424 / 528
第五部 『帝国』編
426 「再び竜の里へ向けて(1)」
しおりを挟む
「じゃあ、行ってくる」
そう言って、静かに眠り続ける彼女の頬に軽くキスをする。
部屋にいるみんなに見られているが、自然とそうできた。
こういう時、陽キャ隠キャは関係ない、と思う。
「なあ、せめて私ら部屋の外に出してからしろっての。流石に恥ずかしいんですけどー」
「あれくらい朝の挨拶にもならないって。今後のためにも、慣れろ慣れろ」
「うっさい。なんか上から目線なのがムカつく。けどまあ、きーつけてな」
「おう。そっちはハルカさん頼むな」
「あったりまえだろ。毎日、向こうで報告もしてやるっての」
「そっちも頼む。て言うか、報告はお互いしないとな」
「そうだよ。ボクには無理だからねー」
オレ達兄妹のくだらないやり取りを、仲間達が恐らく生暖かく見守ってくれていたけど、ボクっ娘の一言でそれもおしまいで、ここからは行動開始だ。
エルブルスまで飛行船のパーツを届けに行くのが、オレとボクっ娘。ハルカさんの側にいてくれるのが、シズさん、トモエさん、それと妹の悠里だ。
「連絡は基本、ショウとユーリちゃんに任せる。こっちは、邪神大陸に行くための『帝国』との調整と物資の調達。情報は……トモエが知ってるか?」
「現地行くまで話せないけどね」
「そこまで契約魔法で秘密にするという時点で、半ば話しているようなものだが、聞かぬが花だな」
「見ぬが仏だね。それで、何日で着くの?」
そう言って、トモエさんがボクっ娘に後ろから覆いかぶさる。ほんと、こう言うスキンシップが好きな姉妹だ。
「浮遊大陸を抜けるのに1日。そっから魔力ブースト限界で飛ばして、大西洋を1日。地中海を速度増し増し、2日でノヴァ。さらに1日ぶっ飛ばしてエルブルスだね」
全身で表現しながら、恐らく頭に思い浮かべた地図をイメージしつつ、そこを示していく。
オレには今ひとつ分からないが、天然のナビが頭に入ってるみたいだ。
「5日! マジで!」
「ほんとに疾風だね。凄い。普通は最低でも一週間はかかるよね」
「魔石をあるだけ借りているし、ショウからも魔力もらうからねー」
悠里のマジ驚きとトモエさんのいつもの言葉に、ボクっ娘が少し照れている。
しかし運ぶ方が気になる強行軍だ。
「ヴァイスはそんな強行軍で大丈夫なのか?」
「鍛え方が違うよ、って言いたいところだけど、沢山魔力が使えるお陰だね。それに向こうに着いたら、出来れば1日は地面でお休みさせてあげたいかな」
「準備とか色々あるから、1日や2日は出発にかかるだろう」
「だといいけどね。帰りは飛行船で休めるって言っても、狭いし空中はかえって落ち着かないと思うから」
「なるほどなあ」
「感心してないで、準備はもう良いのかよ?」
「昨日から準備進めてたし、問題なし。確認もした。浮遊石の結晶、いつもの装備一式、魔石、龍石、念のための保存食と水とお酒、それに治癒薬」
「ヴァイスも、神殿の人が良くしてくれてたから、元気いっぱいだよ。美味しいお肉ももらったってさ。
道中の心配があるとすれば、飛び込みの郵便依頼くらいかな」
「安全のため神殿で宿泊して回るなら、仕方ないところだな」
「それに、その辺も見越したスケジュールなんでしょ?」
「まあねー。じゃあ、そろそろ飛行場に行こうか!」
「おう!」
そう言って、まだ朝も早いが飛行場へと向かう。
シズさんが今日のハルカさんの付き人なので、トモエさんと悠里が飛行場まで見送ってくれる。
そして、上空までライムで上がってきたので、空で別れの挨拶となった。
「じゃあ、行ってくるねー!」
「レナーっ、気つけてー!」
「こっちは任せてねー!」
