上げるより、そう、それ。小刻みにカリで引っ掻かれる方が好き。
 乳首も、指先で引っ掻かれるの、あ、それ、いい! 
 好きな場所も、好きな力加減も、角度も、全部バレてる。
 一番好きな刺激が、一番弱い場所に……いきなり一番すごいの。久しぶりで、あ、あ、だめ、刺激強い。強すぎ。
 こんなの、だめ。

「あ、あ、や、だめ、あぁ!」
「久しぶりだから? 感度いいね? かわいい」

 いつもサービスで出しているような喘ぎ声が自然に口から出て、お客さんの体に傷をつけないように気を付けているはずの手はそんなことを忘れてフミハルさんの背中に縋りつく。

「トキくん、もっとエッチな声聞かせて? いっぱいよがって?」
「あぁっ!」

 腰の動きが激しくなるけど、やっぱり私の好きなところばかり。
 フミハルさん、もっと奥が好きなのに。

「あ、だめ、こんなの、私ばっかり、だめ」
「お店じゃないんだから、っ、そんなの気にしちゃダメだよ」

 腰の動きは激しいままで、優しく、長く伸ばした髪を撫でられる。
 あぁ、今日はだめ。
 やっぱりおかしい。
 久しぶりで体が敏感で、それに、なんか……。

「トキくん……はぁ、俺もいいよ、トキくん」
「んんっ!」

 耳元で名前を呼ばれると、脳イキしそうになる。下半身からも、上半身からも慣れない快感に襲われて、体も、頭も、気持ち良すぎて上手く働かない。

「あ、や、だめ、いい、よすぎて、私も、お店じゃないから、もっと、あ、あぁ! してあげたい、のにぃ」

 快感に蕩けさせながらなんとか言葉を絞り出すと、フミハルさんが腰の動きを止めた。
 ……止まっているけど、そこ、カリが前立腺にぴったりくっつくところで……じわじわと気持ちいい。

「じゃあ、俺が一番したかったことしていい?」
「え? もちろん。して、フミハルさん」

 お店ではスタンダードなプレイが主だったけど、付けられるオプションは一通り付けて、即尺からアナル舐め、道具やコスプレまで何でもしたのに……一番したかったこと? させてあげてなかったの?

「トキくん、いい?」

 申し訳なく思っているうちに、フミハルさんの顔が近づいてきて……あぁ、そうね。
 やっと解った。

「んっ」

 受け入れる合図のつもりで目を閉じると、数秒置いて唇にフミハルさんの唇が重なった。

「……」

 キス。
 そういえばNGにしていたわ。
 別に、特別な理由なんてないのにね。
 NGがあったほうが希少価値が上がるというか、「なんでもやります」って安っぽいでしょ?
 だから、テクニック的なことは何でもOKにして、キスと恋人プレイだけNGにしていたのよ。
 お客さんとキスするのくらい嫌じゃなかったけど、なんとなくイメージ的にってだけ。
 たまにルール違反でキスをしてくるお客さんもいて、「もう、NGにしているんだから料金三倍よ!」なんて稼ぐネタにしていたくらいなのに。
 フミハルさんは律義に守ってくれて、絶対に唇に触れてこなかった。
 ごめんなさい。
 我慢させていたのね。

「……ん」

 あ、舌……気持ちいい。口の中の良いところを探るように丁寧に……私の呼吸に合わせて深いところまで入ってくるのも、舌同士をからめ合わせるのも、タイミングが良くて上手い。だんだん唾液と舌の面積の広い部分でねっとりと絡んでくるのも、ちょっと吸われるのも、あ、唇、その食む動き、食べられちゃいそうでいい。

「っん、ふ……あ……むっ、ん」

 ただでさえ名前を呼ばれるたびに脳イキしそうだった頭の中が、キスの感触とくちゅくちゅうるさい唾液の音と、熱と、ふわふわする。
 しかも、ずっとカリに押し上げられている前立腺も、少しずつ、ゆっくり、ペニスが動き出して……。

「あ、あぁ、ん……っ、ふ……あ……ん」

 キスハメってこんなに気持ちよかった?
 頭がしびれて、気持ちいいところに下半身からの突き上げるような強い快感が襲ってきて、繋がっているのなんて口とアナルだけなのに、上と下同時だともう全身が、一本の線が通っているように全身が、全身、もう、私全部。フミハルさんを受け入れて気持ちよくなっちゃってる。

「ん、トキくん……んっ、ふっ……く!」

 キスの合間に名前を呼ばれるのも気持ちいい。
 ……呼ぶのも。

「フミハルさ、ん! んんっ! ん、っ!」

 あ、腰の動きが激しい。
 もうイくの?
 こんな深いキスをしながらイったらどうなっちゃうの?
 もうふわふわしてるのに、これ以上、怖い、でも、あ、もう、はげしい、あ、いいところ、おもいきり擦られて、だめ。ペニスまで……!

「んんんんんんっ!」
「く……っ!」

 射精した瞬間も唇に喘ぎ声を全部塞がれて、喉の奥で上げた自分の悲鳴じみた声が頭に、全身に響く。
 快感が逃げない。
 しかも

「あ、はぁ、はっ、はぁ……あぅ! う、うくっ……!」

 やっと唇が離れて大きく息を吸い込む間も、フミハルさんがすべてを注ぎ込むようにペニスを一層深く埋めて、精液を奥に塗り付ける動きをする。

「あぁ、あ、ひっ、ん!」

 あぁ、このタイミングで今日初めての、八カ月ぶりの結腸なんてずるい、ずるい、よすぎる、あぁ、だめ、イったのに、きもちいい。

「ふっ……はぁ……トキくん」

 射精した後もフミハルさんはしばらく私の最奥にいて、全身をぴったりとくっつけて何度か軽いキスをしてくれた。
 あぁ、だめ。
 ずっと気持ちいい。
 だって、イったあとにずっと奥に当たっていて、名前を呼ばれて、キスをされて……今日知った気持ちいいことが全部続いているんだもの。

「フミハルさん……」
「ん? トキくん?」

 まだ快感で震えている私の頬をフミハルさんが優しく撫でてくれる。
 射精後の少し気だるくて、幸せそうな笑顔。
 いつもこんな顔のはずなのに、今日はこの笑顔に特別キュンとくる。
 だから、つい……

「もっとして……ほしい」
「……!?」

 撫でてくれる手に頬を摺り寄せながら、もっとしたいと媚びる気持ちを隠さずに言うと、中で萎えていたペニスが硬くなった。
 顔はものすごく驚いているけど。
 そうよね。
 お店では時間も決まっていたし、プレイもあらかじめ決めるし、私から「もっと」なんてお誘いできないもの。

「……今日、泊って良い? ゆっくりかわいがりたい」
「えぇ、もちろん」

 私のおねだりを驚きながらも嬉しそうに受け入れてくれたフミハルさんと、二回戦目はゆっくり時間をかけてセックスをした。
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