ゲイのエッチなお兄さん

回路メグル

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本編2

ポリネシアンセックスのために、期間限定の恋人ごっこ【12】ー恋人5日目ー

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 ユキくんが作ってくれた昼食を食べた後、ソファで適当な映画を流しながらキスやボディタッチを繰り返した。
 肩を抱き寄せたり、恋人繋ぎで手を繋いだり、膝の上に乗せて抱きしめたり……キスも数えきれないくらいした。

「んっ、セイジさん……すき……セイジさんとくっついてるの、すごく好き……」
「俺も、大好きなユキくんとくっつくの、好きだよ」

 甘い言葉を掛け合ってこんなにもくっついていると、我慢の限界がきて押し倒して挿入してしまわないか心配だったが……常にくっついていると妙に満たされて、性的な興奮が少し落ち着いた。
 その代わり、精神的な高ぶりは果てしない。
 今までだってユキくんが好きで、愛しくて仕方が無かったが、俺の腕の中で俺の愛情を嬉しそうに受け止める姿は……頭がしびれそうなほど嬉しかった。

 ユキくんが好きだ。
 好きで、好きで……大好きだ。
 こんなにかわいい恋人がいるなんて、幸せどころか……幸せの更に上の言い回しが思いつかなくてもどかしい。

「セイジさん、俺……」
「ん? 何?」

 俺の膝の上に乗ったユキくんが、ずっと密着していた体を少しだけ離す。
 蕩けそうだった視線が、少しだけ硬い。
 
「ユキくん……?」
「あの……」

 ユキくんが真面目な顔で何かを言いかけて……すぐにいつもの色っぽい笑顔に戻った。

「やっぱりなんでもない♡」
「え~? 何? 気になるよ?」

 気になる。
 ユキくんはセックス中に関係ない話を持ち込むのを嫌うから、よほど真剣な話のはずだ。
 しかもこの甘い雰囲気の中、俺の首に腕を回して真剣な顔で見つめて言うようなことは……もしかして……。

「うーん。俺の勘違いかもしれないから……勘違いじゃなかったら明後日、ちゃんとお話しするね」

 ユキくんがにっこりと笑って俺の唇を啄んだ。

 もしかして……。

 ユキくんと同棲し始めてから考えないようにしていた色々なことが一気に浮かんでくる。
 本当は「恋人」ではないのにという虚しい事実。
 もしかして、ユキくんが俺との生活を気に入ってくれて、今後も継続したいと言ってくれるのではないかという淡い期待。

 そして、ユキくんとの最終日の一週間後には俺は日本にいないということ。

 色々なことが脳裏によぎりながらも……よぎるからこそ、目の前のユキくんを抱きしめることができて、「愛してるよ」と囁ける幸せな時間をしっかり噛みしめた。


      ◆


 たっぷりイチャイチャしたあとは、二人で夕食を作り、風呂に入り、やはりお揃いのスウェットで、お互いに髪を乾かし合ったりちょっと雰囲気のいいアロマキャンドルを着けたり、爪を整えたり……四日目のセックスの準備をした。

「今日も挿入できないんだよね?」
「あぁ。性器に触れてもいいけどね。挿入も射精もなし……え?」

 ベッドでお揃いのスウェットを脱がせ合い、下着だけを残した時点で手が停まった。

「ふふっ♡ 気付いた?」

 ユキくんが悪戯っぽく笑って足を大きく開きながら腰をくねらせる。
 俺の視線はユキくんの腰、下着にくぎ付けだ。

「勝手に借りちゃった♡」

 ユキくんが今履いている下着は、俺のものだ。
 今俺が履いている濃紺のボクサーパンツと同じメーカーのグレーのボクサーは、ユキくんの前で履くために多少高価なブランドの物を選んではいるが、何の変哲もない地味なボクサーパンツだ。
 ビキニとか、やたらエロい穴あきの下着に比べれば、ごくごく普通。
 なんならユキくんが普段履いているローライズ気味のボクサーよりも色気は落ちるはずなのに……めちゃくちゃ興奮する。

「性器、直接触られたらすぐにイっちゃいそうだから、この上から触って?」

 ユキくんの指が、ボクサーパンツの布地を這って、性器の形が布越しにくっきり見えるように生地を押し当てる。

「布越しだけど、セイジさんのパンツだから、セイジさんに直接触ってもらえてるみたいな気分になれそうだなって……」

 なんだそれ。
 なんだその可愛すぎる思考。
 本物の恋人か?
 そうか、今は恋人か。

「それと、これ、グレーだから……俺が気持ちよくなっちゃうの目立つよね? セイジさんに俺が感じてるって、セイジさんの手で気持ちよくなってるってしっかり解って欲しくて」

 しかもちゃんとエロかわいい。
 俺の好きなユキくんだ。

「汚しちゃうけど、許してくれる?」

 四つん這いになって俺の顔を覗き込む様子が可愛すぎて……許すどころか、最高だ。

「……ユキくん」
「ん~?」
「そんなかわいいことされると、我慢が効かなくなる」

  笑顔も忘れて真顔で答えると、ユキくんは驚くことも無く嬉しそうに息を漏らして笑った。

「ふふっ。だってセイジさん、まだまだ余裕そうだったから。今日は明日のためにギリギリまで煽っちゃおうと思って」

 余裕そう?
 今日までずっと俺が余裕だったことなんてない。
 ユキくんに嫌われないように、なんとか抑え込んで、多少は余裕があるようなふりをしていただけだ。
 
「ユキくん……煽ったのはユキくんだからな?」
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