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本編2
【理想】関西弁の楽しいお兄さん【2】
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賑やかだった二人が黙ってしまったので、俺がゆっくりと口を開く。
「少し前に関西から引っ越してきたゲイ仲間が教えてくれたんだ。関西に行くならオススメの店があるから、そこに来るガネさんっていう素敵なお兄さんと会って来てって」
「俺のこと知ってて最近引っ越し……あ! もしかして……!」
「この店に来てて関東行ったんは……ケイくん?」
「な? ケイくんやんな? ほら、歌手の月島ゲンジに似てる……!」
俺の言葉に二人はすぐに思い当たったみたいだ。
大正解。
「そう。ケイくん」
「そっか~! せやな! こんな入りにくい小汚い場末のゲイバーになんの紹介も無くこんな美人来おへんよな!」
「ちょ、ガネさん……! でも、ケイくんの紹介か。納得やわ。ケイくんどう? 関東で楽しくやっとる?」
「楽しくやってるし。楽しくヤってるよ」
「あはは! ヤっとるんか~。あいつの丸太ん棒もあいかわらず元気そうやな」
そうか、関西でもアレ、丸太って言われてたんだ。
土地が違ってもこういう感覚って一緒なんだなと妙に感慨深くなっていると、マスターと一緒に豪快に笑っていたガネさんが不意に真面目な表情になった。
「ヤってるのはえぇけど、あいつちゃんと友達できてるん? 神経図太そうにみえて、寂しがり屋さんやから……」
そうなんだ?
俺たちにはそんな感じには見えなかったけど……。
「大丈夫だと思うよ。えっと……ほら。先月ケイくんの家でタコ焼きご馳走になった時の写真」
ちょうど一ヶ月前にケイくんの家に呼ばれた時の写真がスマートフォンに残っていたので、画像を表示させてガネさんとマスターの方へ向ける。
タコ焼き器を中心に、ケイくんと俺、他にもゲイ仲間が五人、笑顔で写っている写真だ。
「お! 楽しそうやん! あいつのタコ焼き美味いもんなぁ」
「ガネさん、俺ら心配する必要ないんちゃうか。あの丸太ん棒とタコ焼きがあればケイくんはどこでも大丈夫やって」
「せやな。関東でも北海道でも海外でもすぐ人気者なれそうやんな。知らんけど」
「っていうか、なんやケイくん、やたら美人に囲まれてるやん。関東レベル高っ!」
「ほんまやな。お兄さんはモデルさんみたいに美人やし、この子なんか天使みたいにかわいいし」
「俺はこのくまさん系の子好きやわぁ。お腹なでなでしたい」
うんうん。そうでしょう? ミミくんもマオちゃんもかわいいよね!
俺が褒めてもらえるのは嬉しいけど、俺の大好きな友達を褒めてもらえるのも嬉しい。
「こっちの優しそうな顔の子とスポーツマンっぽい子、あとイケメンのギャル男さんはタチ?」
「うん。特にその優しい顔の子がケイくんと気が合うみたいだし、面倒見がよくてね。この子が声かけたり誘ったりしたのもあって関東のゲイ仲間にもすぐに溶け込めたんじゃないかな」
「そうなんや。よかったなぁ、ケイくん」
「ほんまやなぁ。関東にもえぇ子がおるんやなぁ」
マスターとガネさんは、まるで親か兄弟のようにゲイ仲間に囲まれて笑顔を浮かべるケイくんの写真を眺める。
ケイくんに聞いた通りの人たちだ。
「ケイくん言ってたよ。俺は人に恵まれているって。関西ではマスターとガネさんが心配してくれたり楽しみ方を教えてくれたりしたお陰で、楽しくゲイやれていたって」
「ケイくんがそんな……」
「あいつ、こっちにおるときはそんなん言ってへんかったのに」
「離れて気づくこともあるのかも。特にガネさんのことは色々きいてるよ」
「え? 俺のこと?」
「うん。かっこよくて……」
「うんうん!」
「おもしろくて……」
「うんうん!」
「面倒見がよくて……」
「うんうん!」
「口が上手くてナンパがうまくて……」
「うん」
「すごくエロくて性欲強くて……」
「え? 褒めてる?」
「誰よりもエッチのテクニックがあって……」
「お、おう?」
「おちんちんのコントロールも最強で……」
「え? あ、まぁ……?」
「一回エッチしたネコはみんなガネさんが大好きになって……」
「う、うーん?」
「関西一番のモテ男だって聞いたよ」
「……そうなんかな?」
ガネさんが少し戸惑って首をひねる様子を、カウンター越しのマスターは爆笑しながら見ていた。
あれ? ケイくんの言っていた通り言っただけなんだけど?
