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第7章 南部編
食料庫
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時間的制約があるなら、奴は逃げることができない。
ここに留まって戦うしかない。
「その通り!」
「これは、試す価値がありますよ! 次に対する時は、最初から雷撃と剣撃で一箇所集中攻撃を全力で仕掛けてみましょう。それで、すぐに逃げないようなら、仮説の信憑性が高まります」
「うむ」
今はどうあがいても、半刻という時間では倒しきれないだろう。
が、それでも。
その仮説が正しいと分かれば!
「あとは、そう……やはり弱点を見つけ出したい。半刻以内に倒すにしても、今のままでは難しいからな」
「そうですね。逆鱗のような弱点が見つかるかもしれませんし」
あいつの眼と口を攻撃しても上手くいかなかった。
となると、弱点があるのかは微妙だが。
「私が思いつくのは、これくらいだな。君は?」
「こちらの攻撃力を上げたいですね」
「……訓練でもするつもりか?」
「ええ。時間ならありますので訓練したいと思います」
「うむ……、戦闘以外の空き時間に訓練するのも悪くない」
そう思ってくれるなら。
「訓練、実戦。そして、闇壁の破壊に挑戦。これで進めましょう」
「了解だ」
ということで方針は決まった。
斬新なものではないが、今はこれを続けるだけだな。
「ふふ、さっそく現れたようだぞ」
拠点近くの空間が歪み始めている。
「まずは、あいつの時間に制約があるか。その確認を」
「うむ」
徐々に大きくなる歪み。
その中から現れたのは……。
怪物じゃない!?
複数の人影?
あれはレザンジュ兵?
兵士の亡骸?
「……」
「……」
怪物は……姿を見せなかった。
「食料ということか?」
「……おそらく」
ここに現れたレザンジュ兵の遺体は、あいつの食料なんだろう。
スキルに貯蔵庫と明記されていたからな。
「魔物の遺骸も、レザンジュ兵も……」
「そして、我々も」
「……」
「あいつにとっては単なる食材なんでしょうね」
「この異界を食料庫として使っている?」
「ええ」
間違いない。
「ふざけた怪物だな」
「それだけの力を持っているってことですよ」
「……うむ。超常の異界を創造できるのだ。おかしくはないか」
そう。
不思議なことじゃない。
人が牛や豚を食べるのと同じ感覚のはずだ。
「そういうことなら……食材に反抗されて、さぞ立腹しているだろうな」
「怒り心頭だと思いますよ」
「ふふ、そのような顔をしておったわ」
竜もどきの表情は分からないが、そんな気もする。
とまあ、それはさておき。
「魔物はともかく、兵士の亡骸を放置したくはないですね」
「うむ。埋葬するか」
「ええ、不毛の地ではありますが、安らかに眠ってもらいましょう」
鉄錆色の地面にいくつもの穴を掘り、レザンジュ兵全員の埋葬を完了。
数は多かったが、俺と剣姫ならそれほど時間はかからない。
「大量の食料消失を知ると、奴は怒るだろうな」
「ええ、怒りがさらに心頭です」
「その怒りに付け入る隙があるやもしれぬぞ」
「探ってみましょうか」
「うむ。タイミングよく現れてくれたからな」
埋葬が終わってまだ数分。
ちょうど良いところに現れてくれたよ。
「また食料を投げ入れるだけって可能性もありますけど」
少し先に見える歪んだ空間。
現れるのは、怪物か亡骸か?
ここで歪みが消え。
「グルゥオォォォ!!」
あいつだ。
エビルズピークの悪意が現れた!
けど。
あいつだけじゃない?
「グルゥ」
「グルル」
「グルゥゥ」
「オオォ」
4頭の分身を引き連れている。
「アリマ?」
分身のスキルは2頭までじゃ?
まさか、スキルのレベルが上がったと?
そういうことなのか?
ここに留まって戦うしかない。
「その通り!」
「これは、試す価値がありますよ! 次に対する時は、最初から雷撃と剣撃で一箇所集中攻撃を全力で仕掛けてみましょう。それで、すぐに逃げないようなら、仮説の信憑性が高まります」
「うむ」
今はどうあがいても、半刻という時間では倒しきれないだろう。
が、それでも。
その仮説が正しいと分かれば!
「あとは、そう……やはり弱点を見つけ出したい。半刻以内に倒すにしても、今のままでは難しいからな」
「そうですね。逆鱗のような弱点が見つかるかもしれませんし」
あいつの眼と口を攻撃しても上手くいかなかった。
となると、弱点があるのかは微妙だが。
「私が思いつくのは、これくらいだな。君は?」
「こちらの攻撃力を上げたいですね」
「……訓練でもするつもりか?」
「ええ。時間ならありますので訓練したいと思います」
「うむ……、戦闘以外の空き時間に訓練するのも悪くない」
そう思ってくれるなら。
「訓練、実戦。そして、闇壁の破壊に挑戦。これで進めましょう」
「了解だ」
ということで方針は決まった。
斬新なものではないが、今はこれを続けるだけだな。
「ふふ、さっそく現れたようだぞ」
拠点近くの空間が歪み始めている。
「まずは、あいつの時間に制約があるか。その確認を」
「うむ」
徐々に大きくなる歪み。
その中から現れたのは……。
怪物じゃない!?
複数の人影?
あれはレザンジュ兵?
兵士の亡骸?
「……」
「……」
怪物は……姿を見せなかった。
「食料ということか?」
「……おそらく」
ここに現れたレザンジュ兵の遺体は、あいつの食料なんだろう。
スキルに貯蔵庫と明記されていたからな。
「魔物の遺骸も、レザンジュ兵も……」
「そして、我々も」
「……」
「あいつにとっては単なる食材なんでしょうね」
「この異界を食料庫として使っている?」
「ええ」
間違いない。
「ふざけた怪物だな」
「それだけの力を持っているってことですよ」
「……うむ。超常の異界を創造できるのだ。おかしくはないか」
そう。
不思議なことじゃない。
人が牛や豚を食べるのと同じ感覚のはずだ。
「そういうことなら……食材に反抗されて、さぞ立腹しているだろうな」
「怒り心頭だと思いますよ」
「ふふ、そのような顔をしておったわ」
竜もどきの表情は分からないが、そんな気もする。
とまあ、それはさておき。
「魔物はともかく、兵士の亡骸を放置したくはないですね」
「うむ。埋葬するか」
「ええ、不毛の地ではありますが、安らかに眠ってもらいましょう」
鉄錆色の地面にいくつもの穴を掘り、レザンジュ兵全員の埋葬を完了。
数は多かったが、俺と剣姫ならそれほど時間はかからない。
「大量の食料消失を知ると、奴は怒るだろうな」
「ええ、怒りがさらに心頭です」
「その怒りに付け入る隙があるやもしれぬぞ」
「探ってみましょうか」
「うむ。タイミングよく現れてくれたからな」
埋葬が終わってまだ数分。
ちょうど良いところに現れてくれたよ。
「また食料を投げ入れるだけって可能性もありますけど」
少し先に見える歪んだ空間。
現れるのは、怪物か亡骸か?
ここで歪みが消え。
「グルゥオォォォ!!」
あいつだ。
エビルズピークの悪意が現れた!
けど。
あいつだけじゃない?
「グルゥ」
「グルル」
「グルゥゥ」
「オオォ」
4頭の分身を引き連れている。
「アリマ?」
分身のスキルは2頭までじゃ?
まさか、スキルのレベルが上がったと?
そういうことなのか?
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