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第9章 推理編
違和感
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「「「「「おおぉ!」」」」」
「「「「「やったぞ!」」」」」
騒然とする観衆の中。
俺の足もとには粉砕したばかりの2つの剣先が転がっている。
「「「セレスティーヌ様!」」」
「セレス様、ご無事ですか?」
セレス様に問いかけているのはシア、アル、ヴァーン、ディアナ、ユーフィリア。
「……問題ありません」
もちろん、俺の後ろにいるセレス様に怪我はない。
それは皆も分かっているはず。
「「「「「セレス様!」」」」」
「「「「「コーキ殿!」」」」」
騎士たちも集まってきた。
ルボルグ隊長とメルビンさんも……。
「宴での剣舞に続き、またしてもこのような失態を……。セレスティーヌ様、申し訳ございません」
2人の謝罪が始まり、セレス様がそれを受け入れようとしている。
まさに、ユーフィリアの試合後と同様の展開。
当然と言えば当然の流れなのだが……。
この肌がザラつくような不快さ、不気味な感覚は。
既視感どころじゃないな。
「……」
セレス様を襲った2つの誤射。このように類似した偶発的事件が連続で起こる確率なんてゼロに等しい。信じられない事態だ。
それでも、収束を求める因果が存在するというのなら理解はできる。
なら、俺の違和感は、不快さは?
そうか。
皆の動きまで酷似しているからか。
「……」
つい先刻起きたばかりのアイスアローの誤射に続いて、今回は剣先まで飛んできたというのに、誰も奇妙だと感じていない。セレス様のもとに集まった皆が連続の事態を事故として普通に受け入れている。俺以外のほぼ全員が……。
これが、この世界の常識?
俺がおかしいだけ?
いや、あり得ないだろ。
だったら、なぜ……?
*************************
<エレナ視点>
「今日は散々だったぜ」
「……」
「まっ、屋根の下でゆっくり休めるのはありがたいけどよぉ」
エンノアに与えられた地下住居。
模擬試合を終えたメルビンさんとランセルと私は、その一室で休憩しているところ。
「そうね」
本来ならテポレン山で野宿しているはずが、こうして快適な空間で身体を休めることができるのだから、ありがたいことだと思う。
「しっかし、メルビンさんが引き分けで、エレナまで負けるとはなぁ」
「……」
「ほんと、信じらんねえわ」
今日の模擬試合の結果は私にとっても予想外のものだった。
ただ。
「真剣ならメルビンさんも私も勝ってたわ」
木剣が折れなければ、そう。
「メルビンさんはともかく、お前は負けんじゃねえか?」
「勝てるわよ」
「そうかぁ??」
相変わらず失礼なことを言う男だ。
「私は木剣との相性が悪いの。ランセルこそ、偉そうなこと言ってたのに惨敗じゃない」
「はあ? 惨敗じゃねえ!」
「あなたの相手はアルでしょ。あんな少年に負けたんだから惨敗だわ」
「……ちっ」
つい最近、オルドウで冒険者になったばかりの少年に敗れた時点で惨敗なのよ。
試合内容なんて関係ないわね。
「「「「「やったぞ!」」」」」
騒然とする観衆の中。
俺の足もとには粉砕したばかりの2つの剣先が転がっている。
「「「セレスティーヌ様!」」」
「セレス様、ご無事ですか?」
セレス様に問いかけているのはシア、アル、ヴァーン、ディアナ、ユーフィリア。
「……問題ありません」
もちろん、俺の後ろにいるセレス様に怪我はない。
それは皆も分かっているはず。
「「「「「セレス様!」」」」」
「「「「「コーキ殿!」」」」」
騎士たちも集まってきた。
ルボルグ隊長とメルビンさんも……。
「宴での剣舞に続き、またしてもこのような失態を……。セレスティーヌ様、申し訳ございません」
2人の謝罪が始まり、セレス様がそれを受け入れようとしている。
まさに、ユーフィリアの試合後と同様の展開。
当然と言えば当然の流れなのだが……。
この肌がザラつくような不快さ、不気味な感覚は。
既視感どころじゃないな。
「……」
セレス様を襲った2つの誤射。このように類似した偶発的事件が連続で起こる確率なんてゼロに等しい。信じられない事態だ。
それでも、収束を求める因果が存在するというのなら理解はできる。
なら、俺の違和感は、不快さは?
そうか。
皆の動きまで酷似しているからか。
「……」
つい先刻起きたばかりのアイスアローの誤射に続いて、今回は剣先まで飛んできたというのに、誰も奇妙だと感じていない。セレス様のもとに集まった皆が連続の事態を事故として普通に受け入れている。俺以外のほぼ全員が……。
これが、この世界の常識?
俺がおかしいだけ?
いや、あり得ないだろ。
だったら、なぜ……?
*************************
<エレナ視点>
「今日は散々だったぜ」
「……」
「まっ、屋根の下でゆっくり休めるのはありがたいけどよぉ」
エンノアに与えられた地下住居。
模擬試合を終えたメルビンさんとランセルと私は、その一室で休憩しているところ。
「そうね」
本来ならテポレン山で野宿しているはずが、こうして快適な空間で身体を休めることができるのだから、ありがたいことだと思う。
「しっかし、メルビンさんが引き分けで、エレナまで負けるとはなぁ」
「……」
「ほんと、信じらんねえわ」
今日の模擬試合の結果は私にとっても予想外のものだった。
ただ。
「真剣ならメルビンさんも私も勝ってたわ」
木剣が折れなければ、そう。
「メルビンさんはともかく、お前は負けんじゃねえか?」
「勝てるわよ」
「そうかぁ??」
相変わらず失礼なことを言う男だ。
「私は木剣との相性が悪いの。ランセルこそ、偉そうなこと言ってたのに惨敗じゃない」
「はあ? 惨敗じゃねえ!」
「あなたの相手はアルでしょ。あんな少年に負けたんだから惨敗だわ」
「……ちっ」
つい最近、オルドウで冒険者になったばかりの少年に敗れた時点で惨敗なのよ。
試合内容なんて関係ないわね。
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