「トモエさん、お願いしまーす!」
そうして速度を増して向かうのは、最初のチェックポイント浮遊大陸の空皇の聖地リーンだ。
ここがオクシデントからの浮遊大陸への実質的な玄関口でもあるし、その先は大西洋をかなりの距離飛ばないといけないので、どうしてもここで一旦停止となる。
そして浮遊大陸の間は、マーレス殿下と聖女二グラス様が色々と手配りしてくれたので、快適かつ安全に旅をする事ができる。
だから初日は順調に行程を消化する事ができた。
ボクっ娘との二人旅は初めてだけど、オレとしては友達感覚が一番強いので気持ち的にも気楽で良い。
そんな事を思っていた時が、オレにもありました。
「えっ? マジ?」
「マジだよ。エロい考えも、悪戯心もなし。ボクもちょっと前に気づいたんだけど、ここってまだ『帝国』だよ。
しかも聖地の神殿の中って言っても、むしろ味方はゼロ。強い対魔物の防御陣の魔法があるから魔物は来ないだろうけど、急進派がいるでしょ」
荷物と毛布を抱えたボクっ娘が、真面目な表情で理由を並べていく。確かにごもっともだ。
「そういえば、襲われたのもここの風呂だったもんな」
「でしょ。だから、一緒に寝る! いい?!」
ビシッと指を指す。
単に真面目モードと言うだけじゃなく、有無を言わせぬボクっ娘も珍しい。
顔も少し赤らんでるから、少し恥ずかしいのかもしれない。
「り、了解。と言っても、ここ一人部屋だし、狭いから長いソファとかないし、それならせめて部屋変えてもらおう」
「あー、それなんだけど、ここ来る前に神殿の人に聞いたけど、巡礼者用の個室はほぼ満室。雑魚寝の大部屋しか空いてないって。最初に神殿の人に言ってれば、もう少し部屋があったかもだけど、もう巡礼者で一杯みたい」
「じゃあ、雑魚寝でいいんじゃないか?」
「それこそ襲われたら、周りが大迷惑でしょ。それにボクもショウも神殿の騎士階級だから、むしろ向こうが断ってくるよ」
「了解。じゃあ、毛布とかだけレナの部屋から持ってきてくれ。オレが床で寝るよ」
「いや、乗っているだけとはいえ、ずっと同じ姿勢は辛いでしょ。それに明日は特に海の上を横断するから、高い高度を一気に飛ぶから、飛行船と違って大変なんだよ」
「じゃあ、尚の事レナはベッドで寝ないとダメだろ。オレは、一晩くらい我慢できるよ」
「それはボクが気が引けちゃうよ。だから、ベッドの端と端で寝ようよ」
「このクソ狭いベッドでか?」
オレが腰かけているいベッドは、せいぜいビジネスホテルのシングルルームのベッドくらいの大きさしかない。
しかも『帝国』のお屋敷や宮殿と違って、あまり質も高くはない。
そう言って、静かに眠り続ける彼女の頬に軽くキスをする。
部屋にいるみんなに見られているが、自然とそうできた。
こういう時、陽キャ隠キャは関係ない、と思う。
「なあ、せめて私ら部屋の外に出してからしろっての。流石に恥ずかしいんですけどー」
「あれくらい朝の挨拶にもならないって。今後のためにも、慣れろ慣れろ」
「うっさい。なんか上から目線なのがムカつく。けどまあ、きーつけてな」
「おう。そっちはハルカさん頼むな」
「あったりまえだろ。毎日、向こうで報告もしてやるっての」
「そっちも頼む。て言うか、報告はお互いしないとな」
「そうだよ。ボクには無理だからねー」
オレ達兄妹のくだらないやり取りを、仲間達が恐らく生暖かく見守ってくれていたけど、ボクっ娘の一言でそれもおしまいで、ここからは行動開始だ。
エルブルスまで飛行船のパーツを届けに行くのが、オレとボクっ娘。ハルカさんの側にいてくれるのが、シズさん、トモエさん、それと妹の悠里だ。
