30年待たされた異世界転移

明之 想

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第11章 陰謀編

盗み聞き 2

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「いえ……我ら一門は王家に忠誠を尽くす身。キュベリッツの二大柱の一つであるリューヌセルク家の公女様、さらにはオズヴァルト王太子殿下の筆頭秘書官でもある貴方様につぐむ口は持っておりませぬ」

 公女?
 王太子の秘書?
 そんな女性が、俺と関係あるはずがない。
 ってことは、やっぱり勘違いだったんだな。

「でしたら?」

「……分かりました。サヴィアリーナ様にはお話します」

「助かります」

 しかし、若い公爵家令嬢でありながら王太子の筆頭秘書官とは大したものだな。

「レイリュークとその門弟はシロでした」

「……」

「レザンジュの間諜として我が国で活動しているという事実はありません。根も葉もない単なる噂だったようです」

「噂に過ぎなかったのですね」

「はい。彼は一介の武芸者かと」

 オルセーの調査はレイリュークについてだったのか。それも、レザンジュ王国の間諜という疑い。

「……」

 確かに、あいつは怪しい男だった。
 今回の勾留も道場で一騒動あったから。あれがなければ、こんな事態に陥ることもなかったはず。

 レイリュークが何かを企んでいる可能性も考えていたが……。

「それらは全て、オルセー殿が調べたことですよね?」

「はい、オルセーと彼の部下によるものです」

「……」

「何か不審な点でもございますか?」

「いえ……。ただ、少し気になることがありまして」

「伺っても?」

「これについては、オルセー殿に直接聞いた方が早いと思います」

「そうですか。では、オルセーを待つことにしましょう」

 この部屋にしばらく留まるとなると、俺のことに気づくかもしれない。
 まずいな。

「……」

 いっそ、こちらから動いた方がいいのか?
 オルセーから情報を引き出せないのなら、バシモスに聞くという手もあるのでは?

 ただし、あの男は只者じゃない。
 隠しきれない気が身から漏れ出ている。
 それに、公爵令嬢も……。

「バシモス殿、ところで」

「はい?」

「あちらは?」

「あちら、ですか?」

「ええ、奥に誰かいるようですが?」

 っ!?



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