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本編1
ノンケの男にお仕置きする話 【10・復讐完了】
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ユキさんをヤクザに取られた翌日、数週間ぶりに残業して、ほとんど人がいなくなったオフィスでボーっとしていた。
ハッテン場に通うために無理やり定時で帰っていたからデスクに仕事は山積み。
今までは早くユキさんとセックスをしたい一心で定時内は必死に仕事を片付けていたけど、今日はその気力がわかない。
折角リーダーを任されたコレクションの準備は、目に見えて遅れている。
「……ユキさん……」
それでも、仕事よりもユキさんのことで頭がいっぱいだった。
あの最高のセックスがもうできない。
いや、ヤるためにはあのハッテン場のあいつにもあいつにもあいつにもあいつにもあいつにも負けないチンコとテクニックを身に付けないといけない。
……それが、できる気がしない。
「そ、そんなはずない。そんなはずない。俺は、エッチが上手い。上手いはず……!」
半分明かりが消えたオフィスで頭を抱えていると、オフィスに続く作業室からチビデブの同僚が顔を出した。
「あ! 今日はまだ残ってるんだ! 良かった~! これ、コレクション用のパターンの確認……」
俺がこいつをリーダーから引きずりおろしたのに、社内で腫れものを触るように遠巻きにされているのに、こいつは会社を辞めることなく能天気に仕事をしている。
それが、妙にイラついた。
「なぁ、お前ゲイなんだよな?」
仕事の資料を見せようとしてくる同僚に、椅子から立ち上がって詰め寄ると、あからさまに嫌そうな顔をされた。
「……何を今更……」
「もうお前でいいや。抱いてやるよ」
もとはと言えばお前のせいだ。
こいつがゲイだったから、こんなことになったんだ。
そうだ。きっとそうだ。
……発想が飛躍していることに気づけないほど、俺はもう冷静じゃなかった。
「え!? 嘘! な、なに!?」
「うっせぇ、ゲイなんだろ? 俺が抱いてやるって言ってんだよ悦べよ!」
「や、やだ! ちょっと! やだ! いやだ!」
こんなチビのデブで髭まではえている奴は好みじゃない。
でも、ゲイだったらもう誰でもいい。
じたばた動いて周囲の椅子やゴミ箱を倒す同僚に馬乗りになって無理やりシャツを脱がせる。
ユキさんと違ってだらしない体。全然好みじゃない。
でも、男の体だ。ゲイセックスできるんだ。
よし、次はズボンを脱がせて……という所で急に部屋が明るくなった。
「おい、何やってるんだ!」
「課長! 助けて! 助けてぇ!」
「お前……!?お、 おーい! 誰か来てくれ!」
「っ……ち、ちがう、これは……!」
そこからのことはよく覚えていない。
俺たちしか残っていないと思った社内には、たまたま納品トラブルのあった他の部署が丸々残っていて、騒ぎを聞きつけたその部署のメンバー全員で俺を取り押さえ、監視カメラの映像も確認されて……。
俺と同僚の立場が逆転した。
俺は、同僚のことが好きだけど振られた腹いせでアウティングした最低のレイプ犯ということになり、コレクションのリーダーどころか、会社もクビになった。
同じ業界に再就職しようにも、噂が広まっていて雇ってくれる会社が見つからない。
なんとか採用してもらえたのは、全く別の業界で、採用早々遠い田舎の支所に行かされることになった。
給料も半分に減った。
それも辛かったが、それ以上に……
「セックス……したい……」
セックスがしたくてしたくてたまらない。
でも、女を抱く気になれない。
男にも相手にしてもらえない。
あの知ってしまった極上のセックスを、もうすることができない。
「地獄だ……」
頭の中はセックスのことでいっぱいなのに、田舎のボロアパートで毎日一人で抜くだけの生活を送るしかなかった。
◆
「マオちゃん、コレクション成功おめでとう!」
「ユキくーん!!! ユキくん! ユキくん!」
「あはっ♡ もう、マオちゃんは今日はユキくんから離れないね?」
