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第7章 南部編
露見
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信じられない……。
レザンジュ軍の天幕の中で見た時は、こんな数字じゃなかった。
問題はなかった。
それなのに、なぜ今は4という数字に?
魔眼……。
ウラハムの魔眼なのか?
このタイミングは、そうとしか考えられない。
くっ!
やっぱり視られていたんだ!
しかし、だとすると。
天幕内で自己鑑定中に露見が表示されなかった理由は?
ウラハムの魔眼にさらされながら鑑定しても露見に変化が現れなかったのは?
この短時間に何かがあった?
それとも、露見がステータスに反映されるには少し時間がかかるとでも?
「……」
分からない。
が、そこは重要じゃない。
今現在4という数字が点滅していることが問題だ。
これは、今までの点滅とは意味が違う。
これまでの点滅は、古野白さんたち日本の異能者のものだと思うが、彼らは異世界について明確には認識していなかった。だから、警告の意味合いが強い点滅だったと思う。
けど、今回の点滅は……。
俺のギフト、異世界間移動が認識されたから?
あるいは、異世界につながる何かを視られたから?
それらによる点滅の場合、いつ確定に変わっても不思議じゃない。
今すぐにでも確定するかもしれない。
4つの確定が意味するもの。
「……」
終わりだ。
俺の異世界活動が終わってしまう。
しかも、幸奈とセレス様が入れ替わったこの状況で。
……駄目だ!
ここで異世界間移動を禁じられるわけにはいかない!
今だけは!
「……」
もちろん、今後もずっと点滅のままという可能性だってある。
放置しても問題ないかもしれない。
けど、そんなこと、あてにしていいのか?
なら……?
時間はあってないようなもの。
今この瞬間にも、取り返しのつかない事態になってしまうこともあり得る。
決断するなら早く。
使うなら、すぐじゃなきゃ効果がない。
露見の危険を消し去るには、魔眼にさらされる前に戻る必要がある。
魔眼で能力を視られたのは天幕の中、それとローンドルヌ大橋を渡っている最中。
つまり、その時間の前に戻れなければ遡行の意味なんてないんだ。
渡河からの経過時間は2時間に近づこうとしている。
1刻(2時間)の遡行で渡河前に戻れるのは、これからの数分だけ。
いや、数分だってあやしい。
既にギリギリかもしれない。
とにかく。
遡行するなら今、この場面!
ただ……。
これまでに時間遡行を使ったのは、生死に関わる時だけだった。
今回は人の生死がかかっている場面じゃない。
ここで使っていいものなのか?
神様から貰った超常の力を?
分からない。
が、それでも……。
異世界間移動を禁じられることは、俺にとっては死んだも同じ。
だったら。
もう!
使うしかない!
覚悟を決めろ!
「……時間遡行!」
あの奇妙な感覚が身体を覆い尽くしてくる。
間違いなく発動している。
問題は遡行する先。
その時間。
「……」
感覚が戻ってきた。
視界も開け、景色が目の中に。
「……」
ここは?
今は?
目の前に見えるのはローンドルヌ河。
ローンドルヌの大橋梁。
多くの旅人が通行している。
「……」
俺が立っているのは北岸なのか?
南岸なのか?
喧騒に包まれているローンドルヌ大橋。
背後には陽光に照らされた街道。
大橋の周りにはレザンジュ兵。
どっちなんだ?
レザンジュ軍の天幕の中で見た時は、こんな数字じゃなかった。
問題はなかった。
それなのに、なぜ今は4という数字に?
魔眼……。
ウラハムの魔眼なのか?
このタイミングは、そうとしか考えられない。
くっ!
やっぱり視られていたんだ!
しかし、だとすると。
天幕内で自己鑑定中に露見が表示されなかった理由は?
ウラハムの魔眼にさらされながら鑑定しても露見に変化が現れなかったのは?
この短時間に何かがあった?
それとも、露見がステータスに反映されるには少し時間がかかるとでも?
「……」
分からない。
が、そこは重要じゃない。
今現在4という数字が点滅していることが問題だ。
これは、今までの点滅とは意味が違う。
これまでの点滅は、古野白さんたち日本の異能者のものだと思うが、彼らは異世界について明確には認識していなかった。だから、警告の意味合いが強い点滅だったと思う。
けど、今回の点滅は……。
俺のギフト、異世界間移動が認識されたから?
あるいは、異世界につながる何かを視られたから?
それらによる点滅の場合、いつ確定に変わっても不思議じゃない。
今すぐにでも確定するかもしれない。
4つの確定が意味するもの。
「……」
終わりだ。
俺の異世界活動が終わってしまう。
しかも、幸奈とセレス様が入れ替わったこの状況で。
……駄目だ!
ここで異世界間移動を禁じられるわけにはいかない!
今だけは!
「……」
もちろん、今後もずっと点滅のままという可能性だってある。
放置しても問題ないかもしれない。
けど、そんなこと、あてにしていいのか?
なら……?
時間はあってないようなもの。
今この瞬間にも、取り返しのつかない事態になってしまうこともあり得る。
決断するなら早く。
使うなら、すぐじゃなきゃ効果がない。
露見の危険を消し去るには、魔眼にさらされる前に戻る必要がある。
魔眼で能力を視られたのは天幕の中、それとローンドルヌ大橋を渡っている最中。
つまり、その時間の前に戻れなければ遡行の意味なんてないんだ。
渡河からの経過時間は2時間に近づこうとしている。
1刻(2時間)の遡行で渡河前に戻れるのは、これからの数分だけ。
いや、数分だってあやしい。
既にギリギリかもしれない。
とにかく。
遡行するなら今、この場面!
ただ……。
これまでに時間遡行を使ったのは、生死に関わる時だけだった。
今回は人の生死がかかっている場面じゃない。
ここで使っていいものなのか?
神様から貰った超常の力を?
分からない。
が、それでも……。
異世界間移動を禁じられることは、俺にとっては死んだも同じ。
だったら。
もう!
使うしかない!
覚悟を決めろ!
「……時間遡行!」
あの奇妙な感覚が身体を覆い尽くしてくる。
間違いなく発動している。
問題は遡行する先。
その時間。
「……」
感覚が戻ってきた。
視界も開け、景色が目の中に。
「……」
ここは?
今は?
目の前に見えるのはローンドルヌ河。
ローンドルヌの大橋梁。
多くの旅人が通行している。
「……」
俺が立っているのは北岸なのか?
南岸なのか?
喧騒に包まれているローンドルヌ大橋。
背後には陽光に照らされた街道。
大橋の周りにはレザンジュ兵。
どっちなんだ?
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