ゲイのエッチなお兄さん

回路メグル

文字の大きさ
上 下
105 / 190
本編2

脱童貞イメージプレイ【2・タコパ】

しおりを挟む
「で、ソウタくんは?」

 ハルトが自分の話題から反らしたいのか、俺に話を振る。
 ……俺の初体験か……。

「好きな人に告白して……」
「お?」
「えぇ!」
「へ~!」

 その場の全員が少し嬉しそうに口角を上げたけど……ごめん。ちがう。

「振られた勢いで、ヤケになってテキトーなゲイ風俗に駆け込んだら、そこがあまりいい店じゃなくて……一応イったけど、下手とか租チンとか笑われて……」
「あー……」
「うわ……」
「は? 何その店最低―……」

 みんなの上がった口角が下がる……ごめん。

「もっと楽しい、AVみたいなエッチな初体験したかったな~」

 盛り下がってしまった空気変えるためにわざとらしく言うと、ユキさんがすぐにのってくれた。

「AV? どんなの?」

 空気の読める人だ。こういうところもユキさんが好かれる一因だと思う。

「ラブラブな恋人エッチの初体験にも憧れますけど、初めてって緊張して上手くできないからエッチな年上の人に手取り足取り教えてもらうみたいなのが理想なんですよ。エッチな学校の先生や家庭教師に成績が上がったご褒美に筆おろしさせてもらうとか……」
「ふーん。じゃあ、ソウタくん普段そういうAV観てるんだ?」
「あ……しまった。俺のオカズがバレる」

 わざとらしく困った顔をすると、ユキさんが楽しそうに笑顔を深めてくれる。

「ふふっ。でも、俺もそういうの好きだから同じAVで抜いてるかもね」

 うぅ、その笑い方と唇舐めるの、エッチすぎ。
 下半身が痛くて返事ができないでいる間に、ハルトが驚いた声をあげた。

「え、ユキさんってAVとか観るんだ!?」

 あぁ。
 確かに。
 ユキさんのハッテン場やゲイバーにやってくる頻度を考えれば、AVで抜いている余裕なさそう。

「観るよ。AVっていうか、動画配信サイトだけど。楽しいエッチをするためのヒントがいっぱいだし、普通にオカズにもするし。最近は見放題プランがお手軽だからいいよね。何百、何千ってタイトルが観られるから飽きなくていいな」
「あ、それはユキさんらしいかも」

 ハルトが納得した後、マオちゃんが興味深々といった様子で身を乗り出した。

「ユキくんのオススメってどこのサイト? 最近仕事が忙しくてハッテン場もゲイバーも行けない時に無性に動画見たくなることがあって……見放題プラン悩んでいるんだ」
「俺はここ。最大手の一番作品数が多いところ。料金は高めだけど、新作もすぐに見放題プランで観られるから満足してる。デバイスも三つまで登録できるし……」

 ユキさんがスマートフォンの画面にある、大手アダルトサイトのアプリのアイコンを指差す。
 ヘテロ向けが有名だけど、ゲイ向けも充実しているところで、俺は見放題プランではなく、単発購入でお世話になっている。視聴や無料の動画も豊富だから、ほとんどのゲイはお世話になっているんじゃないかな。

「有名だよね。ダウンロードしてみる!」

 マオちゃんがスマホで早速アプリをダウンロードしていると、ケイくんが口を開いた。

「俺もそこ使ってる。最近ずっとランキングの一位になってるやつ観た?」
「あれだよね? 『あえてデカマラをネコにしてみた~迫力の潮吹き~』だよね? 観た観た! デカマラがテーマだけど、あの、すっごい勢いの潮吹きをさせられるタチの男優さんのテクニックが激しくてうっとりしちゃった♡」
「そうそう。テクすごいよね? タチのチンコは普通サイズなのに……あれ、ネコのデカマラよりも絶対にタチのテクニックが見どころだから、タイトルに書くべきだなって」
「うんうん! それで見逃してる人勿体ないよね!」

 ケイくんとユキさんの盛り上がりがすごい。
 それに、普通サイズで激しいテクニック……?
 それは租チンの俺も見るべきなんじゃ……?

「それ、すごく気になる。もう一回タイトル教えて?」
「じゃあURL送るよ」
「俺も気になる~!」
「俺も!」
「じゃあ、今日のグループラインに送るね……はい、送った」

 俺がスマホの画面を確認していると、みんなの「ありがとう」のスタンプに続いて、もう一つURLが送られてきた。ミミくんからだ。

「俺のおすすめも送っちゃお! 最近、知り合いのレーベルで配信始まったやつなんだけど、ノンケのネコが寝取られ快楽堕ちさせられるやつで、すーーーーっごくいいから!」
「ふふっ。ミミくんってネコよりもタチが好きそうなAV好きだよね~」
「え? そうかな?」

 そこからはAV談義が始まった。
 気の合う……性癖もセックスも知られているゲイ仲間同士で話す猥談はとにかく楽しく盛り上がって、いつの間にか解散予定の時間を過ぎていた。

「お邪魔しました~」
「遅くまでごめんね」
「またね~!」
「また来てね。今度は鍋やろう」

 ケイくんに見送られて、すっかり暗くなった住宅街を歩く。
 しばらくは六人でまだAVトークを外だから小声でしながら歩き、大通りに出たところでハルトが右の方を指差した。

「俺とヨウくん、JRだからこっち~」

 次にミミくんが手を挙げる。

「俺とマオちゃん、行きもタクシー割り勘できたから」

 残るは俺とユキさんだけど……。

「ソウタくんは?」
「地下鉄です」
「じゃあ一緒だ」

しおりを挟む
感想 75

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

処理中です...