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第8章 南部動乱編
影響?
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「あっちに戻って、功己!」
「……」
そんなに焦ってどうしたんだ?
魂替は成功したんだろ?
「今すぐよ!」
それとも、まさか失敗している?
「早く!」
「……何かあったのか?」
「時間がないの! セレスさんのもとに行って!」
こっちの問い掛けに応えることなく、ただ急かすだけ。
無事に日本に戻って来ることができたのに、喜ぶ様子なんて微塵もない。
「功己!」
そうは見えないが、魂替に問題があったんだな。
「幸奈、少し落ち着いてくれ」
「でも!」
「これじゃ話が進まない。まずは、少しでいいから気を静めるんだ」
「……」
俺の言葉が届いたのか、幸奈の興奮が若干収まったように見える。
「事情を説明してくれないか?」
「……よく分からない。けど、時間がないことだけは確かだから、功己早く戻って!」
よく分からないとは、いったいどういうことなのか?
「ゆっくり話している場合じゃないの! だから、お願い!」
「……分かった、急いで戻る。ただ、今は異世界間移動を使えないんだ」
「そんな……まだ時間制限中?」
「ああ」
12時間の制限時間を消化しきれていない。
ただ、それもごく僅かなもの。
少し待てば移動可能になる。
「でも、すぐだよね?」
時計が正確なら。
「あと5分だな」
「そんなに! 間に合わないかも……」
5分すら待てない状況とは。
こちらにも焦りが伝染しそうだぞ。
ただ。
「5分といっても、あっちでは100秒だからな」
間に合うだろ?
「それだったら……」
100秒でギリギリなのか。
ならば、なおのこと。
「あっちに戻り次第動けるように、少しで構わないから状況を説明してくれ」
「よく分からないけど……いい?」
「ああ」
「功己と話した通り、予定時間に部屋で魂替を使ったの。でも、上手く使えなくて」
「……」
「何度か試している内に急に苦しくなって」
急に苦しく?
宴での幸奈は元気だったよな?
魂替試行中にたまたま体調が悪化したのか?
魂替の影響なのか?
「立ってられなくて床に手をついてしまったわ。それで、その後は、気づいたら」
「……」
「目の前に功己がいて……。わたし、魂替を発動したんだよね?」
「ああ、間違いない」
苦しみながらも魂替発動に至ったんだ。
入れ替わることができたんだ。
その結果にひとまずは安堵してしまうが。
「今の幸奈は平気なのか?」
後遺症なんてないだろうな?
「うん、平気みたい」
よし。
これで、安心できる。
「でも、あっちのセレスさんが心配で」
「……」
「今も苦しんでいるような気がするから」
一連の流れを客観的に考察すると。
「さっきの苦痛は入れ替わる直前のもの。つまり、状況的には魂替が影響してる可能性が高いだろ?」
「……」
「それに、今の幸奈は健常に戻っている。体も魂も病んでいるわけじゃない。だったら、あちらのセレス様の苦痛も消えてるんじゃないのか?」
「それは、そうだけど……」
幸奈の不安は消えないみたいだ。
「……」
そんなに焦ってどうしたんだ?
魂替は成功したんだろ?
「今すぐよ!」
それとも、まさか失敗している?
「早く!」
「……何かあったのか?」
「時間がないの! セレスさんのもとに行って!」
こっちの問い掛けに応えることなく、ただ急かすだけ。
無事に日本に戻って来ることができたのに、喜ぶ様子なんて微塵もない。
「功己!」
そうは見えないが、魂替に問題があったんだな。
「幸奈、少し落ち着いてくれ」
「でも!」
「これじゃ話が進まない。まずは、少しでいいから気を静めるんだ」
「……」
俺の言葉が届いたのか、幸奈の興奮が若干収まったように見える。
「事情を説明してくれないか?」
「……よく分からない。けど、時間がないことだけは確かだから、功己早く戻って!」
よく分からないとは、いったいどういうことなのか?
「ゆっくり話している場合じゃないの! だから、お願い!」
「……分かった、急いで戻る。ただ、今は異世界間移動を使えないんだ」
「そんな……まだ時間制限中?」
「ああ」
12時間の制限時間を消化しきれていない。
ただ、それもごく僅かなもの。
少し待てば移動可能になる。
「でも、すぐだよね?」
時計が正確なら。
「あと5分だな」
「そんなに! 間に合わないかも……」
5分すら待てない状況とは。
こちらにも焦りが伝染しそうだぞ。
ただ。
「5分といっても、あっちでは100秒だからな」
間に合うだろ?
「それだったら……」
100秒でギリギリなのか。
ならば、なおのこと。
「あっちに戻り次第動けるように、少しで構わないから状況を説明してくれ」
「よく分からないけど……いい?」
「ああ」
「功己と話した通り、予定時間に部屋で魂替を使ったの。でも、上手く使えなくて」
「……」
「何度か試している内に急に苦しくなって」
急に苦しく?
宴での幸奈は元気だったよな?
魂替試行中にたまたま体調が悪化したのか?
魂替の影響なのか?
「立ってられなくて床に手をついてしまったわ。それで、その後は、気づいたら」
「……」
「目の前に功己がいて……。わたし、魂替を発動したんだよね?」
「ああ、間違いない」
苦しみながらも魂替発動に至ったんだ。
入れ替わることができたんだ。
その結果にひとまずは安堵してしまうが。
「今の幸奈は平気なのか?」
後遺症なんてないだろうな?
「うん、平気みたい」
よし。
これで、安心できる。
「でも、あっちのセレスさんが心配で」
「……」
「今も苦しんでいるような気がするから」
一連の流れを客観的に考察すると。
「さっきの苦痛は入れ替わる直前のもの。つまり、状況的には魂替が影響してる可能性が高いだろ?」
「……」
「それに、今の幸奈は健常に戻っている。体も魂も病んでいるわけじゃない。だったら、あちらのセレス様の苦痛も消えてるんじゃないのか?」
「それは、そうだけど……」
幸奈の不安は消えないみたいだ。
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