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第5章 王都編
夕暮れ
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門をくぐり家に入っていく武志。
「……」
あの廃墟ビルの屋上から始まった一連の騒動も、これでようやく終了か。
そう思うと、ある種の達成感と安堵感のようなものが心の中に芽生えてくる。
そんな気がするな。
しかし……。
この和見家が異能の家門だったとはなぁ……。
武志が結界の異能持ちなのだから、和見家が異能の家門のひとつだったとしても不思議ではないんだけど。
それでも、何とも言えない微妙な感覚を抱いてしまう。
「……」
鷹郷さんの調べによると、和見家は数世代前までは定期的に異能者を輩出する有力な異能の家門だったそうだ。
ただ、ここ最近は全く異能者が出ることもなくなり、異能界からはその存在を忘れられるに至ったと。
それが和見家という家門らしい。
和見家は異能界隈においては無視されているような家門だったのに、そこに武志という強力な異能者が生まれたのだから。皮肉なもんだよ。
で、そんな現状の中でひとつ問題がある。
それは、この和見家の当主、幸奈と武志の父親だ。
事業で成功している裕福な和見家。
財界における力は侮れないものがあるらしい。
その和見家当主が経済的な成功より異能界での復権を願っている。
異能界での和見家の隆盛を取り戻す、それが和見家の悲願だと思っているようだ。
「……」
そんな父親に武志の異能を知られたら、どうなることか?
好い想像は浮かばないよな。
ああ、好くない未来しか見えない。
鷹郷さんも俺と同じ考えを持ったようで……。
とりあえず、しばらくの間は武志の異能については秘密にすることになったと。
そういうことだ。
ちなみに、武志の父親が異能に傾倒しているという事実は武志本人には伝えていない。
これも鷹郷さんが決めたこと。
「……」
まっ、異能に関しては専門家である鷹郷さんに任せるのが最善だろう。
それでも問題があるようなら、その時は……。
「ごめん、お待たせ」
和見家について色々と考えていると、いつの間にか幸奈が玄関から顔を出していた。
「……おう」
「今日はありがとうね」
「ああ、俺としても武志を無事に帰すことができて一安心だ」
「うん、良かった……。功己、本当にありがとう」
「もう感謝はいいぞ。それで、幸奈は?」
体調はどうなんだ?
武志が戻ったことだし、少しは良くなって……。
顔色はあまり良くないな。
「……大丈夫」
「……」
そうは見えない。
「ホント、大丈夫だよ」
「なら、いいんだが……」
「功己、心配してくれるんだね」
「当然だろ」
「うん、ありがと」
顔色が良くは見えないとはいえ、幸奈自身が大丈夫と言っているんだ。
少しは良くなっているのかもしれない。
「……じゃあ、今日は武志とゆっくり過ごしてくれ。俺は帰るよ」
「待って」
「ん?」
「その、今時間あるかな?」
「ああ、空いてるけど」
この後、キュベルリアに戻るつもりだが。
今すぐ戻る必要はない。
「父さんが武志と話をしたいみたいだから、わたしは邪魔みたいなの。だから……ちょっとお茶でも行かない?」
「俺はいいけど、こんな時間から外に出てもいいのか?」
もう夕方だぞ。
今夜は家族そろって夕食なんじゃないのか?
「うん……。武志が帰ってきたから、わたしはいいの」
武志が帰ってきたから、幸奈は要らない。
そんなこと?
「だからさ、どうかな?」
「……そうか。なら、少し出かけるか」
「うん、うん、行こ!」
急遽カフェ行きが決定した。
和見の家に対しては、ちょっと思うところもあるが……。
今は幸奈に付き合うとしよう。
で、向かった先はいつもの珈紅茶館ではなく、幸奈が以前一度だけ行ったことがあるというおすすめのカフェ。
和見家からは結構離れた海岸沿いにあるコテージ風の趣のあるカフェだ。
着いた頃にはもう夕食時。
とはいえ、この季節の日は長い。
まだ外も明るいな。
そのせいか、店内には多くの客が楽しそうに席に座っている。
「この席でいいかな」
幸奈が選んだのは、2階にある隣に並んで座るタイプのソファー席。
周りはカップルばかりで、少し気恥ずかしいんだが。
「……ああ」
「ここ、いい席だよね」
「そうだな」
カフェの2階は、天井が高く広々とした空間に僅かな席が点在しているだけ。
なので、ゆったりとした気分でくつろげる。
さらに、このソファー席は海側に向いており、そちらは一面のガラス張り。
夏の海が一望できる。
素晴らしい眺めを楽しむという趣向だ。
「いい店だな」
「そうでしょ」
まだ何も飲んでないし食べてもいないが、この眺めだけでも充分。
そう思えてしまう。
やっぱり、幸奈のセンスは素晴らしいな。
俺とは違うよ。
「功己は何を頼むの?」
「こんな時間だし、何か軽く食べるか?」
「……わたしはやめとくよ。家に夕食あるから」
「少し遅くなるけど、いいのか?」
「……うん、今日はいい」
「そうか。なら、俺もコーヒーだけにするかな」
「えっ、気にしないで、功己は何でも食べてよ」
「いや、コーヒーだけでいい」
「……気を遣わせちゃったね」
「そんなことないぞ。まだ空腹じゃないからな。で、幸奈は何にする?」
「わたしは……わたしは紅茶にしようかな」
「了解」
注文を待っている間も、目は窓の外へ。
こうして雄大な海と空を眺めていると、時間がゆっくり流れているように感じられるな。
「……」
「……」
「……」
あの廃墟ビルの屋上から始まった一連の騒動も、これでようやく終了か。
そう思うと、ある種の達成感と安堵感のようなものが心の中に芽生えてくる。
そんな気がするな。
しかし……。
この和見家が異能の家門だったとはなぁ……。
武志が結界の異能持ちなのだから、和見家が異能の家門のひとつだったとしても不思議ではないんだけど。
それでも、何とも言えない微妙な感覚を抱いてしまう。
「……」
鷹郷さんの調べによると、和見家は数世代前までは定期的に異能者を輩出する有力な異能の家門だったそうだ。
ただ、ここ最近は全く異能者が出ることもなくなり、異能界からはその存在を忘れられるに至ったと。
それが和見家という家門らしい。
和見家は異能界隈においては無視されているような家門だったのに、そこに武志という強力な異能者が生まれたのだから。皮肉なもんだよ。
で、そんな現状の中でひとつ問題がある。
それは、この和見家の当主、幸奈と武志の父親だ。
事業で成功している裕福な和見家。
財界における力は侮れないものがあるらしい。
その和見家当主が経済的な成功より異能界での復権を願っている。
異能界での和見家の隆盛を取り戻す、それが和見家の悲願だと思っているようだ。
「……」
そんな父親に武志の異能を知られたら、どうなることか?
