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第1章 オルドウ編

序4

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「お前だ、お前」

 ぼくの前には、金色の髪の男の子?
 その後ろにいるのは、赤い髪の女の子。

「ぼく?」

「そう言ってるだろ」

「な、何?」

 ぼくの知らない世界で知らない人が話しかけてくるって。
 どうして?

「こっちに来い、おれたちのメンバーに入れてやるから」

「……」

 何のこと?
 もう、何が何だか分からない。
 日本ならすぐに断ったかもしれないけど、ここはぼくの知らない世界。
 困ったまま黙っていると、手を引いてつれて行かれてしまった。

「おれとリーナとお前の3人で、これから魔球合戦に出るからな」

「まきゅうがっせん?」

 それ何?
 ぼくも出るって?

「なんだ、お前それも知らないのか?」

「……」

 知るわけないよ。
 ここに来たばかりなのに。
 ていうか、この子、さっきからエラそうだよ。
 なんかちょっと腹が立ってきたぞ。

「どうする、リーナ?」

「今から他のメンバーを見つけるのは無理よ。まあ、わたしは参加しなくてもいいんだけど」

「仕方ない。ルールを説明してやるか」

「そうね」

 ぼくは出るって言ってないんだけど。

「あなた、名前は?」

「こうき……です」

「コーキね。わたしはリーナで、こっちはオズ。よろしくね」

「……よろしく」

「それで、オズのわがままに付き合ってもらうことになるのだけど、一緒に魔球合戦に参加してもらえないかしら?」

 このリーナって赤い子はちゃんと話してくれるし、ぼくの考えも聞いてくれる。
 オズっていう金の子とは大ちがいだ。
 でも。

「……それ知らないんだけど」

「それは大丈夫。簡単だし今から説明もするから、ね」

 そう言って笑顔を見せてくれる。
 この子と一緒なら、まあ人助けだと思って…あっそうか、これがクエストになるのかも。
 だったら、やるしかないのかな。

「分かった。やるよ」

「ありがと。ところで、コーキの年齢は12歳より下よね?」

「そうだけど」

「それなら問題ない。今回の魔球合戦は12歳以下限定だからな」

 そうなんだ。

「では、簡単にルールを説明するわね。魔球合戦というのは、敵と味方で3人ずつに分かれて行うもので、敵を全員倒すか敵の旗を奪ったら勝ちという試合なの」

「敵を倒すには、魔球を投げて敵に当てればいい。それで倒したことになる」

「オズの言う通りよ。ここまでは分かる?」

「まきゅうって何?」

「ほら、あそこにあるでしょ。あの魔力のこもった球のことよ。上手く投げるにはコツがいるのだけど、今からだと無理ね。コーキは普通に投げるだけでいいわ」

 少しはなれた所に野球やテニスのボールと同じくらいの大きさの球がたくさんある。
 あれがそうなんだ。

「コツはな、自分の魔力を魔球に通して投げることだ。お前も魔力はあるだろうから、試してみればいい」

 まりょくって、魔法の力のことだよね。
 できるのかな?

 でも、魔力って……。


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