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第11章
集中攻撃
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「ぅ……」
初めて受けたオルセーのファイヤーボール。
「どうです? ちょうど好い痛みでしょ?」
当然のことながら、火傷の痛みだ。
「さあ、まだまだ続けますよ。ファイヤーボール、ファイヤーボール!」
また2連発。
連続で太腿に……。
「てめえ、コーキばかり狙うんじゃねえ!」
「あなた、何を言ってるんです?」
「だから、コーキの腿ばかり狙うなつってんだ」
「はっ、愚かなことを」
「何だと!」
「相手の弱みを突くのは当然でしょ。戦闘でも、今のような状況でもね」
「ちっ! コーキ、大丈夫か?」
「……何とかな」
太腿にこれだけファイヤーボールを受けたんだ。
しっかりと痛みは感じている。
ただ、思っていたほどじゃない。
普通に耐えられる程度だ。
これは俺のレベルアップの影響に加え、魔力で皮膚の内部を強化しているからだろうな。オルセーの手加減のおかげでもあるか。
「おや、効いてませんか?」
「……」
「どうやら、軽すぎたようですね?」
まさか、強めるつもり?
「では、これならどうでしょ。……アイスアロー!」
氷の矢だ。
ファイヤーボールより魔力を増したそれが、またしても太腿に。
これはまずい。
が、先端の尖った氷矢は火球より攻撃面が狭い。
だったら、壁にほぼ密着した脚を僅かにずらして。
バリン!
魔力増のアイスアローは俺の太腿側面を軽く掠りながら石壁に当たって雲散。
ファイヤーボールと同じく、壁に当たると同時に綺麗に消え失せてしまった。
「……」
顕現した魔法のこの消え方。
壁には強力な魔法阻害効果があるってことか。
「ほう。その状態で、この距離で避けますか?」
いや、避けきれてはいない。
アイスアローが太腿に刺さることだけは防いだが、それでも裂傷は負っているんだ。
「さすがです」
「……」
「こうなるともう、手加減は不要みたいですね。……ファイヤーボール!」
「!?」
これまでとは勢いがまったく違う。
烈火の玉が太腿に迫って。
「っ!」
熱い!
「ファイヤーボール、ファイヤーボール!」
駄目だ。
避けられない。
「痛っ!」
「今回は効きましたか」
効いてるどころじゃない。
こんな魔法攻撃を何度も受けたら……。
「ふふ、あなたも人間だったようですね」
「コーキ?」
「ああ……」
上手く返事ができない。
「悪くないですねぇ。では、続きを」
「てめえ、やめろ! やめやがれ!」
「ふふ、やめませんよ」
「こんの卑怯者め!」
「何を言ってるんです。ここで止めるのは無粋というものでしょ。さあ、プレゼントを続けますよ」
どうする?
どうすべきなんだ?
考えている時間もない。
初めて受けたオルセーのファイヤーボール。
「どうです? ちょうど好い痛みでしょ?」
当然のことながら、火傷の痛みだ。
「さあ、まだまだ続けますよ。ファイヤーボール、ファイヤーボール!」
また2連発。
連続で太腿に……。
「てめえ、コーキばかり狙うんじゃねえ!」
「あなた、何を言ってるんです?」
「だから、コーキの腿ばかり狙うなつってんだ」
「はっ、愚かなことを」
「何だと!」
「相手の弱みを突くのは当然でしょ。戦闘でも、今のような状況でもね」
「ちっ! コーキ、大丈夫か?」
「……何とかな」
太腿にこれだけファイヤーボールを受けたんだ。
しっかりと痛みは感じている。
ただ、思っていたほどじゃない。
普通に耐えられる程度だ。
これは俺のレベルアップの影響に加え、魔力で皮膚の内部を強化しているからだろうな。オルセーの手加減のおかげでもあるか。
「おや、効いてませんか?」
「……」
「どうやら、軽すぎたようですね?」
まさか、強めるつもり?
「では、これならどうでしょ。……アイスアロー!」
氷の矢だ。
ファイヤーボールより魔力を増したそれが、またしても太腿に。
これはまずい。
が、先端の尖った氷矢は火球より攻撃面が狭い。
だったら、壁にほぼ密着した脚を僅かにずらして。
バリン!
魔力増のアイスアローは俺の太腿側面を軽く掠りながら石壁に当たって雲散。
ファイヤーボールと同じく、壁に当たると同時に綺麗に消え失せてしまった。
「……」
顕現した魔法のこの消え方。
壁には強力な魔法阻害効果があるってことか。
「ほう。その状態で、この距離で避けますか?」
いや、避けきれてはいない。
アイスアローが太腿に刺さることだけは防いだが、それでも裂傷は負っているんだ。
「さすがです」
「……」
「こうなるともう、手加減は不要みたいですね。……ファイヤーボール!」
「!?」
これまでとは勢いがまったく違う。
烈火の玉が太腿に迫って。
「っ!」
熱い!
「ファイヤーボール、ファイヤーボール!」
駄目だ。
避けられない。
「痛っ!」
「今回は効きましたか」
効いてるどころじゃない。
こんな魔法攻撃を何度も受けたら……。
「ふふ、あなたも人間だったようですね」
「コーキ?」
「ああ……」
上手く返事ができない。
「悪くないですねぇ。では、続きを」
「てめえ、やめろ! やめやがれ!」
「ふふ、やめませんよ」
「こんの卑怯者め!」
「何を言ってるんです。ここで止めるのは無粋というものでしょ。さあ、プレゼントを続けますよ」
どうする?
どうすべきなんだ?
考えている時間もない。
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