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第1章 オルドウ編
序6
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決勝戦。
今までの試合と同じように、ぼくは旗の横で守っている。
リーナとオズは左右から相手に向かって走り出す。
2人とも投げられた魔球をさけたり、石の壁にかくれたり、やっぱりすごい動きだ。
よし、リーナが左にいる相手ひとりに魔球を当てて倒したぞ。
オズも右の相手を倒したんだけど…。
「くそっ」
相手の魔球がオズに当たってしまい、退場になってしまった。
くやしそうに試合場から出て行くオズ。
「あとは任せたぞ」
「うん」
「分かったわ」
こちらはリーナと2人、相手は1人。
きっと、勝てる。
「行くわよ」
リーナが左にある石の壁を出て相手の旗に向かっていく。
相手は右の壁の後ろ。
リーナの方がはやい。
勝ったぞ。
と思ったのに……。
「えっ!?」
手が旗に届く直前、リーナに魔球が当てられてしまった。
まだはなれていたのに。
リーナはよけることもできなかった。
ちがう。
リーナはよけたけど、魔球が少しだけ曲がってリーナに当たったんだ。
変化したんだ。
すごい。
そんなことができるの?
魔力を使えば?
「コーキ、任せたわよ」
「コーキ、なんとかしろ! 頑張れ!」
退場していくリーナ。
試合場の外から声をかけてくるオズ。
オズがぼくを応援している。
うん、やるよ。
ぼくにできるかどうか分からないけど、がんばってみる。
今、相手は右の壁の後ろにいる。
まだ動かない。
魔球を投げるか、旗を手にするか迷っているみたいだ。
あの人の動きにぼくが勝てるとは思えない。
だったら、ここから魔球を投げて当てるしかないぞ。
でも、魔力を上手く使わないとあそこまでは届かない。
それに壁の後ろにいるし。
「……」
やるしかない。
初めてだけど、やってやるぞ。
ゆっくりと魔力を魔球に流してみる。
魔力、魔力……きっとぼくにもある。
流れろ魔力!
「……」
これでいいのかな?
でも、多分……こんな感じかな。
そして、そして、投げる!!
相手のかくれている石壁の右の方に魔球が飛んで行く。
「それじゃ、当たらないわ」
「残りの魔球は少ないぞ。むだにするな」
リーナとオズの声が聞こえてくる。
でも、そんなことより。
集中。
集中だ!
今までの試合と同じように、ぼくは旗の横で守っている。
リーナとオズは左右から相手に向かって走り出す。
2人とも投げられた魔球をさけたり、石の壁にかくれたり、やっぱりすごい動きだ。
よし、リーナが左にいる相手ひとりに魔球を当てて倒したぞ。
オズも右の相手を倒したんだけど…。
「くそっ」
相手の魔球がオズに当たってしまい、退場になってしまった。
くやしそうに試合場から出て行くオズ。
「あとは任せたぞ」
「うん」
「分かったわ」
こちらはリーナと2人、相手は1人。
きっと、勝てる。
「行くわよ」
リーナが左にある石の壁を出て相手の旗に向かっていく。
相手は右の壁の後ろ。
リーナの方がはやい。
勝ったぞ。
と思ったのに……。
「えっ!?」
手が旗に届く直前、リーナに魔球が当てられてしまった。
まだはなれていたのに。
リーナはよけることもできなかった。
ちがう。
リーナはよけたけど、魔球が少しだけ曲がってリーナに当たったんだ。
変化したんだ。
すごい。
そんなことができるの?
魔力を使えば?
「コーキ、任せたわよ」
「コーキ、なんとかしろ! 頑張れ!」
退場していくリーナ。
試合場の外から声をかけてくるオズ。
オズがぼくを応援している。
うん、やるよ。
ぼくにできるかどうか分からないけど、がんばってみる。
今、相手は右の壁の後ろにいる。
まだ動かない。
魔球を投げるか、旗を手にするか迷っているみたいだ。
あの人の動きにぼくが勝てるとは思えない。
だったら、ここから魔球を投げて当てるしかないぞ。
でも、魔力を上手く使わないとあそこまでは届かない。
それに壁の後ろにいるし。
「……」
やるしかない。
初めてだけど、やってやるぞ。
ゆっくりと魔力を魔球に流してみる。
魔力、魔力……きっとぼくにもある。
流れろ魔力!
「……」
これでいいのかな?
でも、多分……こんな感じかな。
そして、そして、投げる!!
相手のかくれている石壁の右の方に魔球が飛んで行く。
「それじゃ、当たらないわ」
「残りの魔球は少ないぞ。むだにするな」
リーナとオズの声が聞こえてくる。
でも、そんなことより。
集中。
集中だ!
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