475 / 528
第五部 『帝国』編
470 「様々な人との再会(2)」
しおりを挟む
「無理、なのか?」
「まだ半々な感じです。行くだけなら、妨害がなければ、ただ空飛べば着けると思います」
「だが、この世界の人でも、中に入ったやつは殆どいないって噂だぞ。その辺の策は何かあるんだろ」
「はい。多少目処はあります。まだ確定じゃないし、足りないかも、ですけど」
「流石だな。で、妨害って?」
「今日襲ってきた魔物のボスが、塔に入る為の鍵になるアイテムを狙ってきてるんですよ。しかも、オレ達が『帝国』に居る頃から」
「そいつらが追いかけてくるのか」
「1体は、中核だけになるまで潰したから流石に簡単に復活はないと思いますけど、もう1体いますからね」
「なっ! 上級悪魔が2体も!」
「いえ、その上の魔将クラスが2体。上級悪魔は取り巻きに2体いましたけど、今日の魔物の大群の中にも他に何体か居たんじゃないかな?」
「なに怖い事を平気な顔で話してんだよ」
「魔将クラスの奴は、ノヴァでも一戦してますから」
「……呆れてものも言えんな」
二人が完全に絶句してしまった。
多少は非常識な強さの連中と戦っている自覚はあったけど、ここまでとは思えない。
けど、呆れられっぱなしなのもまずい気がするので、ここは方向転換するべきだろう。
「そ、それより、『帝国』軍の大艦隊にオレ達の状況を知らせたのって、ジョージさん達なんですか?」
「オレ達と言うより、マリアさんだ。兄弟達の行動聞いて、『帝国』の商館に兄弟達の知人って事で話通して、ゴード将軍への紹介状を書いてもらったんだ」
「マリアさん、ハルカさんには結構過保護だからな」
そう言ってレンさんが苦笑する。
三月に一回ペースで会っていたと言うのだから、確かにそうだろう。
「もっとも、ゴード将軍は邪神大陸に飛び出して行った皇子様が気になって、後追いの準備を進めてたらしい。
ただ、兄弟達が地皇の聖地でハルカさんの治癒をするって話は全然知らなかった」
「マーレス殿下にしか話してませんからね」
「そうなのか。まあそれで、短時間の巡礼ならともかく、長時間聖地に居れば魔物が動くと考えて、引き連れられるだけの兵力で慌てて飛び出したってところだな」
「なるほど。有難うございました。このタイミングで援軍が無かったら、マジでやばかったです」
「そこまで?」
「もう、殿(しんがり)残して逃げようかって話にまでなってましたから」
「兄弟達の冒険は、いつも綱渡りだな。マジ気を付けろよ」
「だが、おかげで良い狩りが出来たぞ!」
ジョージさんの言葉に返そうとしたところで、元気なおっさんの声。
空軍元帥だ。
お供を連れて、のしのしと機嫌よく近づいてくる。
それに取り敢えず頭を下げる。
「空軍元帥。本当に助かりました」
「ヨイヨイ。それより、後を尾けるように来援してしまい申し訳ない。私は、ノヴァで会った時に話しても良いかと考えたのだが、そこの派手女が話すなビックリさせてやろうと計画段階で言いよってな。ノヴァですれ違ったおりも、話せなかった」
「アラ、わたくしのせい? まあ、かなりピンチだったみたいだし、話していればもう少しやりようがあったわよね。ゴメンなさいねハルカちゃん」
一歩遅れて近づいてきたのは火竜公女さんだ。相変わらず、イケメン2人をお供に連れている。
いつも自分の演出を忘れない人だ。
「私達も、こんな酷い状況になるとは予想もしてなかったから、事前に話されていたらむしろ来ないで下さいって言ってたと思うわ」
「アラ、ハルカちゃんらしい」
そう言ってコロコロと笑う。
やはり優雅というか、仕草が堂に入っている。
「こちらは火竜公女さん?」
そこにマリアさんが、二人のやりとりを前に一歩前に出た。