「俺、すっごく楽しみにしてきたんだけど、違うの?」
「いや、まぁまぁそうやと思うけど、一番とか誰よりもってのは……」
「……そんなすごい人だと、俺なんかじゃ相手してもらえないかな?」
隣に座るガネさんの太ももに手を置くと、ガネさんはすぐに俺の手を握ってくれた。
「そんなことあらへんよ! お兄さんみたいな美人、大好き!」
「じゃあエッチしてくれる?」
「する!!!!!」
本当にノリいいなぁ。
別に俺だってケイくんの話のすべてを本気にしているわけじゃない。
いつもと違う関西弁のちょっと上手なお兄さんと楽しくエッチできたらそれでいい。
でも……
「お兄さん、安心してえぇよ。ガネさんのエッチは思ってるのとは違うかもしれへんけど、ちゃんと最高やから」
「ちょっ! マスターまでプレッシャーかけんといてや!」
「そうなんだ♡ 想像つかないような最高のエッチなんだ♡」
「うわ、エロかわいい顔! ……もう、しゃーないな。こんな美人と仲良くできるん貴重やし、必死のパッチで頑張るわ!」
ガネさんが覚悟を決めた顔で俺の手を握ったまま立ち上がる。
「ガネさん、関西人代表としてちゃんと楽しませるんやで」
「だからプレッシャーかけんなや……! ほら、はよ行こ!」
「うん♡」
ガネさんに手を引かれて店のドアをくぐる。
「楽しんでな!」
後ろからマスターの声がかかったので強く頷いた。
ここまでのやり取りでガネさんが楽しそうなのはよく解ったし、ケイくんの情報も信用しているし……
何より俺、セックスを楽しむの大得意だから、絶対に楽しいはず。
「少し前に関西から引っ越してきたゲイ仲間が教えてくれたんだ。関西に行くならオススメの店があるから、そこに来るガネさんっていう素敵なお兄さんと会って来てって」
「俺のこと知ってて最近引っ越し……あ! もしかして……!」
「この店に来てて関東行ったんは……ケイくん?」
「な? ケイくんやんな? ほら、歌手の月島ゲンジに似てる……!」
俺の言葉に二人はすぐに思い当たったみたいだ。
大正解。
「そう。ケイくん」
「そっか~! せやな! こんな入りにくい小汚い場末のゲイバーになんの紹介も無くこんな美人来おへんよな!」
「ちょ、ガネさん……! でも、ケイくんの紹介か。納得やわ。ケイくんどう? 関東で楽しくやっとる?」
「楽しくやってるし。楽しくヤってるよ」
「あはは! ヤっとるんか~。あいつの丸太ん棒もあいかわらず元気そうやな」
そうか、関西でもアレ、丸太って言われてたんだ。
土地が違ってもこういう感覚って一緒なんだなと妙に感慨深くなっていると、マスターと一緒に豪快に笑っていたガネさんが不意に真面目な表情になった。
「ヤってるのはえぇけど、あいつちゃんと友達できてるん? 神経図太そうにみえて、寂しがり屋さんやから……」
そうなんだ?
