ゲイのエッチなお兄さん

回路メグル

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本編2

ポリネシアンセックスのために、期間限定の恋人ごっこ【13】ー恋人5日目ー

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 ゆっくりキスをした後、まずは胸の突起に触れた。
 あえて、ユキくんが特に好きな左ではなくて、右。
 指の腹で撫でて、硬くなってきたら指先でつまんで優しく捏ねる。

「あ……あぁ、あ……♡」

 痺れたような震える甘い声。
 すごいな。
 元々感度がいい子だけど、更に上がっているのが解る。

「久しぶりの乳首、すごくかわいいよ。ちょっとだけ舐めていい?」
「あ、だめ、いまなめたら絶対、だめ、イくから……」

 いつもは「イかせて♡」なのに。
 
「じゃあこっち」
「あ♡ やっ、ん、んんっ」

 ユキくんの体を後ろから抱きしめて、膝の間に座らせ、下着の上から性器を優しく撫でる。
 普段のセックスの前戯に比べれば、ほんの悪戯程度の指先でなぞるだけの愛撫。
 それでも三日間焦らされたそこは激しく扱いている時のように反応する。

「あ、あ、俺……あ、だめ、もうだめ……」

 布地越しでもしっかりと硬くなり血管が浮いているのまで解る。
 先走りで先端には大きなシミができて、ユキくんの思惑通り感じているのがバレバレだ。
 エッチでかわいいなぁ……。
 
「まだ少ししか触ってないよ? 折角今日は性器に触れていい日なのに。もうダメ?」
「ご、ごめん、ちょっと、本当、だめ……俺、あ、だめ。おもったより、俺、まって、マジだめ!」

 あ、これは本気で焦ってる。
 指先でぎゅっとペニスの根元と袋の辺りを掴むと、ヒクヒクと射精したそうに震えているのが解った。

「俺のこと、ギリギリまで煽るんじゃなかった?」

 ユキくんのペニスから指を離し、後ろから抱きしめたまま太ももの内側、薄っすら残るキスマークを撫でる。

「あ……あぁ、だめ……あ、そこもだめ……!」

 ペニスに触れた時と同じくらい身をよじるユキくんが腰に来る。
 だってここでこんなにも感じるなんて……。

「こんな場所で感じちゃうんだ?」
「あ、あ、あぅ、だって、そこ、毎日いっぱいするから……ぁ♡」

 初日にキスマークを付けてから、嬉しくてそこばかりを愛撫するうちに、ユキくんの新しい性感帯になってしまった場所。
 俺が新しく作った、育てた、ユキくんの性感帯。

「気持ちいい場所、増えたぁ♡」
「っ……!」

 俺が育てた性感帯で嬉しそうにする様子に、俺のペニスはもう硬い。

「あ、セイジさんも……?」

 ユキくんが俺の手を振り払って、体ごとこちらを向く。

「もっと気持ちよくなって♡」

 俺の体を押し倒して、腰のあたりに跨ったユキくんは、下着の生地ごしのアナルに、同じく下着越しの俺のペニスを擦り付ける。

「うっ……ぐ……うっ、ぁ」

 久しぶりのペニスへの刺激は衝撃的だった。
 押し当てられるだけなのに、もう射精欲がどんどん湧き上がる。
 まずい。
 少し押し当てられただけでもうイキそうだ。
 ポリネシアンセックスのルールでは最終日まで射精はNGなのに。
 こんな、たった数回、しかもお互い下着越しで、擦り付けただけで……まずい。
 だめだ。
 ものすごく気持ちがいい。
 だめだ。
 だめ……

「はぁ……もうだめ」
「くっ……え?」

 俺よりも先にユキくんが腰の動きを止めた。

「アナル……あたってるだけでいきそう……」

 上ずった、舌ったらずな声でユキくんが呟く。
 顔を見上げれば余裕そうな顔でも、妖艶な笑みでもなく、頬を真っ赤にした切羽詰まった顔だった。

「もっと……はぁ……せいじさん、じらしたいのに……っ」

 はぁはぁと荒い息と引き攣った声の合間に、時々耐えるように歯を食いしばる。
 射精を耐えているのか……?
 それにしては……

「もうむり……っ……俺……こんなに、セックスで上手くできないこと、初めて……くやしい」
「……!?」

 あのユキくんが。
 どんなプレイでも、上手に楽しむユキくんが。
 そこが魅力的だと思っていたユキくんが……上手にできないのか。
 そうか。
 そうか……。

「かわいい」
「え?」
「ユキくんのこんな顔、初めて見た。かわいい」
「……上手に、できてないのに?」
「あぁ。セックスが上手いとか下手とかじゃなくて、一生懸命なところがかわいい」
「……かわいい?」

 ユキくんが、セックス中にしては珍しく、不安そうに首を傾げる。
 その仕草に胸がぎゅっと掴まれるような苦しさを感じた。
 ユキくん……上手くできないと価値が無いとでも思っているのか?

「あぁ。俺を気持ちよくさせようとしてるのも、自分で気持ちよくなろうとしてるのも、二人で楽しもうとしてくれてるのも、全部かわいい」
「できてないのに……?」
「できないくらい、感じてくれているのがかわいいし、それでも一生懸命頑張ろうとしてくれてるのがすごくかわいい」

 俺の感動は、どう言えば伝わるんだ? 一言一言、言い含めるように、視線を合わせて言うと、ユキくんの表情が少し緩んだ。

「かわいくて、かわいくて、大好きだなって思うよ」
「……!」

 もう一押しか。

「ユキくん、大好きだよ」

 ユキくんの腕を引いて、上半身を引き寄せる。

「セイジさん……」
「大好き。愛してる。すごく愛しい。ユキくんのセックスを真剣に楽しんで、二人の素敵な時間を作ろうとしてくれるところ、すごく魅力的だと思うよ」
「……」

 引き寄せた体を強く抱いて、隙間なく密着すると、ユキくんからも無言でぎゅっと抱き締めてくれた。

「ユキくんのこと、大好きだよ」

 抱きしめた背中を優しく撫でると、強張っていたユキくんの体の力が抜けた。

「セイジさん」

 不安そうだった顔が笑顔になる。
 あぁ、ちゃんと俺の気持ちが伝わったか。

「俺も、大好き……セイジさんに触ってもらうの……セイジさんの手、気持ちいい……俺のこと解ってくれてて、気遣ってくれてて、気持ちいいし、嬉しい。大好き」

 自分の言葉で照れているのか、ユキくんが顔を真っ赤にして視線を逸らす。

「本当に? 嬉しいな。今のでもっと大好きになった」

 赤くなった頬にキスをして、片手は背中に回したまま、もう片方の手で頭や頬を撫でる。
 ペニスはまだ勃起したままだが、不思議と射精感は落ち着いて……でも、何とも言えない射精直前のふわふわした気持ちよさは落ち着かなくて……。

 ポリネシアンセックスとして正解なのかは解らないが、俺とユキくんの気持ちは、完全に出来上がって、明日のセックスに向けて最高潮に高められたと思った。

「セイジさんの腕の中、気持ちいい……好き」
「ユキくん……愛してるよ。明日はもっともっと気持ちよくなろう」
「うん」

 予定の一時間を過ぎても下着姿で抱き合ったままで、そのまま布団を引き寄せて、何度もキスをしながら眠りについた。

 俺たちはこの瞬間、本当に恋人同士だったと思う。

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