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第7章 南部編
異なる世界 7
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<セレスティーヌ視点(姿は和見幸奈)>
駄目ね、私は。
ほんと。
何も変わっていない。
恥ずかしくなってしまう。
「……」
コーキさん。
幸奈さん。
ふたりとも、あっちで頑張っている。
大きな問題と向き合っている。
だったら、私も……。
そう。
もう沢山考えた。
いろいろ想像もした。
だから、今は。
私のできる最善を尽くそう。
怖がらず、私なりの和見幸奈として最善を。
ブルッ、ブルッ。
ブルッ、ブルッ。
決意を新たに座っていた私。
聞こえてきた振動音は?
「……」
テーブルの上の携帯電話が振動している。
父からの電話だ!
「っ!?」
一瞬の躊躇。
どうしても拒否反応が出てしまう。
身体がすくんでしまう。
でも、大丈夫。
拒否する心を抑えつけ。
「……はい」
「今から地下室に来なさい」
いきなり、その一言。
退院したばかりの娘に。
「どうした?」
断ってやりたい。
けれど、それは電話ではなく。
「返事は?」
「……分かりました」
直接だ!
折れそうになる幸奈さんの心を奮い立たせ、震える脚を引きずり、地下へと身体を動かす。
「……」
仄暗く不気味な地下への階段。
その階段に足を踏み入れると、私の頭の中に知識として存在していたこれまでの経験が生々しく色づき!
恐怖となって胸に迫ってきた!
「!?」
幸奈さんの心が激しく動揺を?
また怯え出している!
「っ!」
身体の震えを何とか抑え。
幸奈さんの恐怖をなだめながら、階段を下りる。
そして……到着。
地下室の扉前に到着した。
「……」
この扉の向こうに、父がいる。
私は、幸奈さんは……。
怯えが完全に消えたわけじゃない。
でも、ここからだ。
心を強く持って!
「……幸奈です」
「入りなさい」
「……はい」
扉をくぐり抜けて足を踏み入れた先。
和見家の地下室は。
「……」
陰鬱な空気。
鼻をつく独特の匂い。
そして……。
あの、おぞましい浴槽。
その浴槽が目に入った途端。
「!?」
怖気が走り、総毛立つ身体。
さっきの階段どころじゃない。
身も心も恐慌をきたしている。
身体の自由が利かない。
まるで自分の身体でないかのように。
身体が、幸奈さんが、どうしようもなく恐怖を感じている!
「いつまでそんなところに立っている」
「……」
入り口で立ち尽くしている私に、厳しくなる父の声。
「こっちに来るんだ」
「……」
無理やり足を進め、父の前へ。
駄目ね、私は。
ほんと。
何も変わっていない。
恥ずかしくなってしまう。
「……」
コーキさん。
幸奈さん。
ふたりとも、あっちで頑張っている。
大きな問題と向き合っている。
だったら、私も……。
そう。
もう沢山考えた。
いろいろ想像もした。
だから、今は。
私のできる最善を尽くそう。
怖がらず、私なりの和見幸奈として最善を。
ブルッ、ブルッ。
ブルッ、ブルッ。
決意を新たに座っていた私。
聞こえてきた振動音は?
「……」
テーブルの上の携帯電話が振動している。
父からの電話だ!
「っ!?」
一瞬の躊躇。
どうしても拒否反応が出てしまう。
身体がすくんでしまう。
でも、大丈夫。
拒否する心を抑えつけ。
「……はい」
「今から地下室に来なさい」
いきなり、その一言。
退院したばかりの娘に。
「どうした?」
断ってやりたい。
けれど、それは電話ではなく。
「返事は?」
「……分かりました」
直接だ!
折れそうになる幸奈さんの心を奮い立たせ、震える脚を引きずり、地下へと身体を動かす。
「……」
仄暗く不気味な地下への階段。
その階段に足を踏み入れると、私の頭の中に知識として存在していたこれまでの経験が生々しく色づき!
恐怖となって胸に迫ってきた!
「!?」
幸奈さんの心が激しく動揺を?
また怯え出している!
「っ!」
身体の震えを何とか抑え。
幸奈さんの恐怖をなだめながら、階段を下りる。
そして……到着。
地下室の扉前に到着した。
「……」
この扉の向こうに、父がいる。
私は、幸奈さんは……。
怯えが完全に消えたわけじゃない。
でも、ここからだ。
心を強く持って!
「……幸奈です」
「入りなさい」
「……はい」
扉をくぐり抜けて足を踏み入れた先。
和見家の地下室は。
「……」
陰鬱な空気。
鼻をつく独特の匂い。
そして……。
あの、おぞましい浴槽。
その浴槽が目に入った途端。
「!?」
怖気が走り、総毛立つ身体。
さっきの階段どころじゃない。
身も心も恐慌をきたしている。
身体の自由が利かない。
まるで自分の身体でないかのように。
身体が、幸奈さんが、どうしようもなく恐怖を感じている!
「いつまでそんなところに立っている」
「……」
入り口で立ち尽くしている私に、厳しくなる父の声。
「こっちに来るんだ」
「……」
無理やり足を進め、父の前へ。
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