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#3 上座と下座
しおりを挟むアレめんどくさいよね。普通に判り辛いわ。
――
「う、うむ。それでは気を取り直して会談を――」
「いやいやいや待って待って待って」
「……? す、済まぬ、その程度の椅子ではお気に召さなかっただろうか……」
「逆逆逆。違うって。いやどう考えても逆やってこれ」
「えぇ……?」
「えぇ……?」
思わず突っ込むわオウム返しするわしてしまったがこれはどう考えても俺が正しい。……だよな?
「なんで俺がこんな玉座みたいなのに座ってそっちが地べたなん?」
「えぇ……?」
「えぇ……?」
あれ? もしかして俺がおかしい? 地球の常識通用しないやつこれ?
「あ、あの……とりあえず席換わってもらって良いですか……?」
「……妾に死ねと?」
「んーそのレベルかー」
まずいですよこれは。貞操逆転とかそういう類の代物でしてよ。
「あ、いや、死ねと仰るならその通りにいたしますがその前に私のお話だけでも聞いていただけないでしょうかすみませんどうかお願いします何でもしますから……」
「ん? ――――じゃないじゃないじゃないあーいやこの椅子最高だなーいや完璧ですほんとにもうフッカフカですよフッカフカ! 是非とも座らせてくださいお願いします何でもしますから!!」
「そ、そうか、気に入っていただけたか。良かった……」
いやーホッとした感じもほんとに可愛いなー。…………なんで自分よりよっぽど高位な存在を下座にさせる為になんでもせなあかんねんおかしいやろこの世界……。
あ、ここ異世界やったわ。
――
「そ、それでは今度こそ気を取り直して。会談をお願いできるじゃろうか、主様」
「アッハイ。オネガイシマス」
落ち着かねぇ……。ガチでとんでもなくふっかふかでくっそ良い匂いするのに全っ然落ち着かん……。所詮は一般庶民の俺がなんでこんな……。これがほんとの針の筵というやつですねわかります。
――――――。
――――。
――んん?
「あ、あの」
「なんじゃろう? 主様」
至極当然のように言ってのけてくれるは頭を垂れ、見下ろす先では片膝をつき、こちらの様子をうやうやしく伺ってくれるのじゃ(偽)ロリドラゴン幼女様。可愛いね。これ以上は俺の常識と精神が持たんぞ。
「ア、アルジサマとは? アルマジロか何か?」
「あるまじろが何かは存じ上げませぬが……。無論、我ら竜人族の主、ということです」
「どちら様が?」
「……? あなた様ですが……」
「……」
「……」
え、マジで言っちゃってんのこの子。ちょっと待って宗教勧誘とかおじさん怖い。あとのじゃキャラ普通にボロ出てんぞ。
「…………や、あの、それは流石に――」
「やはり私の命を捧げないと一族の主と仰がせては下さらな――」
「あーやっぱり良い響きだなぁアルジサマ! 素晴らしい! 感動した! 俺が! この俺が! アルジサマだ!! 最高に『ハイ!』ってやつだアアアアアアハハハハハハハハハハーッ!」
「そ、そうか、気に入っていただけたか。良かった……」
いやもうそんな愛くるしい形(なり)して涙浮かべて死にます宣言とかズルイやろそらなんだってしちゃりますわほんま。
あとせめてちょっとくらいつっこんでください しんでしまいます
「では主様。御承諾いただけたところで今後の子作りに関してなんじゃが」
ちょっと奥さん、この子わざとやってません?
あともうのじゃキャラやめろ。
――
「す、すみません。皆の前でなら慣れているので普通にできるんですが……」
「ふぉーん」
「うっ……」
それ多分ボロ出るのも含めて皆さんが慣れてるってことじゃないですかね。まあでもさっきのマジで必死な時はしっかり出来てたから普段はほんとにあんな感じなのかもしれん。もしくは会議とかデカいイベントの時ならしっかりできるとか。追い詰められないと実力発揮しないタイプと見た。
そういえば――、
「そもそもなんでたまたま俺を見つけられたんですか? 結構なんもない草原だったと思うんですけど」
「」
「もしもーし?」
「ちょ、ちょっと息抜きに兎狩りを……」
「…………」
「…………」
息抜きにあのバケモノ兎を狩りって戦国時代の武士か何かかな?
てかそれ外回り行ってきまーす、つっといてパチンコ行ったり漫喫行ったり駐車場で寝てたりするやつじゃねーか。人それをサボりという。こらもう確定だな。
「夏休みの宿題とか最後の1日で一気にやろうとするタイプ?」
「な、なぜそれを!?」
「…………」
「…………」
「あ、僕もです」
「威厳が……尊厳がぁ……」
「大丈夫、最初っからなかったよそんなもん」
「ぐっふぅ」
エロさと可愛さと美と神々しさとポンコツしかないよ。ていうか今更だけど服着てる方がエロくない? この子。ほぼすっけすけで面積極狭なんですけどロケット貧乳も最高かよ殆ど見えてますやん。あと竜人族にも夏休みとか宿題とかあるんですね、勉強になるなぁ。
――――じゃなくて。じゃなくてだな。話が進まんぞ。
「えーっろ…………違う。えーっと……、そろそろお話伺わせていただいても?」
「あ、えと……はい。ど、どうぞ……」
「んじゃまずこの世界――」
「――あ、あのっ」
「んんっ。……な、なんでしょう?」
「わ、私、その、あの…………エロい、ですか……?」
「当たり前だろ何言ってんだブチ犯すぞ」
「ふっぎゅ♡♡♡」
ぷしっ♡ ぷじゅ♡ ぴゅっぴゅ♡
おぉーっとのじゃ(止)ろりドラゴン幼女様たったこれだけでクリティカルヒットぉ! 顔面から突っ伏して潮まで吹いてイってしまったー! いくらなんでもクソザコすぎる!! そこにシビれる! あこがれ……はせんな。これは今後の躾け(意味深)にも気合が入りますねー。
…………マジ? 色々重なって頭バグって思わず口をついたとはいえ流石にドMすぎひん?
「あの、大丈夫ですかね……?」
「ひっ♡ へひっ♡ ひゃい♡ ら、らいじょぅぶれすぅ♡♡ のぉっほぉ♡♡♡」
(アカン、目がイっちゃってる……)
教えてくれごひ……俺はいつになったら話を聞けるんだ……このクソザコロリ雌ドラゴンは何も教えてくれない……。
いやほんといつになったら話進むんだよいい加減にしろ。
――
ほんまに話全然進んでへんやんけいい加減にしろ。この娘の名前すら出てないんですけどどういうことなの……許して……許してクレメンス……。
明日も更新したい乞わぬご期待。
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