好い想像は浮かばないよな。
ああ、好くない未来しか見えない。
鷹郷さんも俺と同じ考えを持ったようで……。
とりあえず、しばらくの間は武志の異能については秘密にすることになったと。
そういうことだ。
ちなみに、武志の父親が異能に傾倒しているという事実は武志本人には伝えていない。
これも鷹郷さんが決めたこと。
「……」
まっ、異能に関しては専門家である鷹郷さんに任せるのが最善だろう。
それでも問題があるようなら、その時は……。
「ごめん、お待たせ」
和見家について色々と考えていると、いつの間にか幸奈が玄関から顔を出していた。
「……おう」
「今日はありがとうね」
「ああ、俺としても武志を無事に帰すことができて一安心だ」
「うん、良かった……。功己、本当にありがとう」
「もう感謝はいいぞ。それで、幸奈は?」
体調はどうなんだ?
武志が戻ったことだし、少しは良くなって……。
顔色はあまり良くないな。
「……大丈夫」
「……」
そうは見えない。
「ホント、大丈夫だよ」
「なら、いいんだが……」
「功己、心配してくれるんだね」
「当然だろ」
「うん、ありがと」
顔色が良くは見えないとはいえ、幸奈自身が大丈夫と言っているんだ。
少しは良くなっているのかもしれない。
「……じゃあ、今日は武志とゆっくり過ごしてくれ。俺は帰るよ」
「待って」
「ん?」
「その、今時間あるかな?」
「ああ、空いてるけど」
この後、キュベルリアに戻るつもりだが。
今すぐ戻る必要はない。
「父さんが武志と話をしたいみたいだから、わたしは邪魔みたいなの。だから……ちょっとお茶でも行かない?」
「俺はいいけど、こんな時間から外に出てもいいのか?」
もう夕方だぞ。
今夜は家族そろって夕食なんじゃないのか?
「うん……。武志が帰ってきたから、わたしはいいの」
武志が帰ってきたから、幸奈は要らない。
そんなこと?
「だからさ、どうかな?」
「……そうか。なら、少し出かけるか」
「うん、うん、行こ!」
急遽カフェ行きが決定した。
和見の家に対しては、ちょっと思うところもあるが……。
今は幸奈に付き合うとしよう。
で、向かった先はいつもの珈紅茶館ではなく、幸奈が以前一度だけ行ったことがあるというおすすめのカフェ。
和見家からは結構離れた海岸沿いにあるコテージ風の趣のあるカフェだ。
着いた頃にはもう夕食時。
とはいえ、この季節の日は長い。
まだ外も明るいな。
そのせいか、店内には多くの客が楽しそうに席に座っている。
「この席でいいかな」
幸奈が選んだのは、2階にある隣に並んで座るタイプのソファー席。
周りはカップルばかりで、少し気恥ずかしいんだが。
「……ああ」
「ここ、いい席だよね」
「そうだな」
カフェの2階は、天井が高く広々とした空間に僅かな席が点在しているだけ。
なので、ゆったりとした気分でくつろげる。
さらに、このソファー席は海側に向いており、そちらは一面のガラス張り。
夏の海が一望できる。
素晴らしい眺めを楽しむという趣向だ。
「いい店だな」
「そうでしょ」
まだ何も飲んでないし食べてもいないが、この眺めだけでも充分。
そう思えてしまう。
やっぱり、幸奈のセンスは素晴らしいな。
俺とは違うよ。
「功己は何を頼むの?」
「こんな時間だし、何か軽く食べるか?」
「……わたしはやめとくよ。家に夕食あるから」
「少し遅くなるけど、いいのか?」
「……うん、今日はいい」
「そうか。なら、俺もコーヒーだけにするかな」
「えっ、気にしないで、功己は何でも食べてよ」
「いや、コーヒーだけでいい」
「……気を遣わせちゃったね」
「そんなことないぞ。まだ空腹じゃないからな。で、幸奈は何にする?」
「わたしは……わたしは紅茶にしようかな」
「了解」
注文を待っている間も、目は窓の外へ。
こうして雄大な海と空を眺めていると、時間がゆっくり流れているように感じられるな。
「……」
「……」
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