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第8章 南部動乱編
テポレン山の戦い 24
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ザン、ザン!
ザシュッ!
ザン、ザシュッ!
「雷撃!」
剣と魔法で戦い続け、王軍を足止めしたまま時間が過ぎていく。
ザシュッ!
ザッ、ザシュッ!
仕留めた敵兵は無数。
駄目になった剣は2本。
「……」
魔力を纏った剣がこれほど早く損耗するとはな。
収納に予備の剣の用意がなければまずいところだった。
1万の王軍相手なのだから、想定内ではあるものの……。
それでも、幸いなことに。
「ゴオォォォ!!」
「「「「「「ああぁぁぁ……」」」」」
俺にもノワールにも大きな負傷はない。
集中力も維持できている。
十全に戦えている状況だ。
ただ、魔力の残量が……。
さすがに余裕がなくなってきた。
ノワールの黒炎もそろそろ打ち止めだろう。
「くっ! 退くな! 退くんじゃない!!」
「進めぇ!!」
そんな今の状況はというと。
周囲に倒れ伏した歩兵が積み重なっているため、敵部隊は進軍が困難になりつつある。
一度に相手をする数が減って、こちらとしては大助かりだ。
その上。
「怯むなぁ! 進めぇ!」
「「「「「……」」」」」
王軍兵の士気も明らかに落ちている。
「「「「「……」」」」」
「「「「「……」」」」」
この惨状を前にしているのだから、高い戦意を持ち続けるのは難しくて当然。
むしろ、ここまで士気を保ち続けてきたことが驚きなんだよ。
ということで。
こちらには魔力量という問題はあるものの、精神的には若干余裕が生まれ始めている状況だ。
「……」
さて、一度本陣に戻りたいのだが?
どうしたものだろう?
東も左右の樹林も西も、全方面が上手く対応できている現状。
俺が陣地に戻っても問題はない?
今なら、本陣にいるワディン騎士と代わっても何とかなる?
敵歩兵の相手を任せても?
敵陣と自陣に目をやってみると……。
対処できそうか?
それなら、交代を……ん?
何だ、あれは?
視界の端に入ってきたのは、王軍兵??
西側じゃない、南の斜面にだ!!
まさか、あの断崖のような斜面を。
這い上がってきたのか?
南斜面は西の獣道どころじゃないんだぞ。
「っ!」
あいつら、数は少ないが纏う気配が他とは全く違う。
明らかに精鋭だ。
なのに、ワディン騎士たちは気づいていない。
まずい!
もう迷っている暇なんてない。
「ノワール、戻るぞ! いや……」
「ン?」
「違うな。おまえはB地点で王軍を抑えてくれ。今は俺ひとりで戻る!」
「オン!」
「フォルディさんたちは、B地点の後ろで待機をお願いします」
「あっ、はい」
「正面の敵がB地点に来たら迷わず、爆弾を発動してください」
「……はい」
「その後は、ワディン騎士とノワールで応戦を」
「了解しました。コーキさんは?」
「南の対処に向かいます」
「えっ? 南!?」
俺の言葉で南斜面の敵兵に気づいたフォルディさんたち。
驚きの表情を浮かべる彼ら念動力隊の横を抜け、坂上に向け疾走。
「ヴァーン、南を見ろ! 騎士の皆もだ!」
坂上の本陣と坂の向こう側、西に向かって大声を上げる。
「なっ、何!?」
「南??」
「どうして南から?」
「王軍!?」
ワディンもエンノアも、ようやく南側の奇襲を認識したか?
いや、まだ混乱中だ。
「くっ!」
こちらは依然坂を疾走中。
まずは本陣に到着してから南斜面に向かうつもりだが……。
「コーキ殿!」
本陣から坂下の俺に向かってワディン騎士が呼びかけてくる。
「陣内に問題は?」
「大丈夫です」
幸奈も無事か。
よかった!
「西側は?」
「そちらも大過なく応戦中です」
「……」
オルドウ方面、西側の敵に応戦しているワディン騎士は20名ほど。
ヴァーン、アル、ディアナ、ユーフィリア、ルボルグ隊長も西にいるはず。
東側山道にいるフォルディさんたちの護衛騎士は15名。
本陣内でエンノアの魔道具隊とワディンの魔法隊を守護する騎士は10名にも満たない。
これじゃ、足りない!
