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第6章 移ろう魂編
救出計画
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<ヴァーンベック視点>
「お分かりでしょ!」
「……」
「セレスティーヌ様の無事を何より願ったから。もちろん、ワディンの地のためにも。辺境伯様はそう考えられたはずです」
「……分かっております」
「分かっているのに、その御命を粗末に扱われると?」
「……それでも。それでも、私は諦めることはできません! 命を粗末にするつもりも!」
「御意志は固いのですね?」
「ええ」
「そうですか……」
「ディアナ、ユーフィリア、あなたたちの考えに反してまで付き合わせる気はないのです。もし、この計画に反対なら、その時はここを離れて……」
「セレス様!」
おっ!
ユーフィリアの表情が変わったぞ。
「その御意志、承りました。ならば、私の道もひとつです」
「ユーフィリア?」
「私はセレス様から離れるつもりはありません。ディアナも同じ気持ちのはずです」
「ええ、セレス様のお考えを確認できましたから。護衛である我らは従うのみです」
「ディアナも……」
なるほど。
そういうことかよ。
こいつら、カッコイイじゃねえか!
「ふたりとも、よいのですか?」
「はい」
「もちろんです。ですが、これから救出計画を立て、その実現可能性をよく考えてください。あまりに実現可能性が低い場合は再考をお願いせねばなりませんので」
それがいい。
無謀過ぎる作戦なんて、バカのすることだからな。
場合によっては、撤退すべきだ。
「分かりました。……ディアナ、ユーフィリア、シア、アル、ありがとう」
「いえ」
「当然です」
「頭をお上げください」
「……」
4人全員が賛成か。
となると。
しゃあねえな。
「じゃあ、まずは詳しい情報を集めないといけませんね」
「ヴァーンさん、あなたも?」
「もちろんですよ。俺だけ除け者は嫌ですって」
「ヴァーンさん……」
「セレス様。ヴァーンの言う通り、まずは情報を集めましょう。それと並行して、ワディンの者を集める必要があります。カーンゴルム周辺にはそれなりの数の味方がいるはずですから」
「ええ、そうですね」
「情報を集め、人数を集めれば、成功の可能性も高まります」
ああ、その通りだぜ。
問題は、ワディンの者がどれだけ集まるかだな。
ワディン辺境伯を救出する!!
これまで誰もはっきりと口に出すことはなかったものの、おそらく内心では皆が考えていたことなんだろう。
だからこその皆の動き、行動力!
納得はできるんだが……。
さすがに、これは想像以上だったぜ。
皆がカーンゴルムとその周辺を駆けずり回り情報を集め、味方を探し、また情報を集める。
そんな時間を数日続けただけで、準備を終えてしまったんだからよ。
まっ、早くて悪いことはねえ。
特に、今回のような場合はな。
で、肝心の辺境伯様。
カーンゴルムの黒晶宮に幽閉されていると思っていたら。
なんと、この王都にはいないんだ。
カーンゴルムを出て馬車で半日ほどの距離にある西の離宮。
瑠璃離宮にいるらしい。
警備の厳しい黒晶宮ではなく離宮での幽閉。
しかも、離宮の警備の人員は通常のまま。
警戒している様子もまったく見えねえ。
「……」
どういうこった?
ワディンの者が辺境伯を救出に来るなんて考えてもいないのか。
侮ってんのか。
辺境伯の存在を重視していねえのか。
それとも他に……。
「それでは、明後日の未明に決行いたします。皆さん、問題はありませんか?」
「「「「「「「「はっ」」」」」」」」
っと、時間が決まったみたいだな。
「セレスティーヌ様のお言葉通り、決行は明後日の深夜から早朝になる。だが、各自昼にはカーンゴルムを出て瑠璃離宮に向かうように。現地での集合時間は12刻だからな」
「「「はっ」」」
今この部屋にいるのは俺たち6人だけじゃない。
俺たち以外に、ワディン出身の者が4人集まっている。
今喋っていたのはその内のひとり。
去年退役したばかりの元ワディン騎士。
ワディン軍部の重鎮でもある老騎士だ。
しっかし、この爺さん。
現役にしか見えないぞ。
腕も立ちそうだな。
横にいる現役の3人より強いんじゃねえか。
この爺さんだけでも、大きな戦力になりそうだ。
でもな、今回加わった仲間はこれだけじゃないんだぜ。
ここ数日でディアナとユーフィリアが探してきた同朋。
その数、なんと約100名!
さらに、まだ増える可能性も充分。
驚きの人数だよな。
この100人がいれば、成功の可能性はかなり高くなる。
瑠璃離宮で厳戒態勢が敷かれているなら話も違うが、あの警備だからな。
希望も溢れてくるってもんだ。
それは皆の顔つきにも表れている。
数日前までとは大違いだぜ。
「ワイルズ、瑠璃離宮までは一緒に行動しないのですね」
「この人数が一斉に動くと目立ちますからな」
「そうですね。分かりました。それでは、私たちはこれまで通り6人で行動します」
「いえ、セレスティーヌ様には、こちらから数名護衛をつけたいと思っております」
「……分かりました」
「それでは、明日までしっかりと体調を整えておいてください。救出後は状況を見てワディンに向かうことになりますので」
ということで、今日はこれで解散。
明日の12刻に現地で再集合だな。
「お分かりでしょ!」
「……」
「セレスティーヌ様の無事を何より願ったから。もちろん、ワディンの地のためにも。辺境伯様はそう考えられたはずです」
「……分かっております」
「分かっているのに、その御命を粗末に扱われると?」
「……それでも。それでも、私は諦めることはできません! 命を粗末にするつもりも!」
「御意志は固いのですね?」
「ええ」
「そうですか……」
「ディアナ、ユーフィリア、あなたたちの考えに反してまで付き合わせる気はないのです。もし、この計画に反対なら、その時はここを離れて……」
「セレス様!」
おっ!
