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第8章 南部動乱編
ひらひら
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<和見幸奈視点(姿はセレスティーヌ)>
「昨日に続いて忙しくなりそうですね、セレス様」
「……ええ」
「戦争って、前も後も大変ですから」
本当にその通りだと思う。
戦場跡の処理、レザンジュ王軍の動向調査、次の戦いに向けての準備など。することが多すぎる。
「さあ、やるぞ!」
「ああ、頑張るか」
「おう!」
「さっと片付けちまおうぜ」
「だな」
だけど、みんなの顔は晴れやかなもの。
横にいるシアさんもそう。
今さらながら、勝利とは凄いものなんだと実感してしまう。
「あっ、セレス様は少しお休みください。お顔の色も良くないですし、頭痛も治まっていないのですから」
そんな中、わたしだけが相変わらず役に立たない。
シアさんからもコーキさんからも心配されてばかりで……。
でも、今日からはもう逃げるつもりはない。
頭痛と正面から向き合うつもりだ。
違和感の原因も見つけ出す。
「……」
そんな思いと裏腹に、なぜか上手く進めない。
今は強く望んでいるはずなのに、どうしてだろ?
やっぱり、心の深いところで拒絶している?
そうなの?
「……」
このままじゃ駄目。
同じことの繰り返しになる。
だったら……。
心のままに動いてみよう。
「シアさん、ちょっと出てきます」
「えっ? セレス様、体調は?」
「もう大丈夫」
「頭痛の方は?」
「それも平気だから」
「……どちらに行かれるのですか?」
「すぐ近くよ。危険はないと思う」
「……お供します」
「……」
本当はひとりで向かいたかったのだけれど、そうもいかないか。
シアさんと護衛の騎士に護られて、向かった先は昨日の戦場跡の一角。
わたしたちの本陣があった場所だ。
昨日、今日と処理をした結果、今は見違えるようになっている。
もちろん、戦いの傷跡は少し残っているけれど……。
「騎士の皆さん、少しひとりにしてもらってもいいですか?」
「セレス様?」
「シアさん、お願い。ちょっとだけ離れていて?」
「……はい」
「騎士の皆さんも、ここで待っていてください」
「「承知しました」」
みんなから離れて1歩、2歩。
3歩、4歩、5歩……。
大地を踏みしめ、足を進める。
ここだ。
本陣の中央奥。
ベニワスレの大木が穏やかながらも盛りを誇っている薄紅の空間。
昨日、コーキさんが私を救ってくれた場所だ。
「……」
ベニワスレに残っている鮮やかな斬跡。
昨日のコーキさんの一振りでできたものに違いない。
その斬跡に指を添わせると……。
何かが伝わってくる。
何かは分からない何かが。
むず痒いような、くすぐったいような、不思議な感覚。
これはいったい?
「……」
刹那、山に吹く優しくも強い風が頬を撫で。
「あっ……」
ベニワスレの枝を揺らす。
そして、花弁が空に。
ひら ひら
ひら ひら
薄紅が枝に別れを告げ。
旅立っていく。
楽しそうに舞っている。
ひら ひら
ひら ひら ひら
ひら ひら ひら
陽光を受け時折朱へと変化しながら輝き踊る花弁たち。
心の奥底にふわりと柔らかに触れてくる。
「昨日に続いて忙しくなりそうですね、セレス様」
「……ええ」
「戦争って、前も後も大変ですから」
本当にその通りだと思う。
戦場跡の処理、レザンジュ王軍の動向調査、次の戦いに向けての準備など。することが多すぎる。
「さあ、やるぞ!」
「ああ、頑張るか」
「おう!」
「さっと片付けちまおうぜ」
「だな」
だけど、みんなの顔は晴れやかなもの。
横にいるシアさんもそう。
今さらながら、勝利とは凄いものなんだと実感してしまう。
「あっ、セレス様は少しお休みください。お顔の色も良くないですし、頭痛も治まっていないのですから」
そんな中、わたしだけが相変わらず役に立たない。
シアさんからもコーキさんからも心配されてばかりで……。
でも、今日からはもう逃げるつもりはない。
頭痛と正面から向き合うつもりだ。
違和感の原因も見つけ出す。
「……」
そんな思いと裏腹に、なぜか上手く進めない。
今は強く望んでいるはずなのに、どうしてだろ?
やっぱり、心の深いところで拒絶している?
そうなの?
「……」
このままじゃ駄目。
同じことの繰り返しになる。
だったら……。
心のままに動いてみよう。
「シアさん、ちょっと出てきます」
「えっ? セレス様、体調は?」
「もう大丈夫」
「頭痛の方は?」
「それも平気だから」
「……どちらに行かれるのですか?」
「すぐ近くよ。危険はないと思う」
「……お供します」
「……」
本当はひとりで向かいたかったのだけれど、そうもいかないか。
シアさんと護衛の騎士に護られて、向かった先は昨日の戦場跡の一角。
わたしたちの本陣があった場所だ。
昨日、今日と処理をした結果、今は見違えるようになっている。
もちろん、戦いの傷跡は少し残っているけれど……。
「騎士の皆さん、少しひとりにしてもらってもいいですか?」
「セレス様?」
「シアさん、お願い。ちょっとだけ離れていて?」
「……はい」
「騎士の皆さんも、ここで待っていてください」
「「承知しました」」
みんなから離れて1歩、2歩。
3歩、4歩、5歩……。
大地を踏みしめ、足を進める。
ここだ。
本陣の中央奥。
ベニワスレの大木が穏やかながらも盛りを誇っている薄紅の空間。
昨日、コーキさんが私を救ってくれた場所だ。
「……」
ベニワスレに残っている鮮やかな斬跡。
昨日のコーキさんの一振りでできたものに違いない。
その斬跡に指を添わせると……。
何かが伝わってくる。
何かは分からない何かが。
むず痒いような、くすぐったいような、不思議な感覚。
これはいったい?
「……」
刹那、山に吹く優しくも強い風が頬を撫で。
「あっ……」
ベニワスレの枝を揺らす。
そして、花弁が空に。
ひら ひら
ひら ひら
薄紅が枝に別れを告げ。
旅立っていく。
楽しそうに舞っている。
ひら ひら
ひら ひら ひら
ひら ひら ひら
陽光を受け時折朱へと変化しながら輝き踊る花弁たち。
心の奥底にふわりと柔らかに触れてくる。
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