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番外編2(全6話)
【番外編2】若頭(改造巨根)と舎弟と 「媚薬」 の話【6】
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「……?」
起きた時、自分の状況を把握するのに時間がかかった。
いつ意識を失ったのかも解らない状態で、あまりに激しい快感で記憶もあいまいで、あと、全身ダル重い。
「……?」
タカさんはベッドにも部屋にもいない。
壁にかかった時計がしめす時間は五時。
朝の? 夕方の? カーテンが分厚くてよくわかんねぇ。どっちだ?
「えっと……タカさん?」
重すぎる腰をかばいながら上半身を起こすと、だんだん頭は冴えてきた。
そうだ。
媚薬を盛られたタカさんの相手をして、ぐっちゃぐちゃにセックスして、意識飛ばしたんだよな?
……それにしては体はサッパリしてるけど。
これからどうするか……動きにくい体と相談していると、タイミングよくドアが開いた。
「……リョウ? 起きたのか」
タカさん……。
全裸にシーツの俺とは違って、タカさんは緩めのスラックスにシャツだけの格好で、髪も後ろに流さずにおろしているけど、しっかり立って歩いて、落ち着いた表情だ。よかった。もう媚薬は抜けたんだな。
「タカさ……んんっ!」
やべ、喉が枯れてる。
俺がむせてしまうと、タカさんは慌ててキッチンの方へ走っていった。
……しまった。心配とか面倒とかかけたくないのに。
「リョウ、ほら、水だ……」
すぐに戻ってきたタカさんは片手にペットボトルを持っていて、ベッドに腰掛けながらキャップを開けて俺に渡してくれた。
「す、ませ……」
「無理にしゃべらなくていい。ゆっくり飲め」
「ん……」
ぬるい水が喉を流れていくのが気持ちいい。
あぁ、ちょっと落ち着いた。
身体はダル重いけど。
「リョウ……」
ペットボトルから口を離した俺に、タカさんは何か言いたそうだけど……気を遣わなくていいのにな。
「タカさん、もう体調は大丈夫ですか? 俺、途中で意識無くして……」
「あぁ、もう薬の効果は抜けた。俺よりもお前の体調は大丈夫か? かなり無理させた自覚はある。一応、ミミにきいて色々と後処理はしたし、薬も塗ったが……」
中出しの後処理とか、こんな無茶した後に次もきちんとタカさんが楽しめるアナルでいられるかとか、少し不安ではあったけど、うちの系列の店で一番経験豊富な風俗ボーイのミミのアドバイスならきっと大丈夫だろう。
……次に会った時に揶揄われそうだけど。
「その……悪かった」
俺がミミに何か奢らないとななんて考えている間に、タカさんが膝に手をついて深く頭を下げた。
「タカさん……?」
「無茶させた。自制が効かなかった」
「それは、媚薬飲まされたんだから当然すよ。タカさんが気にすることじゃないし……俺、タカさんの役に立てたの嬉しかったですし!」
言葉の通り、全然気にしていないし頼ってくれて嬉しいくらいなのに……俺が何を言ってもタカさんはうなだれたままだ。
うーん……優しい人だからな……。
これはちょっと言いたくなかったけど、言うか。
「タカさん……」
腕を伸ばして、タカさんの膝の上でぎゅっと握られたタカさんの男らしい拳に手を重ねる。
「俺、その……遠慮なく求められるの、ちょっと嬉しかったし……興奮してるタカさんの色気やばかったし……」
タカさんの顔が少しだけ上がる。
でも、まだ申し訳なさそうで……言うか。
こんなこと言うのははしたないけど、言うか。
「生で、中出しも……き、きもち……よかった……っす」
「!?」
タカさんが驚いた顔で俺を見る。
視線が居た堪れない。こんなこというの変態だろ?
でも……もう言うか。
「また、してくれますか?」
「っ…………」
タカさんが息をのんだ。
呆れてるとか引いているわけではなさそうだけど……?
「タカさん……?」
促すように手を握って顔を覗き込むと、タカさんは一度ぎゅっと目を閉じてから俺の体を抱き寄せた。
俺の目の前は、シャツ越しでも逞しく感じるタカさんの胸筋でいっぱいだ。
「タカさん!?」
「っ……………………する」
呻くような小さな声だけど、ちゃんと聞こえた。
「やった! 楽しみにしてます!」
タカさんの胸筋に擦り寄って、ぎゅっと俺からも抱きしめると、頭の上からタカさんのため息が聞こえた。
「クソ、大事にしたいのに……お前、どれだけ惚れさせたら気が済むんだ?」
タカさんが言ってる意味はよく解らなかったけど、腕の力が緩んで、顔を上げればタカさんはいつもの鋭い視線で……俺を睨みながらも優しいキスをしてくれた。
よかった。
いつものタカさんだ。
「ん……タカさん、俺もタカさん大好きです!」
嬉しくて俺からもキスをすると、タカさんはやっと笑顔になって優しく頭を撫でてくれた。
よかった。
タカさんの役に立てたし、なぜかタカさんも俺に惚れ直してくれたみたいだ。
さすがにもうあの媚薬セックスはキツイからしたくないけど、あれのお陰で色々と気づきはあった。
ありがとう、媚薬。
そしてさようなら。
タカさんの腕の中で安心しきっていた俺は、タカさんが怖いことを呟いたのには気が付かなかった。
「……こんなにリョウが喜ぶなら、あの原液かっぱらってくるか……」
起きた時、自分の状況を把握するのに時間がかかった。
いつ意識を失ったのかも解らない状態で、あまりに激しい快感で記憶もあいまいで、あと、全身ダル重い。
「……?」
タカさんはベッドにも部屋にもいない。
壁にかかった時計がしめす時間は五時。
朝の? 夕方の? カーテンが分厚くてよくわかんねぇ。どっちだ?