ユーフィリアの表情が変わったぞ。
「その御意志、承りました。ならば、私の道もひとつです」
「ユーフィリア?」
「私はセレス様から離れるつもりはありません。ディアナも同じ気持ちのはずです」
「ええ、セレス様のお考えを確認できましたから。護衛である我らは従うのみです」
「ディアナも……」
なるほど。
そういうことかよ。
こいつら、カッコイイじゃねえか!
「ふたりとも、よいのですか?」
「はい」
「もちろんです。ですが、これから救出計画を立て、その実現可能性をよく考えてください。あまりに実現可能性が低い場合は再考をお願いせねばなりませんので」
それがいい。
無謀過ぎる作戦なんて、バカのすることだからな。
場合によっては、撤退すべきだ。
「分かりました。……ディアナ、ユーフィリア、シア、アル、ありがとう」
「いえ」
「当然です」
「頭をお上げください」
「……」
4人全員が賛成か。
となると。
しゃあねえな。
「じゃあ、まずは詳しい情報を集めないといけませんね」
「ヴァーンさん、あなたも?」
「もちろんですよ。俺だけ除け者は嫌ですって」
「ヴァーンさん……」
「セレス様。ヴァーンの言う通り、まずは情報を集めましょう。それと並行して、ワディンの者を集める必要があります。カーンゴルム周辺にはそれなりの数の味方がいるはずですから」
「ええ、そうですね」
「情報を集め、人数を集めれば、成功の可能性も高まります」
ああ、その通りだぜ。
問題は、ワディンの者がどれだけ集まるかだな。
ワディン辺境伯を救出する!!
これまで誰もはっきりと口に出すことはなかったものの、おそらく内心では皆が考えていたことなんだろう。
だからこその皆の動き、行動力!
納得はできるんだが……。
さすがに、これは想像以上だったぜ。
皆がカーンゴルムとその周辺を駆けずり回り情報を集め、味方を探し、また情報を集める。
そんな時間を数日続けただけで、準備を終えてしまったんだからよ。
まっ、早くて悪いことはねえ。
特に、今回のような場合はな。
で、肝心の辺境伯様。
カーンゴルムの黒晶宮に幽閉されていると思っていたら。
なんと、この王都にはいないんだ。
カーンゴルムを出て馬車で半日ほどの距離にある西の離宮。
瑠璃離宮にいるらしい。
警備の厳しい黒晶宮ではなく離宮での幽閉。
しかも、離宮の警備の人員は通常のまま。
警戒している様子もまったく見えねえ。
「……」
どういうこった?
ワディンの者が辺境伯を救出に来るなんて考えてもいないのか。
侮ってんのか。
辺境伯の存在を重視していねえのか。
それとも他に……。
「それでは、明後日の未明に決行いたします。皆さん、問題はありませんか?」
「「「「「「「「はっ」」」」」」」」
っと、時間が決まったみたいだな。
「セレスティーヌ様のお言葉通り、決行は明後日の深夜から早朝になる。だが、各自昼にはカーンゴルムを出て瑠璃離宮に向かうように。現地での集合時間は12刻だからな」
「「「はっ」」」
今この部屋にいるのは俺たち6人だけじゃない。
俺たち以外に、ワディン出身の者が4人集まっている。
今喋っていたのはその内のひとり。
去年退役したばかりの元ワディン騎士。
ワディン軍部の重鎮でもある老騎士だ。
しっかし、この爺さん。
現役にしか見えないぞ。
腕も立ちそうだな。
横にいる現役の3人より強いんじゃねえか。
この爺さんだけでも、大きな戦力になりそうだ。
でもな、今回加わった仲間はこれだけじゃないんだぜ。
ここ数日でディアナとユーフィリアが探してきた同朋。
その数、なんと約100名!
さらに、まだ増える可能性も充分。
驚きの人数だよな。
この100人がいれば、成功の可能性はかなり高くなる。
瑠璃離宮で厳戒態勢が敷かれているなら話も違うが、あの警備だからな。
希望も溢れてくるってもんだ。
それは皆の顔つきにも表れている。
数日前までとは大違いだぜ。
「ワイルズ、瑠璃離宮までは一緒に行動しないのですね」
「この人数が一斉に動くと目立ちますからな」
「そうですね。分かりました。それでは、私たちはこれまで通り6人で行動します」
「いえ、セレスティーヌ様には、こちらから数名護衛をつけたいと思っております」
「……分かりました」
「それでは、明日までしっかりと体調を整えておいてください。救出後は状況を見てワディンに向かうことになりますので」
ということで、今日はこれで解散。
明日の12刻に現地で再集合だな。
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