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第8章 南部動乱編
想い
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<和見幸奈視点(姿はセレスティーヌ)>
心の奥底に隠れていた表現しがたい想い、感情。
それが違和感を伴って溢れ出てくる。
戦勝の場面で、どうして……。
それに、このベニワスレ。
右手に握りしめたベニワスレの一枝。
どういうわけか、淡い紅色の花弁が気になって仕方がない。
「セレスティーヌ様、大勝おめでとうございます」
嬉々とした表情で頭を下げているのは、ルボルグ隊長だ。
「セレスティーヌ殿、ワディンとエンノアの勝利ですぞ」
ゼミアさん。
「「「「「おめでとうございます」」」」」
みんな、とってもいい顔をしている。
「……ありがとう。皆さんのおかげです」
*********************
「おう、戻ったか?」
「コーキ先生、ご無事ですか?」
王軍本陣への追撃から戻った剣姫と俺、ノワールを真っ先に迎えてくれたのは、いつものメンバー。皆、満面の笑みを浮かべている。
「ああ、問題はない」
「コーキと剣姫とノワールなら、怪我なんかしねえだろ。で、どうだった?」
「見ての通り、敵全軍を潰走させ殿に打撃を与えることにも成功した」
殿に対しては深追いを避け、魔法攻撃とノワールの黒炎だけの攻撃だったが、それなりの損害を与えることはできたはず。
「おう、やってくれたな」
「さすが先生です」
「コーキさんなら、楽勝だよなぁ」
「それは違う。イリサヴィア様とノワールの助力があったからこその戦果だ」
「まあそうだろうけどよぉ。にしても大したもんだぜ」
「ヴァーン殿の言う通り。コーキ殿には感謝の言葉もございません」
「いえ……」
ここにいる皆は、エビルズピークで剣姫に酷くやられた過去を持つ。
どうしても彼女への評価が低くなってしまうのだろう。
「それで、皆も大丈夫なのか? 負傷しているなら治療するが?」
「ああ、治療が必要なやつらは奥で治療してる。俺たちは問題ねえ」
「そうか」
確かに、いつものメンバーには負傷など見あたらない。
近くにいる他の騎士たちも同様。
「コーキさんのおかげですよ」
「魔法矢と爆弾がなかったらと思うと……。ほんと、助かりました!」
エンノアの多くも問題ないようだ。
皆、活気にあふれている。
間違いなく疲弊しているだろうに。
戦勝の高揚が、そうさせているんだろうな。
そんな皆に比べて幸奈は……。
「コーキさん……」
シアの後ろから、こちらを見つめているその様子。
やはり、何かがおかしい。
初めて戦争を目の当たりにしたから、かもしれないが……。
「コーキさんに怪我がなくて良かったです」
少々おかしい所があるとはいえ、今はそんなことより無事を喜ぶべき。
「セレスティーヌ様こそ、ご無事で何よりです」
幸奈を護ることができて、本当に良かった。
心底そう思っているのだから。
「コーキさんのおかげです」
「……そうですよ。あの時の先生は凄かったですから」
「シア殿の言う通りだ。あの時の一撃、枝ごと叩き斬ったあの一撃は凄まじかったぞ」
「私もそう思う」
「俺も見てたぞ。あれは凄かった」
「ほんとにな」
「ああ、凄かった」
周りのワディン騎士たちも口々にそんなことを。
「まっ、俺たちも良くやったけどな」
「お前は、大したことしてねえだろ」
「やったっての」
「いや、いや」
「……」
一種の躁状態だな。
まっ、あの大軍を退けることに成功したんだ。
浮かれるのも仕方ないか。
「ところで、その2人は?」
俺の後ろに座っている縄で拘束された2人。
彼女たちにヴァーンが近づいていく。
「何者だ? 部隊長クラスか? それとも?」
「1人は王軍の小隊長、そしてもう1人は……総指揮官だ」
心の奥底に隠れていた表現しがたい想い、感情。
それが違和感を伴って溢れ出てくる。
戦勝の場面で、どうして……。
それに、このベニワスレ。
右手に握りしめたベニワスレの一枝。
どういうわけか、淡い紅色の花弁が気になって仕方がない。
「セレスティーヌ様、大勝おめでとうございます」
嬉々とした表情で頭を下げているのは、ルボルグ隊長だ。
「セレスティーヌ殿、ワディンとエンノアの勝利ですぞ」
ゼミアさん。
「「「「「おめでとうございます」」」」」
みんな、とってもいい顔をしている。
「……ありがとう。皆さんのおかげです」
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「おう、戻ったか?」
「コーキ先生、ご無事ですか?」
王軍本陣への追撃から戻った剣姫と俺、ノワールを真っ先に迎えてくれたのは、いつものメンバー。皆、満面の笑みを浮かべている。
「ああ、問題はない」
「コーキと剣姫とノワールなら、怪我なんかしねえだろ。で、どうだった?」
「見ての通り、敵全軍を潰走させ殿に打撃を与えることにも成功した」
殿に対しては深追いを避け、魔法攻撃とノワールの黒炎だけの攻撃だったが、それなりの損害を与えることはできたはず。
「おう、やってくれたな」
「さすが先生です」
「コーキさんなら、楽勝だよなぁ」
「それは違う。イリサヴィア様とノワールの助力があったからこその戦果だ」
「まあそうだろうけどよぉ。にしても大したもんだぜ」
「ヴァーン殿の言う通り。コーキ殿には感謝の言葉もございません」
「いえ……」
ここにいる皆は、エビルズピークで剣姫に酷くやられた過去を持つ。
どうしても彼女への評価が低くなってしまうのだろう。
「それで、皆も大丈夫なのか? 負傷しているなら治療するが?」
「ああ、治療が必要なやつらは奥で治療してる。俺たちは問題ねえ」
「そうか」
確かに、いつものメンバーには負傷など見あたらない。
近くにいる他の騎士たちも同様。
「コーキさんのおかげですよ」
「魔法矢と爆弾がなかったらと思うと……。ほんと、助かりました!」
エンノアの多くも問題ないようだ。
皆、活気にあふれている。
間違いなく疲弊しているだろうに。
戦勝の高揚が、そうさせているんだろうな。
そんな皆に比べて幸奈は……。
「コーキさん……」
シアの後ろから、こちらを見つめているその様子。
やはり、何かがおかしい。
初めて戦争を目の当たりにしたから、かもしれないが……。
「コーキさんに怪我がなくて良かったです」
少々おかしい所があるとはいえ、今はそんなことより無事を喜ぶべき。
「セレスティーヌ様こそ、ご無事で何よりです」
幸奈を護ることができて、本当に良かった。
心底そう思っているのだから。
「コーキさんのおかげです」
「……そうですよ。あの時の先生は凄かったですから」
「シア殿の言う通りだ。あの時の一撃、枝ごと叩き斬ったあの一撃は凄まじかったぞ」
「私もそう思う」
「俺も見てたぞ。あれは凄かった」
「ほんとにな」
「ああ、凄かった」
周りのワディン騎士たちも口々にそんなことを。
「まっ、俺たちも良くやったけどな」
「お前は、大したことしてねえだろ」
「やったっての」
「いや、いや」
「……」
一種の躁状態だな。
まっ、あの大軍を退けることに成功したんだ。
浮かれるのも仕方ないか。
「ところで、その2人は?」
俺の後ろに座っている縄で拘束された2人。
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「何者だ? 部隊長クラスか? それとも?」
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