行きつけのゲイバーは、今日は俺たちの貸し切りだ。
マオちゃんが改めてリーダーを任されたコレクションの成功祝い。
そして、マオちゃんの復讐の成功祝い。
マオちゃんやマオちゃんのファンはもちろん、ミミくんやミミくんの店の系列であるヤクザの若頭、俺が協力をお願いしたイケおじ様や巨根のスポーツマンたちも集まっている。
「ユキくんのお陰で俺、また大好きな子供服作れるよ! ありがとう!」
「俺だけの力じゃないよ。みんなが協力してくれたからだよ」
狭い店内にぎゅうぎゅうに集まったみんなは、酒の入ったグラスを片手に穏やかな笑顔で俺たちを眺めている。マオちゃんのために、俺の無茶なお願いを聞いてくれたみんなだ。
「そのみんなが協力してくれたのが、ユキくんのお陰だよ! みんなも本当にありがとう! 今日は俺のおごりだからね! 飲み放題!」
マオちゃんの言葉にみんなが口々に「やった」「じゃあ遠慮なく」とグラスを煽る。
本当にみんな良い人だな。巨根の彼も、持久力が自慢のあの人も、回数が自慢のあの子も、俺が「マオちゃんの復讐のために心をポキっと折りたいから、あいつの前で極上のセックス見せつけるのに協力して♡」ってお願いしたら二つ返事でOKしてくれた。
……ヤクザの若頭さんの改造巨根だけは、容易に受け入れられないしパートナーがいるらしいから「セックスするふり」だけだけど。それでもミミくんを介して協力してくれた。
マオちゃんのファンであるガタイがいい人たちも、普段行かないハッテン場に出入りして周囲から煽ってくれたり、色々と見せつけてくれたりした。
俺だけの力じゃない。みんなの優しさと、マオちゃんの人徳だ。
「ユキくん、何週間もかけて俺のためにありがとう。大変だったよね? 本当にありがとう!」
マオちゃんがまた抱き着きながらお礼を言ってくれるけど……
うーん。
大変……?
最初に計画を立てる所は少し大変だったけど……
「気にしないでマオちゃん。俺はただ……」
店内の沢山の魅力的なゲイ仲間をゆっくりと見渡してからマオちゃんへ視線を戻す。
「俺はただ、みんなと楽しくセックスしただけだよ♡」
これで俺たちの復讐は終わり。
ハッテン場に通うために無理やり定時で帰っていたからデスクに仕事は山積み。
今までは早くユキさんとセックスをしたい一心で定時内は必死に仕事を片付けていたけど、今日はその気力がわかない。
折角リーダーを任されたコレクションの準備は、目に見えて遅れている。
「……ユキさん……」
それでも、仕事よりもユキさんのことで頭がいっぱいだった。
あの最高のセックスがもうできない。
いや、ヤるためにはあのハッテン場のあいつにもあいつにもあいつにもあいつにもあいつにも負けないチンコとテクニックを身に付けないといけない。
……それが、できる気がしない。
「そ、そんなはずない。そんなはずない。俺は、エッチが上手い。上手いはず……!」
半分明かりが消えたオフィスで頭を抱えていると、オフィスに続く作業室からチビデブの同僚が顔を出した。
「あ! 今日はまだ残ってるんだ! 良かった~! これ、コレクション用のパターンの確認……」
俺がこいつをリーダーから引きずりおろしたのに、社内で腫れものを触るように遠巻きにされているのに、こいつは会社を辞めることなく能天気に仕事をしている。
それが、妙にイラついた。
「なぁ、お前ゲイなんだよな?」
仕事の資料を見せようとしてくる同僚に、椅子から立ち上がって詰め寄ると、あからさまに嫌そうな顔をされた。
「……何を今更……」
「もうお前でいいや。抱いてやるよ」
もとはと言えばお前のせいだ。
こいつがゲイだったから、こんなことになったんだ。
そうだ。きっとそうだ。
……発想が飛躍していることに気づけないほど、俺はもう冷静じゃなかった。
「え!? 嘘! な、なに!?」
「うっせぇ、ゲイなんだろ? 俺が抱いてやるって言ってんだよ悦べよ!」
「や、やだ! ちょっと! やだ! いやだ!」
こんなチビのデブで髭まではえている奴は好みじゃない。
でも、ゲイだったらもう誰でもいい。