ザシュッ!
ザン、ザシュッ!
「雷撃!」
剣と魔法で戦い続け、王軍を足止めしたまま時間が過ぎていく。
ザシュッ!
ザッ、ザシュッ!
仕留めた敵兵は無数。
駄目になった剣は2本。
「……」
魔力を纏った剣がこれほど早く損耗するとはな。
収納に予備の剣の用意がなければまずいところだった。
1万の王軍相手なのだから、想定内ではあるものの……。
それでも、幸いなことに。
「ゴオォォォ!!」
「「「「「「ああぁぁぁ……」」」」」
俺にもノワールにも大きな負傷はない。
集中力も維持できている。
十全に戦えている状況だ。
ただ、魔力の残量が……。
さすがに余裕がなくなってきた。
ノワールの黒炎もそろそろ打ち止めだろう。
「くっ! 退くな! 退くんじゃない!!」
「進めぇ!!」
そんな今の状況はというと。
周囲に倒れ伏した歩兵が積み重なっているため、敵部隊は進軍が困難になりつつある。
一度に相手をする数が減って、こちらとしては大助かりだ。
その上。
「怯むなぁ! 進めぇ!」
「「「「「……」」」」」
王軍兵の士気も明らかに落ちている。
「「「「「……」」」」」
「「「「「……」」」」」
この惨状を前にしているのだから、高い戦意を持ち続けるのは難しくて当然。
むしろ、ここまで士気を保ち続けてきたことが驚きなんだよ。
ということで。
こちらには魔力量という問題はあるものの、精神的には若干余裕が生まれ始めている状況だ。
「……」
さて、一度本陣に戻りたいのだが?
どうしたものだろう?
東も左右の樹林も西も、全方面が上手く対応できている現状。
俺が陣地に戻っても問題はない?
今なら、本陣にいるワディン騎士と代わっても何とかなる?
敵歩兵の相手を任せても?
敵陣と自陣に目をやってみると……。
対処できそうか?
それなら、交代を……ん?
何だ、あれは?
視界の端に入ってきたのは、王軍兵??
西側じゃない、南の斜面にだ!!
まさか、あの断崖のような斜面を。
這い上がってきたのか?
南斜面は西の獣道どころじゃないんだぞ。
「っ!」
あいつら、数は少ないが纏う気配が他とは全く違う。
明らかに精鋭だ。
なのに、ワディン騎士たちは気づいていない。
まずい!
もう迷っている暇なんてない。
「ノワール、戻るぞ! いや……」
「ン?」
「違うな。おまえはB地点で王軍を抑えてくれ。今は俺ひとりで戻る!」
「オン!」
「フォルディさんたちは、B地点の後ろで待機をお願いします」
「あっ、はい」
「正面の敵がB地点に来たら迷わず、爆弾を発動してください」
「……はい」
「その後は、ワディン騎士とノワールで応戦を」
「了解しました。コーキさんは?」
「南の対処に向かいます」
「えっ? 南!?」
俺の言葉で南斜面の敵兵に気づいたフォルディさんたち。
驚きの表情を浮かべる彼ら念動力隊の横を抜け、坂上に向け疾走。
「ヴァーン、南を見ろ! 騎士の皆もだ!」
坂上の本陣と坂の向こう側、西に向かって大声を上げる。
「なっ、何!?」
「南??」
「どうして南から?」
「王軍!?」
ワディンもエンノアも、ようやく南側の奇襲を認識したか?
いや、まだ混乱中だ。
「くっ!」
こちらは依然坂を疾走中。
まずは本陣に到着してから南斜面に向かうつもりだが……。
「コーキ殿!」
本陣から坂下の俺に向かってワディン騎士が呼びかけてくる。
「陣内に問題は?」
「大丈夫です」
幸奈も無事か。
よかった!
「西側は?」
「そちらも大過なく応戦中です」
「……」
オルドウ方面、西側の敵に応戦しているワディン騎士は20名ほど。
ヴァーン、アル、ディアナ、ユーフィリア、ルボルグ隊長も西にいるはず。
東側山道にいるフォルディさんたちの護衛騎士は15名。
本陣内でエンノアの魔道具隊とワディンの魔法隊を守護する騎士は10名にも満たない。
これじゃ、足りない!
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