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第9章 推理編
攻防 10
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<古野白楓季視点>
躱された拳を左に回し、首を絞めようと迫る吾妻の腕。
武上君も反応しているけど、間に合わない。
やられる!
思わず駆け出した私の目に入ってきたのは……頭を斜めに突き出す武上君?
「だっ!」
バンッ!
えっ?
前頭が吾妻の右腕に激突……。
これは、頭突き?
防御じゃなく、攻撃?
頭突きで吾妻の右腕を叩き落としたの?
「……」
想定外の攻撃に私の足が止まってしまう。
それは吾妻も同じだったよう。
その僅かな隙を逃さず、重心を整える武上君。
高速で右の下段蹴りを相手の左脚へ。
吾妻は右フックから変化させた体勢を戻せていない。
重心は右に残った状態。
回避は困難。
必然。
バシィィィ!!
やった!
下段蹴りが吾妻の左脚をとらえた!
「っ!」
攻撃を受け跳び退いた吾妻の表情に変化が現れている。
浮かぶのは痛苦、それとも驚愕?
そんなこと、武上君は気にもかけていない。
ただ先へ。
次の攻撃へ。
「喰らえ!」
そう。
ここが勝負所よ。
攻め切って、武上君!
「おりゃあ!!」
渾身の左ストレート!
「!?」
惜しい。
避けられてしまった。
続けて右のフック。
躱された。
左の中段蹴り。
これも駄目。
流れるような三連撃を華麗にさばいた吾妻が数歩後退して距離を取る。
「……」
脚に蹴りを受け傷んでいるはずなのに、吾妻の動きに陰りは見えない。
むしろ動きが良くなっているくらい。
いくら身体強化しているとはいえ、武上君の筋肉質の体に比べたら数段見劣りする細い体で、まったく力負けしないなんて……。
強化の質が高い?
そういうことなの?
「……」
っと!
また2人の攻防が。
「だぁ!」
「……」
「どりゃあ!」
「っ!」
私の目では把握しきれないレベルの攻防だ。
「……」
あらかじめ決められた殺陣のように、美しい舞踊のように、拳と脚が重なっていく。
「……」
私の意識が2人の戦いに吸い寄せられていく。
時間も空間も集約される。
そんな終わりの見えない攻防が続き。
「……」
「……」
「……」
それでも。
結末のない戦いなど存在しない。
2人の戦いにもそれが……。
「どりゃあ!!」
「っ!」
蹴りを躱しながら武上君の懐に入り、身を屈め軸足を払うように手刀を繰り出す吾妻。
避けられない。
踏ん張り切れない。
「ちっ!」
手刀を受けバランスを崩した武上君の胸に、さらなる一撃。
吾妻の強烈な掌底が襲い掛かる。
武上君!
「避けてっ!」
バァーン!
「あっ……」
入ってしまった。
掌底が武上君の胸に。
躱された拳を左に回し、首を絞めようと迫る吾妻の腕。
武上君も反応しているけど、間に合わない。
やられる!
思わず駆け出した私の目に入ってきたのは……頭を斜めに突き出す武上君?
「だっ!」
バンッ!
えっ?
前頭が吾妻の右腕に激突……。
これは、頭突き?
防御じゃなく、攻撃?
頭突きで吾妻の右腕を叩き落としたの?
「……」
想定外の攻撃に私の足が止まってしまう。
それは吾妻も同じだったよう。
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重心は右に残った状態。
回避は困難。
必然。
バシィィィ!!
やった!
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攻撃を受け跳び退いた吾妻の表情に変化が現れている。
浮かぶのは痛苦、それとも驚愕?
そんなこと、武上君は気にもかけていない。
ただ先へ。
次の攻撃へ。
「喰らえ!」
そう。
ここが勝負所よ。
攻め切って、武上君!
「おりゃあ!!」
渾身の左ストレート!
「!?」
惜しい。
避けられてしまった。
続けて右のフック。
躱された。
左の中段蹴り。
これも駄目。
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「……」
脚に蹴りを受け傷んでいるはずなのに、吾妻の動きに陰りは見えない。
むしろ動きが良くなっているくらい。
いくら身体強化しているとはいえ、武上君の筋肉質の体に比べたら数段見劣りする細い体で、まったく力負けしないなんて……。
強化の質が高い?
そういうことなの?
「……」
っと!
また2人の攻防が。
「だぁ!」
「……」
「どりゃあ!」
「っ!」
私の目では把握しきれないレベルの攻防だ。
「……」
あらかじめ決められた殺陣のように、美しい舞踊のように、拳と脚が重なっていく。
「……」
私の意識が2人の戦いに吸い寄せられていく。
時間も空間も集約される。
そんな終わりの見えない攻防が続き。
「……」
「……」
「……」
それでも。
結末のない戦いなど存在しない。
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「どりゃあ!!」
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蹴りを躱しながら武上君の懐に入り、身を屈め軸足を払うように手刀を繰り出す吾妻。
避けられない。
踏ん張り切れない。
「ちっ!」
手刀を受けバランスを崩した武上君の胸に、さらなる一撃。
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武上君!
「避けてっ!」
バァーン!
「あっ……」
入ってしまった。
掌底が武上君の胸に。
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