ちょっと火花を散らしそうな雰囲気がある。
まあ、ハルカさんが人気者という事だろう。オレはとばっちり回避のため不介入を貫いて、空軍元帥の接待に専念する。
「それで元帥、戦果はどうでしたか?」
「空戦も存分に出来たし、なかなかに面白い狩りだった。まあ欲を言えば、魔物が駆る竜騎兵に会えなんだ事くらいかな? 全部レナ少佐が喰ってしまったんだろう」
「昨日から連戦でしたからね。それに、1騎はボスごと逃げられました」
「辺境伯がボスを逃したのか。其奴、よほどの強者だな?」
「魔将クラスが2体でしたからね。マーレス第二皇子がいなかったら、確実に負けてました」
「魔将が2体?! 空以外では、私も会いたい相手ではないぞ。よく無事だったな。流石辺境伯だ。で、神々の塔へは?」
「行きますよ。魔物が攻めて来なければ、今朝立つ予定でした」
「それは良かった。なに、私達はただの見物人だ。私も昔は世界中旅して回ったが、ここ邪神大陸や神々の塔には行けず仕舞いだったからな。うん、聞きたかったのはそれだけだ。では、晩餐の祝勝会でまた!」
言いたいことだけ言うと去って行った。
隣では火竜公女さんと女子組の会話も終わるところだ。
そして、ジョージさん達がちょっと唖然としていた。
「兄弟、あんな有名人とタメなんだな」
「案外分かりやすいから、付き合いやすい人ですよ」
「そう言える肝の太さを俺は分けて欲しいよ」
レンさんがしみじみとコメントを添える。
添えられても困るし、分けることもできないけど、オレも知り合うまでは有名人に対して似たように思っていたものだ。
その後もオレは、ジョージさん、レンさんと雑談に興じたけど、女子達はルリさん、ハナさんが急いで準備したお風呂タイムとなった。
疲れたしスス臭いのを落としたいと思うのは人情だろう。オレ達男勢も、夕食までに烏の行水レベルながら風呂に入らされた。
そしてその間に、諸々の片付けに並行して、今夕も神殿前の広場で野外のワイルドな晩餐会となった。
けど今回は人数が多すぎるので、最初に来たオレ達とマーレス殿下達以外は、『帝国』の相応の身分の人達と『ダブル』が呼ばれていた。
『ダブル』は、ノヴァトキオでは騎士階級的な扱いなので、国対国の催しでは招待しないと『帝国』のような権威的な国では自分達の面子が立たないらしい。
なお、今回地皇の聖地まで来た『ダブル』は、『帝国』の冒険者ギルドから腕利きばかりが100名ほどが『帝国』の軍艦に便乗して来たそうだ。
ジョージさん達も同様で、ハーケンから20人ほどが駆けつけてくれていた。
だから合間合間に見知った顔に何人も会って、軽く挨拶なども交わしたりもした。
ノヴァからは、空母とも呼ばれる大型の空中巡行戦艦が1隻。オレ達の船よりも一回り大きく、しかもプロペラ推進の最新型、と言うよりノヴァ型だ。
こちらには疾風の騎士3、竜騎兵3、それに『ダブル』が諸々合わせて20名ほど。それに操船などをするノヴァ市民軍が30人ほど乗艦している。
一方で、マーレス殿下の部下は激減してしまったので、皮肉にもスペースは確保された。
ただ、『帝国』側も飛行船の軍艦10隻に分乗して総数で2000名以上、騎士だけで500人近く来ていたので、椅子やテーブルが全然用意できず、立食形式での簡単な晩餐だ。
まあ普通に立食パーティーでいいのだろう。
そして戦闘自体が、援軍側から見ると楽勝の勝ち戦、半ば囮となったオレ達とマーレス殿下達にとっては予期せぬ援軍による大勝利なので、夕食会は和やかで賑やかなものだった。
「まだ半々な感じです。行くだけなら、妨害がなければ、ただ空飛べば着けると思います」
「だが、この世界の人でも、中に入ったやつは殆どいないって噂だぞ。その辺の策は何かあるんだろ」
「はい。多少目処はあります。まだ確定じゃないし、足りないかも、ですけど」