じたばた動いて周囲の椅子やゴミ箱を倒す同僚に馬乗りになって無理やりシャツを脱がせる。
ユキさんと違ってだらしない体。全然好みじゃない。
でも、男の体だ。ゲイセックスできるんだ。
よし、次はズボンを脱がせて……という所で急に部屋が明るくなった。
「おい、何やってるんだ!」
「課長! 助けて! 助けてぇ!」
「お前……!?お、 おーい! 誰か来てくれ!」
「っ……ち、ちがう、これは……!」
そこからのことはよく覚えていない。
俺たちしか残っていないと思った社内には、たまたま納品トラブルのあった他の部署が丸々残っていて、騒ぎを聞きつけたその部署のメンバー全員で俺を取り押さえ、監視カメラの映像も確認されて……。
俺と同僚の立場が逆転した。
俺は、同僚のことが好きだけど振られた腹いせでアウティングした最低のレイプ犯ということになり、コレクションのリーダーどころか、会社もクビになった。
同じ業界に再就職しようにも、噂が広まっていて雇ってくれる会社が見つからない。
なんとか採用してもらえたのは、全く別の業界で、採用早々遠い田舎の支所に行かされることになった。
給料も半分に減った。
それも辛かったが、それ以上に……
「セックス……したい……」
セックスがしたくてしたくてたまらない。
でも、女を抱く気になれない。
男にも相手にしてもらえない。
あの知ってしまった極上のセックスを、もうすることができない。
「地獄だ……」
頭の中はセックスのことでいっぱいなのに、田舎のボロアパートで毎日一人で抜くだけの生活を送るしかなかった。
◆
「マオちゃん、コレクション成功おめでとう!」
「ユキくーん!!! ユキくん! ユキくん!」
「あはっ♡ もう、マオちゃんは今日はユキくんから離れないね?」
行きつけのゲイバーは、今日は俺たちの貸し切りだ。
マオちゃんが改めてリーダーを任されたコレクションの成功祝い。
そして、マオちゃんの復讐の成功祝い。
マオちゃんやマオちゃんのファンはもちろん、ミミくんやミミくんの店の系列であるヤクザの若頭、俺が協力をお願いしたイケおじ様や巨根のスポーツマンたちも集まっている。
「ユキくんのお陰で俺、また大好きな子供服作れるよ! ありがとう!」
「俺だけの力じゃないよ。みんなが協力してくれたからだよ」
狭い店内にぎゅうぎゅうに集まったみんなは、酒の入ったグラスを片手に穏やかな笑顔で俺たちを眺めている。マオちゃんのために、俺の無茶なお願いを聞いてくれたみんなだ。
「そのみんなが協力してくれたのが、ユキくんのお陰だよ! みんなも本当にありがとう! 今日は俺のおごりだからね! 飲み放題!」
マオちゃんの言葉にみんなが口々に「やった」「じゃあ遠慮なく」とグラスを煽る。
本当にみんな良い人だな。巨根の彼も、持久力が自慢のあの人も、回数が自慢のあの子も、俺が「マオちゃんの復讐のために心をポキっと折りたいから、あいつの前で極上のセックス見せつけるのに協力して♡」ってお願いしたら二つ返事でOKしてくれた。
……ヤクザの若頭さんの改造巨根だけは、容易に受け入れられないしパートナーがいるらしいから「セックスするふり」だけだけど。それでもミミくんを介して協力してくれた。
マオちゃんのファンであるガタイがいい人たちも、普段行かないハッテン場に出入りして周囲から煽ってくれたり、色々と見せつけてくれたりした。
俺だけの力じゃない。みんなの優しさと、マオちゃんの人徳だ。
「ユキくん、何週間もかけて俺のためにありがとう。大変だったよね? 本当にありがとう!」
マオちゃんがまた抱き着きながらお礼を言ってくれるけど……
うーん。
大変……?
最初に計画を立てる所は少し大変だったけど……
「気にしないでマオちゃん。俺はただ……」
店内の沢山の魅力的なゲイ仲間をゆっくりと見渡してからマオちゃんへ視線を戻す。
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これで俺たちの復讐は終わり。
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