「連絡は基本、ショウとユーリちゃんに任せる。こっちは、邪神大陸に行くための『帝国』との調整と物資の調達。情報は……トモエが知ってるか?」
「現地行くまで話せないけどね」
「そこまで契約魔法で秘密にするという時点で、半ば話しているようなものだが、聞かぬが花だな」
「見ぬが仏だね。それで、何日で着くの?」
そう言って、トモエさんがボクっ娘に後ろから覆いかぶさる。ほんと、こう言うスキンシップが好きな姉妹だ。
「浮遊大陸を抜けるのに1日。そっから魔力ブースト限界で飛ばして、大西洋を1日。地中海を速度増し増し、2日でノヴァ。さらに1日ぶっ飛ばしてエルブルスだね」
全身で表現しながら、恐らく頭に思い浮かべた地図をイメージしつつ、そこを示していく。
オレには今ひとつ分からないが、天然のナビが頭に入ってるみたいだ。
「5日! マジで!」
「ほんとに疾風だね。凄い。普通は最低でも一週間はかかるよね」
「魔石をあるだけ借りているし、ショウからも魔力もらうからねー」
悠里のマジ驚きとトモエさんのいつもの言葉に、ボクっ娘が少し照れている。
しかし運ぶ方が気になる強行軍だ。
「ヴァイスはそんな強行軍で大丈夫なのか?」
「鍛え方が違うよ、って言いたいところだけど、沢山魔力が使えるお陰だね。それに向こうに着いたら、出来れば1日は地面でお休みさせてあげたいかな」
「準備とか色々あるから、1日や2日は出発にかかるだろう」
「だといいけどね。帰りは飛行船で休めるって言っても、狭いし空中はかえって落ち着かないと思うから」
「なるほどなあ」
「感心してないで、準備はもう良いのかよ?」
「昨日から準備進めてたし、問題なし。確認もした。浮遊石の結晶、いつもの装備一式、魔石、龍石、念のための保存食と水とお酒、それに治癒薬」
「ヴァイスも、神殿の人が良くしてくれてたから、元気いっぱいだよ。美味しいお肉ももらったってさ。
道中の心配があるとすれば、飛び込みの郵便依頼くらいかな」
「安全のため神殿で宿泊して回るなら、仕方ないところだな」
「それに、その辺も見越したスケジュールなんでしょ?」
「まあねー。じゃあ、そろそろ飛行場に行こうか!」
「おう!」
そう言って、まだ朝も早いが飛行場へと向かう。
シズさんが今日のハルカさんの付き人なので、トモエさんと悠里が飛行場まで見送ってくれる。
そして、上空までライムで上がってきたので、空で別れの挨拶となった。
「じゃあ、行ってくるねー!」
「レナーっ、気つけてー!」
「こっちは任せてねー!」
「トモエさん、お願いしまーす!」
そうして速度を増して向かうのは、最初のチェックポイント浮遊大陸の空皇の聖地リーンだ。
ここがオクシデントからの浮遊大陸への実質的な玄関口でもあるし、その先は大西洋をかなりの距離飛ばないといけないので、どうしてもここで一旦停止となる。
そして浮遊大陸の間は、マーレス殿下と聖女二グラス様が色々と手配りしてくれたので、快適かつ安全に旅をする事ができる。
だから初日は順調に行程を消化する事ができた。
ボクっ娘との二人旅は初めてだけど、オレとしては友達感覚が一番強いので気持ち的にも気楽で良い。
そんな事を思っていた時が、オレにもありました。
「えっ? マジ?」
「マジだよ。エロい考えも、悪戯心もなし。ボクもちょっと前に気づいたんだけど、ここってまだ『帝国』だよ。
しかも聖地の神殿の中って言っても、むしろ味方はゼロ。強い対魔物の防御陣の魔法があるから魔物は来ないだろうけど、急進派がいるでしょ」
荷物と毛布を抱えたボクっ娘が、真面目な表情で理由を並べていく。確かにごもっともだ。
「そういえば、襲われたのもここの風呂だったもんな」
「でしょ。だから、一緒に寝る! いい?!」
