30年待たされた異世界転移

明之 想

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第11章 陰謀編

帰宅

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<ギリオン視点>



「魔報だ」

「魔法? どこに、魔法があるって? 何も見えねえぞ」

「違う」

 はあ?
 炎も氷も水も、ここには何もないじゃねえか。

「魔報。魔道具による連絡だ」

 ああ……。
 魔道具のことかよ。
 紛らわしいな。

「んで?」

「国境から急報が入ってる」

 急報だあ?
 厄介事が終わったと思ったら、もう次かよ。

「何つってんだ?」

「ちょっと待て」

「……」

「……」

 まじいな。
 ヴァルターの顔色が悪くなってきたぞ。

「どうだ、分かったか?」

「ああ……ウィル様とエリシティア様が危地に陥っている」

 なっ!

「どういうこった? 何が起こってる?」

 事故か、賊か?
 それとも、レザンジュ軍?

「説明の前に出発の準備だ。急げ!」

「少しは説明しろや」

 その時間くらいあんだろ。
 おい!

「ちっ」

 こっちの顔も見ず部屋に駆け込みやがった。

「……しゃあねえ」

 オレも準備すっか。

「まずは、破れた服を着替えて」

 新しい剣と魔法薬だな。んで、携帯食……。
 って、休む暇もありゃしねえ。




***********************

<ヴァーン視点>



「帰ったぞ」

「ヴァーン?」

「おう」

「その声は……上手くいったのね?」

 今は視力を失っているシア。
 当然俺の顔色を見ることはできない。
 それでも声だけで察するんだからよ、大したもんだぜ。

「コーキ先生もギリオンさんも?」

「もちろん、ふたりとも無事。救出に成功したぞ」

「ああ、よかった」

 心からほっとしたような声を出すシア。

「よかったぁ」

 その気持ち、よーく分かる。
 俺も同じだからな。
 けど、あれだ、何つうか……。

「ヴァーンは?」

「ん?」

「怪我してないよね?」

「ああ、問題ねえ」

 怪物にやられた傷がちっと残ってるが、シアに話すほどじゃない。

「ほんとに?」

「おう、俺の腕は信じれんだろ?」

「うん、うん」

 さらに安堵の息を漏らすシア。
 その様子に、こっちも一息ついちまう。

「それで、どうやって、どこで助けたの? ふたりは今どうしてるの?」

「どう……っつうか、あれは助けたというか、助けられたというか……」

「え? 何?」

 そういえば、今回俺は活躍してねえぞ。

「ヴァーン?」

「……」

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