ゲイのエッチなお兄さん

回路メグル

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本編2

わぁ、好みの外見すぎ♡【2】

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【side ユキ】



「疲れた……」

 繁忙期。
 普段は定時で上がれることが多い会社だけど、メーカーの広報なので新作発表前に業務が増えるのは仕方がない。やりがいもあるし、仕事は嫌ではない。
 でも、好きな仕事でも楽しい職場でも、忙しくてやることが多ければ単純に疲れる。
 というか、疲れた。
 この一週間、頭は常にフル回転で、残業が多くて出張や打ち合わせで体力も使って……とにかく疲れた。
 身体も頭も重い。
 だから……
 
「はぁ。こんな日はかっこよくて巨根の男の子にガンガン突かれて癒されたいな……」

 そんなことを思いながら、やっと明日は休日という金曜の夜に、少し遅い時間ではあるものの、馴染みのハッテン場に足を運んだ。



「ユキさん、久しぶり」
「あぁソウタくん。久しぶり」
「お仕事忙しかったんですか?」
「うん。新作発表の時期だから仕方がないんだけど、今週一回も遊べてない」

 腰にタオルを巻いただけの状態でハッテン場のサウナに入ると、顔なじみのタチのソウタくんがいて、仲良く話しながら隣に座る。
 ソウタくんは俺とのセックスを気に入ってくれているし、丁寧なセックスをする子だから何度かヤってる子なんだけど……今日もちょっとエロい目で俺のことを見てくれているのは嬉しいんだけど……。

 うーん。
 ソウタくんは優しい外見でやや小柄。ペニスも小ぶり。
 それが良いって日もあるんだけど、今日はやっぱり……ガタイのいい巨根イケメンいないかなぁ……。

「え? ユキさんが今週まだ一回も? 今夜はスゴイ男捕まえないといけないですね」

 あ、俺の考えていることバレバレか。
 ソウタくん、周りがよく見えているし、気遣いができる良い子なんだよね、本当。

「うん。一週間溜まっている分相手してくれる絶倫のイケメンいないかな~」

 遠慮なく本音を口に出すけど、時間が遅いからか、サウナには俺とソウタくんと、奥の方でいちゃついているペアがいるだけ。
 当てが外れたな……とため息を吐いた時だった。
 サウナの扉が開き、外気と共に大柄な男の人が入ってきた。
 
「あ、ケイくん!」
「あぁ、ソウタくん。こんばんは~」

 ソウタくんがケイくんと呼んだ男の子は、身長一八〇センチくらいで細マッチョの中でもちょっと厚みがあるマッチョ寄り。腰に巻いたタオルが張り付いた股間は膨らみが大きくて、たぶん巨根。
 すごい……。
 俺が今欲しくてたまらない体。
 そして何より……。

「ユキさん、多分まだ会ったことなかったよね? 最近この辺りに引っ越してきたケイくん。ユキさんより一~二歳年下かな? で、こちらは俺がいつも言ってるユキさん」
「初めまして。ソウタくんから色々聞いています。話盛りすぎだろって思っていたけど……ソウタくん、すごく納得したよ。こんな素敵な人に出会えただけでも引っ越ししてきたかいがあった」

 嬉しそうに、少しくしゃっと笑うこの感じ……この、目を細めて笑うこの顔……これ……顔……この、ちょっとかわいい感じの塩顔イケメン……。

「月島ゲンジ……」
「あぁ、よく似てるって言われるんですよ。だから調子に乗って髪型もそれっぽくというか、悩んだ時はお手本にさせてもらっています」

 うん。
 そう。
 パーマがかった短い髪で、前髪を大きく分けるこの髪型、俺が大好きな歌手兼俳優の月島ゲンジの定番の髪型で、一番似合っている髪型。
 似た顔の彼にももちろん似合っている。
 つまり、だから……シンプルに……。

「かっこいい……♡」
「え?」

 思わず呟いた。
 だって、すごくかっこいい。
 めちゃくちゃかっこいい。
 素敵。
 顔が好みのかっこよさのど真ん中。
 身体も、好みのど真ん中。
 髪型も似合っているし、ペニスも大きそうだし、スキンケアもちゃんとしてる感じするし……。
 俺の好きな外見の要素が全部詰まってる!
 キュンとかドキドキとか頭がポーっとするとか、そういうのが一気に押し寄せてくる。
 絶対に今の俺、顔が赤い、とろっとろのヤバイ顔してそう。
 仕方ないよね?
 こんなに素敵な人が目の前にいるんだよ?
 あ、腕に付けているシリコンバンドの色、タチだ。やった!

 じゃあいいよね?
 ね?
 こんなに素敵な見た目、もうだめ。
 我慢できない。

「エッチしたい……♡ だめ?」

 駆け引きとか何も考えずにただただ自分の気持ちに素直に、彼の指先を摘まむ。俺の大好きな顔が一瞬驚いたように固まった後、また俺の好きな笑い方で笑ってくれた。

「俺で良ければ、喜んで」

 やった!
 できるんだ!
 大好きな顔を見ながら気持ちよくなれるんだ!
 うわ……どうしよう。
 もう勃っちゃいそう。

「嬉しい♡ じゃあ、早く個室行こう?」

 嬉しくて嬉しくて早くセックスがしたくて、立ち上がってすぐにケイくんの手を引くと、ケイくんも楽しそうに個室へとついてきてくれた。
 良かった。
 俺の好きな顔が、ちゃんと楽しそうだ。

 嬉しい。こんな顔と体だったら、どんなに下手でもいいや。
 ただただ、セックスできるのが嬉しくて仕方が無かった。

 それくらい、ケイくんの外見は俺の好みだった。
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