ゲイのエッチなお兄さん

回路メグル

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本編2

リベンジ【5】

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 ピアスを開ける瞬間は、麻酔を使ってもらったこともあって、痛くはなかった。
 ただ、その後四週間近く、地味にジンジンと痛んだ。
 そして、血が止まって痛みが落ち着けば拡張。……この「拡張」がまた痛かった。
 思い出したくない。
 人生で一番痛かった。

 そして、禁欲。

 定着するまでセックス禁止。

 でも、折角ミミちゃんに鍛えてもらったテクニックは忘れないようにイメトレオナニーは続けて……むなしいし、枕営業はできないし、またホストとしての売り上げは減った。

 減ったけど……。

「あと半年……半年すればまた……いや、もっと……」

 一年ほど前のあの屈辱。九ヶ月の特訓。
 それを思えば、半年の禁欲くらい頑張れた。
 ジムにも継続して通って、食事やスキンケアに気を遣う生活も継続して……完璧に仕上げたと思ってからの半年間、更に自分を磨き上げた。


      ◆


「うん。完全に定着したね。セックス解禁」
「い、いいんですか!?」
「あぁ。よく頑張ったね!」
「やった……!」

 最終的に半年と二週間かけて、俺の性器ピアスは定着した。

「ピアス付きのセックスの注意点と……コツも教えておこうか」

 半年のセックス禁止はとにかく辛かったけど、どうやらこの医者もチンコにピアスが付いているようで、セックスができない間のオナニーのアドバイスや、ピアスと相性のいいコンドームの選び方、ピアスセックスのコツまでかなり丁寧に教えてくれた。
 チンコの自信に加えて、知識面でも自信がついた。
 完璧だ。

「もし、このサイズのピアスでも相手が喜ばなかったらもっと大きくしたり数を増やしたりもできるし、うちはパールやシリコンリングの手術や、亀頭を大きくする注入施術もしているから」
「は、はは……頼もしいですね」

 ……頼もしいけど……それには頼らないですむように頑張ろう。


      ◆


 ピアスが定着し、セックス解禁になってから、まずはミミちゃんのところに駆け込んだ。

「わ~お! すっごいのあけたね! だから半年くらい来なかったんだ?」
「ちょっと定着に時間かかって。それで……」
「うん。定着までセックスできなかったからリハビリだよね? ついでにピアス付きセックスのレクチャーもするよ!」

 さすがプロ。話が早い。
 久しぶりのセックスで少し忘れかけていた感覚も、ミミちゃんのお陰ですぐに取り戻せた。
 しかも、医者からピアス付きセックスのコツは色々と聞いていたけど、ミミちゃんの……ネコの視点からのアドバイスもなかなか役に立ちそうだった。
 医者はピアスのプロだけど、ミミちゃんはセックスもプロなんだから当然か。

「すごいね……ここまで成長するとは思ってなかったよ。最近俺が相手したお客さんの中なら間違いなくセナさんが一番すごいセックスできるよ!」

 三回も通えば、ピアスにも慣れて、ミミちゃんのお墨付きをもらえた。
 枕営業も再開して、プライベートのセックスも再開した。

「あぁん♡ 何このセックス♡ だめぇ、よすぎて死んじゃうぅ♡」

 客に思い切りサービスすると、エロ漫画やAVでしか聞かないような、大げさな喘ぎ声やアヘ顔が返ってきた。
 売り上げも返ってきた。
 そして、セフレの男の子には

「今までのセックスは『気持ちいい♡』だったけど、今のセックスは『最強♡』って感じ」

 なんていうコメントまでもらった。

「よし……これならいける。絶対にいける!」

 気づけばあの屈辱の日から一年半近くが経っていた。

――明日、例のリベンジ決行します

 決行の前日、この一年半でお世話になったセイジさんやミミちゃん、リョウさんに決意を込めてメールを送った。

――いよいよか。最近ますます体も仕上がっていたしきっと上手くいくと思うよ。今夜はしっかり睡眠とって頑張れ!
――俺もイキ狂わされちゃうんだから絶対に相手もアンアンよがり狂っちゃうよ! 応援してるね!
――上手くいったら酒奢ってやるよ

 三人からはそれぞれにアドバイスや激励の言葉がつづられたメールが来た。
 特にセイジさんは、少し前にフランスへ転勤になっていて時差もあるはずなのに、すぐに返事をくれて……リベンジまでにセイジさんにも頑張ってあけたチンコのピアス見てもらいたかったな。
 そして、本当にお世話になった三人のためにも、絶対にリベンジを成功させるぞ……と気合を入れていると、三人から追加の一言が送られてきた。

――とにかく、セックスを楽しんで
――セックス、楽しんでね!
――ま、楽しくヤってこいよ!

 ……?
 三人とも、ほぼ同じ内容だ。

 楽しんで、か……

 リベンジだから楽しむなんて気持ちはないけど、そうだな、あの美形が俺の下でよがり狂ったら絶対に楽しい!

「うん。楽しみだな」

 自分の尊厳のため、協力してくれた人たちの期待を裏切らないため、俺は絶対にあの美形を思い切りよがらせるんだ。

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