ビシッと指を指す。
単に真面目モードと言うだけじゃなく、有無を言わせぬボクっ娘も珍しい。
顔も少し赤らんでるから、少し恥ずかしいのかもしれない。
「り、了解。と言っても、ここ一人部屋だし、狭いから長いソファとかないし、それならせめて部屋変えてもらおう」
「あー、それなんだけど、ここ来る前に神殿の人に聞いたけど、巡礼者用の個室はほぼ満室。雑魚寝の大部屋しか空いてないって。最初に神殿の人に言ってれば、もう少し部屋があったかもだけど、もう巡礼者で一杯みたい」
「じゃあ、雑魚寝でいいんじゃないか?」
「それこそ襲われたら、周りが大迷惑でしょ。それにボクもショウも神殿の騎士階級だから、むしろ向こうが断ってくるよ」
「了解。じゃあ、毛布とかだけレナの部屋から持ってきてくれ。オレが床で寝るよ」
「いや、乗っているだけとはいえ、ずっと同じ姿勢は辛いでしょ。それに明日は特に海の上を横断するから、高い高度を一気に飛ぶから、飛行船と違って大変なんだよ」
「じゃあ、尚の事レナはベッドで寝ないとダメだろ。オレは、一晩くらい我慢できるよ」
「それはボクが気が引けちゃうよ。だから、ベッドの端と端で寝ようよ」
「このクソ狭いベッドでか?」
オレが腰かけているいベッドは、せいぜいビジネスホテルのシングルルームのベッドくらいの大きさしかない。
しかも『帝国』のお屋敷や宮殿と違って、あまり質も高くはない。
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
転生メイドは絆されない ~あの子は私が育てます!~
志波 連
ファンタジー
息子と一緒に事故に遭い、母子で異世界に転生してしまったさおり。
自分には前世の記憶があるのに、息子は全く覚えていなかった。
しかも、愛息子はヘブンズ王国の第二王子に転生しているのに、自分はその王子付きのメイドという格差。
身分差故に、自分の息子に敬語で話し、無理な要求にも笑顔で応える日々。
しかし、そのあまりの傍若無人さにお母ちゃんはブチ切れた!
第二王子に厳しい躾を始めた一介のメイドの噂は王家の人々の耳にも入る。
側近たちは不敬だと騒ぐが、国王と王妃、そして第一王子はその奮闘を見守る。
厳しくも愛情あふれるメイドの姿に、第一王子は恋をする。
後継者争いや、反王家貴族の暗躍などを乗り越え、元親子は国の在り方さえ変えていくのだった。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
【完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
大失恋した稀代の魔術師は、のんべんだらりと暮らしたい
当麻月菜
ファンタジー
ナルナータ国には国王陛下から直々に<慧眼の魔術師>という二つ名を拝命した稀代の魔術師がいる。
しかしその実態は、人間不信で人間嫌い。加えて4年前の大失恋を引きずって絶賛引きこもり中の公爵令嬢で、富と名声より、のんべんだらりとした生活を望んでいる。
そんなコミュ障&傷心&ずぼら魔術師ファルファラに一つの王命が下された。
『不穏分子であるとある貴族と結婚して内情を探り粛々と排除しろ』と。
それと同時に王子から『王命に従いたくないなら、北方の領主であり聖剣の持ち主であるグロッソと共に北方の魔物調査に行け』と取引を持ち掛けられる。
無論、ファルファラは北方の魔物調査を選んだ。
けれど道中、失恋相手と望まぬ再会をして事態はどんどんややこしくなっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる