ゲイのエッチなお兄さん

回路メグル

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本編2

ポリネシアンセックスのために、期間限定の恋人ごっこ【16】ー恋人6日目ー

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 俺の甘い言葉にユキくんはびくっと驚いたように体を震わせる。

「好きな子と深く繋がるのって、すごく幸せだなって」

 本当は俺だって暴発寸前で余裕なんてない。
 でも、ポリネシアンセックスを成功させると心に誓ったんだ。

「ユキくん、ありがとう」

 ユキくんを今までで一番の快感に導くと覚悟を決めたんだ。

「……セイジさん……」
「ユキくん、愛してるよ……ユキくんも言って?」

 ユキくんが少し戸惑いながらゆっくりと口を開く。

「好き……」
「嬉しい」
「大好き」
「うん」
「愛してる」
「俺もだよ」

 単純な、ただの定番の言葉なのに、一言言われるたびに俺の体温が上がって、ユキくんの内壁もひくひく震える。
 ユキくんの視線も俺に向いて、どんどん嬉しそうに表情が蕩けていく。
 ポリネシアンセックスの醍醐味「恋人同士の心が満たされるイチャラブセックス」のスイッチを入れられたかな。

「恋人エッチ、気持ちいいね?」
「うん……もう、嬉しくてあたま、溶けそう……♡」

 やっと笑顔になってくれたユキくんに、俺も頭どころか全身が溶けそうだ。
 ユキくんの指も俺の背中に回って、ぎゅっと抱きしめてくれる。
 上半身も密着して、お互いの息がかかる至近距離で視線を合わせてしばらく見つめあっていると、急に下半身に刺激を感じた。

「え……?」
「セイジさん、もっと繋がりたい♡」

 ユキくんの指が、俺のペニスとユキくんのアナルの結合部に触れる。
 かわいい。
 この数ミリの隙間すらも埋めたいなんて……!

「もっと?」
「ん! んんぁ、あ! そ、じゃなくて……」

 腰をぐっと押し付けると、首を横に振られた。
 
「え?」

 どういうことだ?
 快感を必死に我慢する蕩けた脳内ではユキくんの真意が解らず戸惑っていると、ユキくんが無理やり腰を浮かせて俺のペニスを抜いた。

「あぁん♡」
「うっ……く!」

 もっと繋がりたいというのに、何で?

「ユキくん……?」
「これ、邪魔」
「ユキくん!」

 ユキくんが俺のペニスに指を伸ばして、厚手のコンドームをはぎ取った。
 不特定多数と寝るけど……いや、不特定多数と寝るからこそ、ユキくんはセーフセックスを心がけていて、コンドームを忘れることは無かった。俺もそうだ。コンドーム無しなんて、よほどの信頼と、よほどの気持ちが無いと……。

「セイジさんとは……無しでしたい……お願い」
「あ……」

 ユキくんが切なげに俺を見上げる。
 セックス中に「お願い♡」とおねだりされることには慣れている。ちょっとした我儘は俺も楽しい。
 でも、こんな……心から懇願するような……。

「いいの?」
「うん」
「俺、今日は余裕ないから中で出すかもしれないよ?」
「……中で、出して欲しくて言ってるんだよ」

 ユキくんにしては珍しく、恥ずかしそうに、視線をそらして小さく呟いた。

「……恋人エッチだから」

 本気なのか。
 嬉しくて叫び出しそうだった。
 きっとこんなことを言ってもらえるのは俺だけだ。
 俺が特別なんだ。
 これから俺は、ユキくんと特別な恋人のセックスをするんだ。
 
「ユキくん……入れるよ」
「うん。来て♡」

 感激で声が上擦る。
 理性がどこかに行ってしまいそうなほど嬉しいし、生で触れたアナルは気を失いそうなほど気持ちがいい。でも、なんとか焦らないように、傷つけないように、ゆっくりと内壁を押し進めていく。

「あ、あ、あ、あ、すご、あ、すごい♡」
「うっ……ぐっ、あ……ふっ!」

 先ほどと同じように、ゆっくり最奥まで埋めてから腰を止めた。
 途中、何度も腰を止めたり思い切り振りそうになったが、必死で耐えた。
 耐えすぎて、力を籠めすぎて、どこかの血管が切れそうだ。

「あ……生、すごい、セイジさんの形、わかる……♡」
「っ……う……はぁ……ユキくんの中も、すごい。狭いところ、角度、ひだ、全部、わかるよ」

 ただでさえ敏感になっているお互いの場所を、初めて何の隔たりも無く擦り付ける。
 意識が飛びそうだ。
 敏感すぎて、感じすぎて、ユキくんの肉体が近すぎて、精神的にも、こんなの、もう……だめだ。

「ユキくん……!」
「んんっ!」

 下半身から意識を反らすように激しく舌の絡むキスをする。
 でも、そのキスの間もお互いピストン運動こそしないものの、腰をくねらせ、内壁に力を入れ、粘膜を擦り付け合う。

「セイジ、さん……あ、すごい、セイジさん、すごい、繋がって、俺、とけそ、セイジさんと溶けて、まざりそう♡」
「うぉっ、っ、ぐっ!」

 熱い内壁に熱くなった場所を搾るように締め付けられる。
 頭が溶けそうなことも言われて……。
 おそらくあと一〇分くらいなのに。

「ユキくん、煽らないでくれ。もう、我慢が効かない」
「やだ、俺も我慢できない。もうピストンして? セイジさんの大きいペニスで括約筋広げまくって、前立腺突きあげて、結腸いっぱいこじ開けて欲しい♡」
「でも、あと一〇分……」

 ポリネシアンセックスで最高の体験をさせるんだ。
 今までのどのセックスよりも、気持ちよくさせるんだ。
 だから……
 必死に歯を食いしばって、腹筋に力を入れて、必死に必死に耐えるのに……。

「もう俺、今までのどのセックスよりも気持ちよくなってるから♡ ね? もう、このセックスが一番だから、お願い♡」
「……ユキくん……!」

 限界の時にそんなことを言われたら、もうダメだった。
 あと一〇分挿入であと四〇分ピストンなんてもう考えられなくて、ここからはただのセックスだった。
 焦らされて、焦らされて、焦らされて、抑え込んだものが爆発した、ただのセックスだった。

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