俺たちにはそんな感じには見えなかったけど……。
「大丈夫だと思うよ。えっと……ほら。先月ケイくんの家でタコ焼きご馳走になった時の写真」
ちょうど一ヶ月前にケイくんの家に呼ばれた時の写真がスマートフォンに残っていたので、画像を表示させてガネさんとマスターの方へ向ける。
タコ焼き器を中心に、ケイくんと俺、他にもゲイ仲間が五人、笑顔で写っている写真だ。
「お! 楽しそうやん! あいつのタコ焼き美味いもんなぁ」
「ガネさん、俺ら心配する必要ないんちゃうか。あの丸太ん棒とタコ焼きがあればケイくんはどこでも大丈夫やって」
「せやな。関東でも北海道でも海外でもすぐ人気者なれそうやんな。知らんけど」
「っていうか、なんやケイくん、やたら美人に囲まれてるやん。関東レベル高っ!」
「ほんまやな。お兄さんはモデルさんみたいに美人やし、この子なんか天使みたいにかわいいし」
「俺はこのくまさん系の子好きやわぁ。お腹なでなでしたい」
うんうん。そうでしょう? ミミくんもマオちゃんもかわいいよね!
俺が褒めてもらえるのは嬉しいけど、俺の大好きな友達を褒めてもらえるのも嬉しい。
「こっちの優しそうな顔の子とスポーツマンっぽい子、あとイケメンのギャル男さんはタチ?」
「うん。特にその優しい顔の子がケイくんと気が合うみたいだし、面倒見がよくてね。この子が声かけたり誘ったりしたのもあって関東のゲイ仲間にもすぐに溶け込めたんじゃないかな」
「そうなんや。よかったなぁ、ケイくん」
「ほんまやなぁ。関東にもえぇ子がおるんやなぁ」
マスターとガネさんは、まるで親か兄弟のようにゲイ仲間に囲まれて笑顔を浮かべるケイくんの写真を眺める。
ケイくんに聞いた通りの人たちだ。
「ケイくん言ってたよ。俺は人に恵まれているって。関西ではマスターとガネさんが心配してくれたり楽しみ方を教えてくれたりしたお陰で、楽しくゲイやれていたって」
「ケイくんがそんな……」
「あいつ、こっちにおるときはそんなん言ってへんかったのに」
「離れて気づくこともあるのかも。特にガネさんのことは色々きいてるよ」
「え? 俺のこと?」
「うん。かっこよくて……」
「うんうん!」
「おもしろくて……」
「うんうん!」
「面倒見がよくて……」
「うんうん!」
「口が上手くてナンパがうまくて……」
「うん」
「すごくエロくて性欲強くて……」
「え? 褒めてる?」
「誰よりもエッチのテクニックがあって……」
「お、おう?」
「おちんちんのコントロールも最強で……」
「え? あ、まぁ……?」
「一回エッチしたネコはみんなガネさんが大好きになって……」
「う、うーん?」
「関西一番のモテ男だって聞いたよ」
「……そうなんかな?」
ガネさんが少し戸惑って首をひねる様子を、カウンター越しのマスターは爆笑しながら見ていた。
あれ? ケイくんの言っていた通り言っただけなんだけど?
「俺、すっごく楽しみにしてきたんだけど、違うの?」
「いや、まぁまぁそうやと思うけど、一番とか誰よりもってのは……」
「……そんなすごい人だと、俺なんかじゃ相手してもらえないかな?」
隣に座るガネさんの太ももに手を置くと、ガネさんはすぐに俺の手を握ってくれた。
「そんなことあらへんよ! お兄さんみたいな美人、大好き!」
「じゃあエッチしてくれる?」
「する!!!!!」
本当にノリいいなぁ。
別に俺だってケイくんの話のすべてを本気にしているわけじゃない。
いつもと違う関西弁のちょっと上手なお兄さんと楽しくエッチできたらそれでいい。
でも……
「お兄さん、安心してえぇよ。ガネさんのエッチは思ってるのとは違うかもしれへんけど、ちゃんと最高やから」
「ちょっ! マスターまでプレッシャーかけんといてや!」
「そうなんだ♡ 想像つかないような最高のエッチなんだ♡」
「うわ、エロかわいい顔! ……もう、しゃーないな。こんな美人と仲良くできるん貴重やし、必死のパッチで頑張るわ!」
ガネさんが覚悟を決めた顔で俺の手を握ったまま立ち上がる。
「ガネさん、関西人代表としてちゃんと楽しませるんやで」
「だからプレッシャーかけんなや……! ほら、はよ行こ!」
「うん♡」
ガネさんに手を引かれて店のドアをくぐる。
「楽しんでな!」
後ろからマスターの声がかかったので強く頷いた。
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