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第五部 『帝国』編
369 「夜襲(2)」
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「オレが前を切り開く。続いてくれ!」
そう叫んで今夜の戦闘の第二ラウンドとなったが、正直オレ達の方が数段強かった。
相手は『ダブル』が勝手に決めた基準で見ると、精々Cランク程度の魔力持ちで、技量も極端に高いと言うわけじゃない。
だから、身体能力で圧倒してゴリ押しで簡単に倒すことができた。手加減できるくらいなので、運が良ければ死んでないだろう。
だから血路を切り開くとか、後ろを固めつつ移動するとかの面倒な事をする前に、4人全員を倒していた。
Cランクと言えば並みの騎士程度の強さなので、決して弱いと言うわけじゃない。空賊というならず者な事を考えると、手練れで強いと見るべきだろう。
逆に言えば、オレ達が強すぎるのだ。
そしてその事は、月明かりが照らす広い場所、視界の開いた場所に出たところで再確認できた。
「うわっ! 飛行船丸ごとで襲って来てたんだ」
「けど、音も振動も無かったわ」
「それだけ手練れという事だな」
「ですね。『帝国』は船乗りは仕方ないにしても、騎士でも精々互角って感じですね」
「って、論評してんじゃねーよ。助太刀行くぞ!」
「だからって突出するなよ!」
悠里が空賊が固まっているところに突っ込んで行くので、それに付き合う形でオレも切り込む。
そして切り込んでいった飛行甲板では、宴もたけなわ、じゃなくて壮絶な戦闘となっていた。
乱戦だと魔法使いのシズさんが気がかりだけど、常にアイが守っているし、ボクっ娘も側にいる。
さらにハルカさんも、今は魔法で襲撃者の数を減らすらしく、後ろにとどまって早くもシズさんと並んで魔法陣を展開中だ。
そして合わせて14本の魔法の矢と、ボクっ娘の正確無比な弓矢は、戦況を一気に覆した。
そこに悠里とオレが突っ込んで、強そうな順に空賊を蹴散らしていく。
そう、もう蹴散らすという表現が相応しい戦いだ。
オレだけでなく、オレより少し魔力総量の少ない悠里でも、龍の骨から作った魔法の剣を振り回し、空賊を十分蹴散らせるだけの戦闘力があった。
『帝国』の騎士や船乗りも、オレ達の加勢で態勢を立て直して勢いを盛り返し、逆襲を開始する。
オレにとって意外だったのは、数も限られていたせいか『帝国』騎士がそれほど強くなかった事よりも、この飛行船の指揮官のオニール・ゴード将軍が戦っていない事だった。
多分戦えばオレ以上に強い筈で、『帝国』の苦戦もこれほどじゃ無かっただろう。
ただオレの考えが浅はかというか考えなし過ぎだった事を、戦闘後に知った。
ゴード将軍は兵士と船を指揮する立場なので、個人として強いからと言って、アニメや漫画のように安易に戦闘に加わるわけにいかないからだ。
それにゴード将軍の指揮能力は十分高かった。
『帝国』の騎士達は、襲ってきた飛行船に逆襲で乗り込み、追い返すどころか捕獲に成功したからだ。
逆襲ではオレ達も多少手伝ったが、襲ってきた連中も相当の手練れだったので、ゴード将軍の適切な指揮がなければ飛行船には逃げられていただろう。
そして夜中なので、竜騎兵で追撃というわけにもいかないので、取り逃がす事にもなっただろう。
「良かったー! ライム怖く無かった?」
「いや、一人返り討ちにしてるじゃないか」
「うっさい、このクソっ!! ねーっ!」
戦闘終了直後、蒼い飛龍のライムの安全を確認している。
そのすぐ隣では、同じく空賊を2人ほどスプラッタにしていた白い巨鷲のヴァイスが、まだ眠いのか不機嫌そうにしている。
そしてボクっ娘は、ヴァイスの身の安全をそれほど危惧していなかったらしく、身を案じるよりもっぱらご機嫌取りだ。
そうしてしばらく、間借りしている龍舎に居ると、数名の騎士が近づいて来た。
「愛騎に怪我など御座いませんでしたか?」
「はい、大丈夫です。それどころか何名か返り討ちにしておりますので、後始末をお願い出来ますか」
ゴード将軍の声に、即座にハルカさんが応対する。
「勿論です。それよりも今回の不手際、面目次第もありません」
「いえ、深夜の突然の襲来です。それを見事撃退された『帝国』の兵の練度はお見事です」
「皆様に御助勢いただいたからこそです。御助勢なければ、撃退はともかく船には逃げられていたでしょう」
「そんな事は無かったでしょう。それで、襲撃者については?」