「えっと……タカさん?」
重すぎる腰をかばいながら上半身を起こすと、だんだん頭は冴えてきた。
そうだ。
媚薬を盛られたタカさんの相手をして、ぐっちゃぐちゃにセックスして、意識飛ばしたんだよな?
……それにしては体はサッパリしてるけど。
これからどうするか……動きにくい体と相談していると、タイミングよくドアが開いた。
「……リョウ? 起きたのか」
タカさん……。
全裸にシーツの俺とは違って、タカさんは緩めのスラックスにシャツだけの格好で、髪も後ろに流さずにおろしているけど、しっかり立って歩いて、落ち着いた表情だ。よかった。もう媚薬は抜けたんだな。
「タカさ……んんっ!」
やべ、喉が枯れてる。
俺がむせてしまうと、タカさんは慌ててキッチンの方へ走っていった。
……しまった。心配とか面倒とかかけたくないのに。
「リョウ、ほら、水だ……」
すぐに戻ってきたタカさんは片手にペットボトルを持っていて、ベッドに腰掛けながらキャップを開けて俺に渡してくれた。
「す、ませ……」
「無理にしゃべらなくていい。ゆっくり飲め」
「ん……」
ぬるい水が喉を流れていくのが気持ちいい。
あぁ、ちょっと落ち着いた。
身体はダル重いけど。
「リョウ……」
ペットボトルから口を離した俺に、タカさんは何か言いたそうだけど……気を遣わなくていいのにな。
「タカさん、もう体調は大丈夫ですか? 俺、途中で意識無くして……」
「あぁ、もう薬の効果は抜けた。俺よりもお前の体調は大丈夫か? かなり無理させた自覚はある。一応、ミミにきいて色々と後処理はしたし、薬も塗ったが……」
中出しの後処理とか、こんな無茶した後に次もきちんとタカさんが楽しめるアナルでいられるかとか、少し不安ではあったけど、うちの系列の店で一番経験豊富な風俗ボーイのミミのアドバイスならきっと大丈夫だろう。
……次に会った時に揶揄われそうだけど。
「その……悪かった」
俺がミミに何か奢らないとななんて考えている間に、タカさんが膝に手をついて深く頭を下げた。
「タカさん……?」
「無茶させた。自制が効かなかった」
「それは、媚薬飲まされたんだから当然すよ。タカさんが気にすることじゃないし……俺、タカさんの役に立てたの嬉しかったですし!」
言葉の通り、全然気にしていないし頼ってくれて嬉しいくらいなのに……俺が何を言ってもタカさんはうなだれたままだ。
うーん……優しい人だからな……。
これはちょっと言いたくなかったけど、言うか。
「タカさん……」
腕を伸ばして、タカさんの膝の上でぎゅっと握られたタカさんの男らしい拳に手を重ねる。
「俺、その……遠慮なく求められるの、ちょっと嬉しかったし……興奮してるタカさんの色気やばかったし……」
タカさんの顔が少しだけ上がる。
でも、まだ申し訳なさそうで……言うか。
こんなこと言うのははしたないけど、言うか。
「生で、中出しも……き、きもち……よかった……っす」
「!?」
タカさんが驚いた顔で俺を見る。
視線が居た堪れない。こんなこというの変態だろ?
でも……もう言うか。
「また、してくれますか?」
「っ…………」
タカさんが息をのんだ。
呆れてるとか引いているわけではなさそうだけど……?
「タカさん……?」
促すように手を握って顔を覗き込むと、タカさんは一度ぎゅっと目を閉じてから俺の体を抱き寄せた。
俺の目の前は、シャツ越しでも逞しく感じるタカさんの胸筋でいっぱいだ。
「タカさん!?」
「っ……………………する」
呻くような小さな声だけど、ちゃんと聞こえた。
「やった! 楽しみにしてます!」
タカさんの胸筋に擦り寄って、ぎゅっと俺からも抱きしめると、頭の上からタカさんのため息が聞こえた。
「クソ、大事にしたいのに……お前、どれだけ惚れさせたら気が済むんだ?」
タカさんが言ってる意味はよく解らなかったけど、腕の力が緩んで、顔を上げればタカさんはいつもの鋭い視線で……俺を睨みながらも優しいキスをしてくれた。
よかった。
いつものタカさんだ。
「ん……タカさん、俺もタカさん大好きです!」
嬉しくて俺からもキスをすると、タカさんはやっと笑顔になって優しく頭を撫でてくれた。
よかった。
タカさんの役に立てたし、なぜかタカさんも俺に惚れ直してくれたみたいだ。
さすがにもうあの媚薬セックスはキツイからしたくないけど、あれのお陰で色々と気づきはあった。
ありがとう、媚薬。
そしてさようなら。
タカさんの腕の中で安心しきっていた俺は、タカさんが怖いことを呟いたのには気が付かなかった。
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