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第11章
2人?
しおりを挟む「侵入したのは間違いなく2人なのですね?」
「ええ」
そうか……。
なんて落ち込んでる時間はない。
今は少しでも情報を聞き出すべきだ。
「つまり、こちらの屋敷の裏が骨董品店に繋がっていて、そこから侵入されたと? 1人ではなく2人の曲者に?」
「そうね」
レンヌ家が屋敷の裏で骨董品を商っている。
あやしいことこの上ないぞ。
「それで、侵入者2人は何者なんです? 骨董品店の客だったのですか?」
「そこまでは聞いてないわ。そんなことより……あなた? 本当に裏のことも知らず地下に入っていたの?」
「……はい」
「やっぱり普通じゃないわよ」
「ええ、おかしいわね」
よくないな。
2人の顔に不信感が戻ってる。
「……」
これ以上は難しそうだ。
仕方ない。
2人には、ここで眠ってもらうとしよう。
「本当に詳しいことは知らないのですよ」
まずは何事もないような素振りで。
「ただ……」
手のひらを軽く前に突き出し。
「何?」
「……」
微弱な雷撃を至近距離から発動。
「あっ!」
「うぅ!」
軽い呻き声を上げた2人が、膝から崩れ落ちていく。
「……」
確かめるまでもない。
ともに意識を失っている。
とはいえ、このまま放置するのも危険だろう。
なら、申し訳ないが。
「しばらくは大人しくしていてくださいよ」
そんな言葉とともに、収納から取り出したロープで2人を縛り。
猿ぐつわも噛ませて、これでよし。
拘束完了だ。
さて。
彼女たちのおかげで、今の状況は何となく理解できている。
となれば、問題は向かう先。
侵入者のもとか、それともオルセーのもとか?
「……」
侵入者2人のことは気になるものの、現状気配は特定できていない。
2人のうち1人がギリオンである可能性も低い。
やはり今は上だな。
3階にいるオルセーのもとへ急ぐべき。
拘束した2人を部屋に残し、外に出た先で目に入ってきたのは左右に伸びた通路。
ただし、迷路じゃない。
普通の通路だ。
「……」
その通路を進むこと数分。
気配感知を頼りに人の姿を避けながら慎重に歩を進め、難なく階段に到着することができた。
さあ、オルセーの気配はどうなってる?
まだ3階にいるんだろうな?
よし、さっき感知した場所から動いていない。
「……ギリオン」
もうすぐだ。
オルセーに聞けば、おまえの行方が分かる。
そうすれば助けることもできる。
待っててくれよ。
「……」
気配を隠し、足音を消し、細心の注意を払って3階へ。
オルセーの気配が漂う部屋の前へ。
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