ハルカさんの言葉に、ゴード将軍の表情が少し歪む。
「身元を示すものは特にありません。船も調べさせておりますが、文書や裏が取れそうな物品は今のところ発見できておりません」
「しかし、という事か?」
シズさんの言葉に、ゴード将軍が小さく頷く。
「ええ。空賊にしては腕が立ちすぎですな。そしてこの船を商船と間違う筈もない」
「襲った時点で、馬脚を現していると言ったところか」
「それで、お心当たりは?」
シズさんの言葉を継いだような形のハルカさんの質問に、ゴード将軍ばかりか半歩後ろの護衛かお付きの騎士も、少し苦々しげな表情を浮かべる。
「お客人であり多大な迷惑をおかけして言える言葉ではないのですが、ほぼ確実に我が国内の問題の為、お話できぬ事をご容赦願いたい」
言葉の最後に頭まで下げられた。
部下のいる前で将軍が頭を下げるのだから、相当申し訳ないと表現している事になるらしい。
だからハルカさんが首を左右に振る。
「どうか頭をお上げください。それに私どもは、傷一つ負ってもおりません。今宵の事も、夢の中の出来事と思っておきましょう」
「かたじけない。お話すれば、逆に皆様を要らぬ厄介ごとに巻き込む事にもなりましょう。ルカ様と従者の皆様に置かれては、聖地巡礼に集中していただきたく存じます」
「お心遣い感謝します」
それで一通りの話は済んだ。
ただ夜中3時頃に叩き起こされた状態なので二度寝とも行かず、その日は長い一日を過ごす羽目になる。
しかも飛行船での旅路の途中なので、何もすることもなく、当然その後の空賊の襲来もないので、ただただ空を眺める一日を過ごす事になった。
その後も浮遊大陸、『帝国』本土に到着するまでの2日間は、平穏に消化する事ができた。
唯一、事件らしい事件を挙げるとするなら、空賊の襲撃のあった次の日の丸一日、ハルカさんが眠り続けたという事くらいだろう。
とはいえ、今まで無理をして来て疲れが出たのだと思うし、船にいた『帝国』の魔法も使える医者も疲れが出たのだろうという程度の診断しかしなかったので、気にするほどでもないのだろう。
当人も、丸一日経った事に少し驚いたくらいで、よく寝たおかげでスッキリしたと気分良さげだ。
それよりも、疲れを取る為という事で、聖地巡礼の際にはそこにある大浴場に招待してもらえる事になった事の方が、事件というか出来事としては大きかったかもしれない。
そう叫んで今夜の戦闘の第二ラウンドとなったが、正直オレ達の方が数段強かった。
相手は『ダブル』が勝手に決めた基準で見ると、精々Cランク程度の魔力持ちで、技量も極端に高いと言うわけじゃない。
だから、身体能力で圧倒してゴリ押しで簡単に倒すことができた。手加減できるくらいなので、運が良ければ死んでないだろう。
だから血路を切り開くとか、後ろを固めつつ移動するとかの面倒な事をする前に、4人全員を倒していた。
Cランクと言えば並みの騎士程度の強さなので、決して弱いと言うわけじゃない。空賊というならず者な事を考えると、手練れで強いと見るべきだろう。
逆に言えば、オレ達が強すぎるのだ。
そしてその事は、月明かりが照らす広い場所、視界の開いた場所に出たところで再確認できた。
「うわっ! 飛行船丸ごとで襲って来てたんだ」
「けど、音も振動も無かったわ」
「それだけ手練れという事だな」
「ですね。『帝国』は船乗りは仕方ないにしても、騎士でも精々互角って感じですね」
「って、論評してんじゃねーよ。助太刀行くぞ!」
「だからって突出するなよ!」
悠里が空賊が固まっているところに突っ込んで行くので、それに付き合う形でオレも切り込む。
そして切り込んでいった飛行甲板では、宴もたけなわ、じゃなくて壮絶な戦闘となっていた。
乱戦だと魔法使いのシズさんが気がかりだけど、常にアイが守っているし、ボクっ娘も側にいる。
さらにハルカさんも、今は魔法で襲撃者の数を減らすらしく、後ろにとどまって早くもシズさんと並んで魔法陣を展開中だ。
そして合わせて14本の魔法の矢と、ボクっ娘の正確無比な弓矢は、戦況を一気に覆した。
そこに悠里とオレが突っ込んで、強そうな順に空賊を蹴散らしていく。
そう、もう蹴散らすという表現が相応しい戦いだ。
オレだけでなく、オレより少し魔力総量の少ない悠里でも、龍の骨から作った魔法の剣を振り回し、空賊を十分蹴散らせるだけの戦闘力があった。
『帝国』の騎士や船乗りも、オレ達の加勢で態勢を立て直して勢いを盛り返し、逆襲を開始する。
