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第11章
強化剣 2
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「ギリオン!」
「おう?」
その表情。
空気の変調に気づいてないのか?
「どうした?」
「空気が変わってる。また麻痺と眠気がくるぞ!」
「はあ?」
「前回と同じだ」
「……ほんとかよ?」
「ああ」
「ちっ! どうする、コーキ?」
この拘束状態で前回と同じものを受けたら、防ぎようがない。
「剣の強化は?」
「まだだ。が、ほぼ完成している」
「間に合うのか?」
「……」
おそらく、意識がもつのは数分。
間に合うかどうか分からない。
が、それなら……。
「コーキ!」
不完全でもやるしかない。
「今から強化剣を試す」
「なっ! 完成してねえのにかよ?」
「ああ、意識を失ったら終わりなんだ。その前に試すしかないだろ」
「……だな」
「足枷から行くぞ」
体内で魔力を練り。
少しずつ剣内部に流し込む。
これまでと異なる手順で慎重に。
ゆっくり、ゆっくりと内部に送り続ける。
「……」
今のところ、内部は安定している。
7割、8割。
もうすぐ充填……。
あっ!
失敗だ。
漏れてしまった。
なら、もう一度。
「……」
「……」
今度は漏れてない。
成功か?
よし、成功だ!
「ギリオン、準備できたぞ」
この強化剣なら、しばらくは内部に魔力を保てるはず。
枷も鎖も断ち斬れるはずだ。
「そうか! ちっと痺れてきたからよぉ、助かったぜ」
「もう痺れが」
だったら、すぐに。
「足を開いてくれ」
「おう」
両足の枷は鎖で繋がっている。
まずは、その鎖の切断からだ。
「任せた!」
軽く頷き、剣身を慎重に持ち上げ。
一閃。
キン!
手ごたえは悪くない。
「どうだ、上手く斬れたか?」
剣身は無事。
魔力も内部に籠ったまま。
そして、鎖が真っ二つに切断されている。
つまり。
「……成功だ」
「おっしゃあ!」
安堵が緊張を追いやったギリオンの顔には曇りのない笑み。
俺も同じような表情をしているはず。
とはいえ、まだ油断はできない。
「次は壁と繋がってる鎖だな」
「ああ」
「頼むぜ」
慎重に確認するも、剣の強化状態に変わりはなし。
ならば、このまま進めるだけ。
なのに。
「ちっ!」
「どうした?」
「眠気もきちまった」
「おう?」
その表情。
空気の変調に気づいてないのか?
「どうした?」
「空気が変わってる。また麻痺と眠気がくるぞ!」
「はあ?」
「前回と同じだ」
「……ほんとかよ?」
「ああ」
「ちっ! どうする、コーキ?」
この拘束状態で前回と同じものを受けたら、防ぎようがない。
「剣の強化は?」
「まだだ。が、ほぼ完成している」
「間に合うのか?」
「……」
おそらく、意識がもつのは数分。
間に合うかどうか分からない。
が、それなら……。
「コーキ!」
不完全でもやるしかない。
「今から強化剣を試す」
「なっ! 完成してねえのにかよ?」
「ああ、意識を失ったら終わりなんだ。その前に試すしかないだろ」
「……だな」
「足枷から行くぞ」
体内で魔力を練り。
少しずつ剣内部に流し込む。
これまでと異なる手順で慎重に。
ゆっくり、ゆっくりと内部に送り続ける。
「……」
今のところ、内部は安定している。
7割、8割。
もうすぐ充填……。
あっ!
失敗だ。
漏れてしまった。
なら、もう一度。
「……」
「……」
今度は漏れてない。
成功か?
よし、成功だ!
「ギリオン、準備できたぞ」
この強化剣なら、しばらくは内部に魔力を保てるはず。
枷も鎖も断ち斬れるはずだ。
「そうか! ちっと痺れてきたからよぉ、助かったぜ」
「もう痺れが」
だったら、すぐに。
「足を開いてくれ」
「おう」
両足の枷は鎖で繋がっている。
まずは、その鎖の切断からだ。
「任せた!」
軽く頷き、剣身を慎重に持ち上げ。
一閃。
キン!
手ごたえは悪くない。
「どうだ、上手く斬れたか?」
剣身は無事。
魔力も内部に籠ったまま。
そして、鎖が真っ二つに切断されている。
つまり。
「……成功だ」
「おっしゃあ!」
安堵が緊張を追いやったギリオンの顔には曇りのない笑み。
俺も同じような表情をしているはず。
とはいえ、まだ油断はできない。
「次は壁と繋がってる鎖だな」
「ああ」
「頼むぜ」
慎重に確認するも、剣の強化状態に変わりはなし。
ならば、このまま進めるだけ。
なのに。
「ちっ!」
「どうした?」
「眠気もきちまった」
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