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第8章 南部動乱編
白都キュベルリア 1
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<イリアル視点>
神娘の追跡、捕縛。
あのバケモノがいるだけで、超難度の仕事になっちまう。
「……」
メルビンによると、あいつはドラゴンをひとりで倒す力を持ち、その剣技は剣姫に匹敵するらしい。
さらに、それに加えてだ。
あの魔法の腕前。
遠距離からこっちを狙撃してきた攻撃魔法は、とんでもねえもんだった。
兵数200の単隊で対処できるなんて、とてもじゃないが思えねえ。
複数の部隊でかかれば、ギリギリ何とかなるってところだろ。
「厄介なことだな」
「……ですね」
はあ~。
また仕事が長引きそうじゃねえか。
こっちは、やつの動向を探ればいいだけとはいえ、面倒事に変わりはねえんだからよ。
ん?
そういえば、ボスからの指示をもらってねえぞ。
ってことは、もう俺の仕事じゃない?
バケモンの監視は終わりか?
********************
<ギリオン視点>
「おい、おい、おい、どういうこった?」
「何がだ?」
「何がじゃねえぞ、レイリューク! おめえが呼んだんだろうがよ」
「それは、前回のことだな」
「はあ? おめえ、また戻って来いって言ったよなぁ?」
レイリュークから依頼された王都キュベルリアでの仕事。
そいつを終えた後に、レイリュークが言った言葉だ。
忘れたとは言わせねえ。
「ギリオン、お前は社交辞令という言葉を知っているか?」
「ったりめえだ! それがどうした!」
「……それだ」
「ああ!?」
「戻って来いというのは、社交辞令だと言ってる」
「……」
「理解したか?」
「はっ、そんなこと知るかよ! てめえが吐いた言葉に責任持ちやがれ!」
おめえの言葉があったから、こうして戻ってきたんだ。
オルドウから王都のレイリューク道場までな。
「はあ……社交辞令だと言ってるだろ」
「言い訳すんじゃねえ!」
「……私は暇じゃないんだ。またにしてくれ」
「またじゃねえ。今の話しだろうが!」
「……とにかく、おまえを雇うつもりはない」
「おめえ、吐いた唾を吞むってんだな」
「もういい。諸君、彼にあれを渡して帰ってもらうように」
「「「「「承知しました」」」」」
ちっ!
門弟がぞろぞろと。
「おい、先生を煩わすのはやめろ」
10人に囲まれちまったか……。
「これを持って帰れ」
「何だ、こいつぁ?」
「今夜の宿代くらいにはなるだろ」
「おめえら……このギリオン様を舐めんじゃねえぞ!」
「「「「「……」」」」」
「レイリュークよ、おめえの考えはよーく分かった。こんな仕事はなぁ、こっちから願い下げだぜ」
「……そうか。では、達者でな」
「けっ!」
「ほら、もう帰れ!」
「うるせえ。分かってらぁ」
こんな道場、二度と来てやるかよ!
仕事じゃねえなら、レイリュークにも用はねえ!
何てったって3本中1本は取れるようになったんだ。
もうすぐオレの剣の方が上になる。
いや、もう既にオレが上だろうからな。
神娘の追跡、捕縛。
あのバケモノがいるだけで、超難度の仕事になっちまう。
「……」
メルビンによると、あいつはドラゴンをひとりで倒す力を持ち、その剣技は剣姫に匹敵するらしい。
さらに、それに加えてだ。
あの魔法の腕前。
遠距離からこっちを狙撃してきた攻撃魔法は、とんでもねえもんだった。
兵数200の単隊で対処できるなんて、とてもじゃないが思えねえ。
複数の部隊でかかれば、ギリギリ何とかなるってところだろ。
「厄介なことだな」
「……ですね」
はあ~。
また仕事が長引きそうじゃねえか。
こっちは、やつの動向を探ればいいだけとはいえ、面倒事に変わりはねえんだからよ。
ん?
そういえば、ボスからの指示をもらってねえぞ。
ってことは、もう俺の仕事じゃない?
バケモンの監視は終わりか?
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「おい、おい、おい、どういうこった?」
「何がだ?」
「何がじゃねえぞ、レイリューク! おめえが呼んだんだろうがよ」
「それは、前回のことだな」
「はあ? おめえ、また戻って来いって言ったよなぁ?」
レイリュークから依頼された王都キュベルリアでの仕事。
そいつを終えた後に、レイリュークが言った言葉だ。
忘れたとは言わせねえ。
「ギリオン、お前は社交辞令という言葉を知っているか?」
「ったりめえだ! それがどうした!」
「……それだ」
「ああ!?」
「戻って来いというのは、社交辞令だと言ってる」
「……」
「理解したか?」
「はっ、そんなこと知るかよ! てめえが吐いた言葉に責任持ちやがれ!」
おめえの言葉があったから、こうして戻ってきたんだ。
オルドウから王都のレイリューク道場までな。
「はあ……社交辞令だと言ってるだろ」
「言い訳すんじゃねえ!」
「……私は暇じゃないんだ。またにしてくれ」
「またじゃねえ。今の話しだろうが!」
「……とにかく、おまえを雇うつもりはない」
「おめえ、吐いた唾を吞むってんだな」
「もういい。諸君、彼にあれを渡して帰ってもらうように」
「「「「「承知しました」」」」」
ちっ!
門弟がぞろぞろと。
「おい、先生を煩わすのはやめろ」
10人に囲まれちまったか……。
「これを持って帰れ」
「何だ、こいつぁ?」
「今夜の宿代くらいにはなるだろ」
「おめえら……このギリオン様を舐めんじゃねえぞ!」
「「「「「……」」」」」
「レイリュークよ、おめえの考えはよーく分かった。こんな仕事はなぁ、こっちから願い下げだぜ」
「……そうか。では、達者でな」
「けっ!」
「ほら、もう帰れ!」
「うるせえ。分かってらぁ」
こんな道場、二度と来てやるかよ!
仕事じゃねえなら、レイリュークにも用はねえ!
何てったって3本中1本は取れるようになったんだ。
もうすぐオレの剣の方が上になる。
いや、もう既にオレが上だろうからな。
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