オレにとって意外だったのは、数も限られていたせいか『帝国』騎士がそれほど強くなかった事よりも、この飛行船の指揮官のオニール・ゴード将軍が戦っていない事だった。
多分戦えばオレ以上に強い筈で、『帝国』の苦戦もこれほどじゃ無かっただろう。
ただオレの考えが浅はかというか考えなし過ぎだった事を、戦闘後に知った。
ゴード将軍は兵士と船を指揮する立場なので、個人として強いからと言って、アニメや漫画のように安易に戦闘に加わるわけにいかないからだ。
それにゴード将軍の指揮能力は十分高かった。
『帝国』の騎士達は、襲ってきた飛行船に逆襲で乗り込み、追い返すどころか捕獲に成功したからだ。
逆襲ではオレ達も多少手伝ったが、襲ってきた連中も相当の手練れだったので、ゴード将軍の適切な指揮がなければ飛行船には逃げられていただろう。
そして夜中なので、竜騎兵で追撃というわけにもいかないので、取り逃がす事にもなっただろう。
「良かったー! ライム怖く無かった?」
「いや、一人返り討ちにしてるじゃないか」
「うっさい、このクソっ!! ねーっ!」
戦闘終了直後、蒼い飛龍のライムの安全を確認している。
そのすぐ隣では、同じく空賊を2人ほどスプラッタにしていた白い巨鷲のヴァイスが、まだ眠いのか不機嫌そうにしている。
そしてボクっ娘は、ヴァイスの身の安全をそれほど危惧していなかったらしく、身を案じるよりもっぱらご機嫌取りだ。
そうしてしばらく、間借りしている龍舎に居ると、数名の騎士が近づいて来た。
「愛騎に怪我など御座いませんでしたか?」
「はい、大丈夫です。それどころか何名か返り討ちにしておりますので、後始末をお願い出来ますか」
ゴード将軍の声に、即座にハルカさんが応対する。
「勿論です。それよりも今回の不手際、面目次第もありません」
「いえ、深夜の突然の襲来です。それを見事撃退された『帝国』の兵の練度はお見事です」
「皆様に御助勢いただいたからこそです。御助勢なければ、撃退はともかく船には逃げられていたでしょう」
「そんな事は無かったでしょう。それで、襲撃者については?」
ハルカさんの言葉に、ゴード将軍の表情が少し歪む。
「身元を示すものは特にありません。船も調べさせておりますが、文書や裏が取れそうな物品は今のところ発見できておりません」
「しかし、という事か?」
シズさんの言葉に、ゴード将軍が小さく頷く。
「ええ。空賊にしては腕が立ちすぎですな。そしてこの船を商船と間違う筈もない」
「襲った時点で、馬脚を現していると言ったところか」
「それで、お心当たりは?」
シズさんの言葉を継いだような形のハルカさんの質問に、ゴード将軍ばかりか半歩後ろの護衛かお付きの騎士も、少し苦々しげな表情を浮かべる。
「お客人であり多大な迷惑をおかけして言える言葉ではないのですが、ほぼ確実に我が国内の問題の為、お話できぬ事をご容赦願いたい」
言葉の最後に頭まで下げられた。
部下のいる前で将軍が頭を下げるのだから、相当申し訳ないと表現している事になるらしい。
だからハルカさんが首を左右に振る。
「どうか頭をお上げください。それに私どもは、傷一つ負ってもおりません。今宵の事も、夢の中の出来事と思っておきましょう」
「かたじけない。お話すれば、逆に皆様を要らぬ厄介ごとに巻き込む事にもなりましょう。ルカ様と従者の皆様に置かれては、聖地巡礼に集中していただきたく存じます」
「お心遣い感謝します」
それで一通りの話は済んだ。
ただ夜中3時頃に叩き起こされた状態なので二度寝とも行かず、その日は長い一日を過ごす羽目になる。
しかも飛行船での旅路の途中なので、何もすることもなく、当然その後の空賊の襲来もないので、ただただ空を眺める一日を過ごす事になった。
その後も浮遊大陸、『帝国』本土に到着するまでの2日間は、平穏に消化する事ができた。
唯一、事件らしい事件を挙げるとするなら、空賊の襲撃のあった次の日の丸一日、ハルカさんが眠り続けたという事くらいだろう。
とはいえ、今まで無理をして来て疲れが出たのだと思うし、船にいた『帝国』の魔法も使える医者も疲れが出たのだろうという程度の診断しかしなかったので、気にするほどでもないのだろう。
当人も、丸一日経った事に少し驚いたくらいで、よく寝たおかげでスッキリしたと気分良さげだ。
それよりも、疲れを取る為という事で、聖地巡礼の際にはそこにある大浴場に招待してもらえる事になった事の方が、事件というか出来事としては大きかったかもしれない。
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