「流石だな。で、妨害って?」
「今日襲ってきた魔物のボスが、塔に入る為の鍵になるアイテムを狙ってきてるんですよ。しかも、オレ達が『帝国』に居る頃から」
「そいつらが追いかけてくるのか」
「1体は、中核だけになるまで潰したから流石に簡単に復活はないと思いますけど、もう1体いますからね」
「なっ! 上級悪魔が2体も!」
「いえ、その上の魔将クラスが2体。上級悪魔は取り巻きに2体いましたけど、今日の魔物の大群の中にも他に何体か居たんじゃないかな?」
「なに怖い事を平気な顔で話してんだよ」
「魔将クラスの奴は、ノヴァでも一戦してますから」
「……呆れてものも言えんな」
二人が完全に絶句してしまった。
多少は非常識な強さの連中と戦っている自覚はあったけど、ここまでとは思えない。
けど、呆れられっぱなしなのもまずい気がするので、ここは方向転換するべきだろう。
「そ、それより、『帝国』軍の大艦隊にオレ達の状況を知らせたのって、ジョージさん達なんですか?」
「オレ達と言うより、マリアさんだ。兄弟達の行動聞いて、『帝国』の商館に兄弟達の知人って事で話通して、ゴード将軍への紹介状を書いてもらったんだ」
「マリアさん、ハルカさんには結構過保護だからな」
そう言ってレンさんが苦笑する。
三月に一回ペースで会っていたと言うのだから、確かにそうだろう。
「もっとも、ゴード将軍は邪神大陸に飛び出して行った皇子様が気になって、後追いの準備を進めてたらしい。
ただ、兄弟達が地皇の聖地でハルカさんの治癒をするって話は全然知らなかった」
「マーレス殿下にしか話してませんからね」
「そうなのか。まあそれで、短時間の巡礼ならともかく、長時間聖地に居れば魔物が動くと考えて、引き連れられるだけの兵力で慌てて飛び出したってところだな」
「なるほど。有難うございました。このタイミングで援軍が無かったら、マジでやばかったです」
「そこまで?」
「もう、殿(しんがり)残して逃げようかって話にまでなってましたから」
「兄弟達の冒険は、いつも綱渡りだな。マジ気を付けろよ」
「だが、おかげで良い狩りが出来たぞ!」
ジョージさんの言葉に返そうとしたところで、元気なおっさんの声。
空軍元帥だ。
お供を連れて、のしのしと機嫌よく近づいてくる。
それに取り敢えず頭を下げる。
「空軍元帥。本当に助かりました」
「ヨイヨイ。それより、後を尾けるように来援してしまい申し訳ない。私は、ノヴァで会った時に話しても良いかと考えたのだが、そこの派手女が話すなビックリさせてやろうと計画段階で言いよってな。ノヴァですれ違ったおりも、話せなかった」
「アラ、わたくしのせい? まあ、かなりピンチだったみたいだし、話していればもう少しやりようがあったわよね。ゴメンなさいねハルカちゃん」
一歩遅れて近づいてきたのは火竜公女さんだ。相変わらず、イケメン2人をお供に連れている。
いつも自分の演出を忘れない人だ。
「私達も、こんな酷い状況になるとは予想もしてなかったから、事前に話されていたらむしろ来ないで下さいって言ってたと思うわ」
「アラ、ハルカちゃんらしい」
そう言ってコロコロと笑う。
やはり優雅というか、仕草が堂に入っている。
「こちらは火竜公女さん?」
そこにマリアさんが、二人のやりとりを前に一歩前に出た。
ちょっと火花を散らしそうな雰囲気がある。
まあ、ハルカさんが人気者という事だろう。オレはとばっちり回避のため不介入を貫いて、空軍元帥の接待に専念する。
「それで元帥、戦果はどうでしたか?」
「空戦も存分に出来たし、なかなかに面白い狩りだった。まあ欲を言えば、魔物が駆る竜騎兵に会えなんだ事くらいかな? 全部レナ少佐が喰ってしまったんだろう」
「昨日から連戦でしたからね。それに、1騎はボスごと逃げられました」
「辺境伯がボスを逃したのか。其奴、よほどの強者だな?」
「魔将クラスが2体でしたからね。マーレス第二皇子がいなかったら、確実に負けてました」
「魔将が2体?! 空以外では、私も会いたい相手ではないぞ。よく無事だったな。流石辺境伯だ。で、神々の塔へは?」
「行きますよ。魔物が攻めて来なければ、今朝立つ予定でした」
「それは良かった。なに、私達はただの見物人だ。私も昔は世界中旅して回ったが、ここ邪神大陸や神々の塔には行けず仕舞いだったからな。うん、聞きたかったのはそれだけだ。では、晩餐の祝勝会でまた!」
言いたいことだけ言うと去って行った。
隣では火竜公女さんと女子組の会話も終わるところだ。
そして、ジョージさん達がちょっと唖然としていた。
「兄弟、あんな有名人とタメなんだな」
「案外分かりやすいから、付き合いやすい人ですよ」
「そう言える肝の太さを俺は分けて欲しいよ」
レンさんがしみじみとコメントを添える。
添えられても困るし、分けることもできないけど、オレも知り合うまでは有名人に対して似たように思っていたものだ。
その後もオレは、ジョージさん、レンさんと雑談に興じたけど、女子達はルリさん、ハナさんが急いで準備したお風呂タイムとなった。
疲れたしスス臭いのを落としたいと思うのは人情だろう。オレ達男勢も、夕食までに烏の行水レベルながら風呂に入らされた。
そしてその間に、諸々の片付けに並行して、今夕も神殿前の広場で野外のワイルドな晩餐会となった。
けど今回は人数が多すぎるので、最初に来たオレ達とマーレス殿下達以外は、『帝国』の相応の身分の人達と『ダブル』が呼ばれていた。
『ダブル』は、ノヴァトキオでは騎士階級的な扱いなので、国対国の催しでは招待しないと『帝国』のような権威的な国では自分達の面子が立たないらしい。
なお、今回地皇の聖地まで来た『ダブル』は、『帝国』の冒険者ギルドから腕利きばかりが100名ほどが『帝国』の軍艦に便乗して来たそうだ。
ジョージさん達も同様で、ハーケンから20人ほどが駆けつけてくれていた。
だから合間合間に見知った顔に何人も会って、軽く挨拶なども交わしたりもした。
ノヴァからは、空母とも呼ばれる大型の空中巡行戦艦が1隻。オレ達の船よりも一回り大きく、しかもプロペラ推進の最新型、と言うよりノヴァ型だ。
こちらには疾風の騎士3、竜騎兵3、それに『ダブル』が諸々合わせて20名ほど。それに操船などをするノヴァ市民軍が30人ほど乗艦している。
一方で、マーレス殿下の部下は激減してしまったので、皮肉にもスペースは確保された。
ただ、『帝国』側も飛行船の軍艦10隻に分乗して総数で2000名以上、騎士だけで500人近く来ていたので、椅子やテーブルが全然用意できず、立食形式での簡単な晩餐だ。
まあ普通に立食パーティーでいいのだろう。
そして戦闘自体が、援軍側から見ると楽勝の勝ち戦、半ば囮となったオレ達とマーレス殿下達にとっては予期せぬ援軍による大勝利なので、夕食会は和やかで賑やかなものだった。
0
お気に入りに追加
51
あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。


神々に見捨てられし者、自力で最強へ
九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。
「天職なし。最高じゃないか」
しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。
天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる