344 / 528
第四部
346「援軍参集(1)」
しおりを挟む
その日の夕方遅く、予定通りハーケンから『帝国』の軍用の双胴飛行船がランバルト王国の都バルドルに到着した。
軍用と言うだけあって重厚といえる姿で、男の子の心をくすぐる格好よさがある。
そしてエルブルスのシーナで見た飛行船に似ていた。同じように、飛龍を載せる事が出来るからだ。
後で少し詳しく聞く事が出来たが、『空中巡航艦』と呼ぶように長距離移動用の飛行船だ。
船の全長は、パッと見の印象で50メートルくらい。この世界の基準だと大型の双胴船で、下から見ると横幅が広いシルエットになる。
また、他の飛行船と同じ様に、巨大な浮遊石の上に主な構造物を持っている。
その浮遊石は、速度を増すためか太いサーフボードのように成型されている。
そして飛龍を乗せるために大きく、海で使う普通の船の軍艦よりも大きい。
なお、この時代の海を進む船は、帆船というよりガレー船の技術しかないらしく、帆船の技術は『ダブル』が持ち込んでいる。
それ以前に、『ダブル』は既に様々な内燃機関を主に実験レベルで実現して一部実用化しつつあるので、この世界の技術体系は混沌としている。
けど『ダブル』の技術は、まだ未知の部類だ。
そして空に浮かぶ船の方が断然速いので、大国や金持ちは様々な大きさの飛行船を用いる。
その中でも軍艦は頑丈で高価だ。
『空中巡航艦』は『帝国』でも最精鋭で、一部に結晶化された浮遊石を使用して上昇下降に利用しているなど、性能は普通の商船より格段に高いらしい。
しかもそうした浮遊石の結晶や武装を操作するために、専用の魔力持ちが多数乗り込んでいるのだそうだ。
そしてこの船の最大の特徴は、双胴の船体の間に飛行甲板がり、左右の船体内に龍舎があって4~8体の飛龍を載せて移動できる事にある。
それを体長20メートルくらいの巨体を持つ鯨みたいな姿の雲龍4体が、2頭ずつ横並びに並んで引く。ちょうど4頭立ての馬車のようだけど、大きさは馬車の優に10倍以上ある。
また、舵のような翼も各所に備えられている。普段は雲龍の操作とこれを合わせて上下左右に向かうので、飛行機やオレ達の世界の飛行船と少し似ている。それとも船に似ているというべきかもしれない。
空を飛ぶ速度は、飛龍の3分の1くらい。
けど、飛龍などが単体で飛ぶのと違い、交代で鯨龍を使役する事で1日中移動できるので、長距離移動には向いている。
ただ、24時間運行は緊急時だけで、夜中は雲龍を休ませるため空の上に止まるのが普通だ。
だから移動距離は、昼間だけ飛ぶ飛龍の半分程度になる。
勿論、飛龍などの単独での高速飛行には全く敵わない。
飛龍や巨鷲は1日800~1000キロくらい進めるので、400~500キロ進める事になる。
他と比較すると、この時代の海を進む船が調子の良い時で1日約150~200キロメートル、地上を走る普通の馬が1日50~60キロメートル程度。だから、地形を無視した上に大量の荷物を運ぶことが出来る点を加味すれば、その効果は計り知れない。
4体に船を運ばせるのも24時間連続飛行のためで、巡航とはよく言ったものだ。
戦闘用の飛行船は『帝国』以外にも保有している国はあるが、やはりこの手のものは浮遊大陸に国がある『帝国』が一番沢山持っていて性能も高いそうだ。
ただ、オレ達が目にしたバルドル到着時の様子は、アミューズメントパークの大型アトラクション状態だった。
何しろ、『ダブル』達が甲板の際に鈴なりになっていたからだ。
「いやー、恥ずかしいとこ見せちまったな。何しろ飛行船とか空の旅なんて、兄弟達と違って珍しいからなあ」
ジョージさんが、『帝国』の飛行船から降りて挨拶するなり頭を掻いている。
「飛行船はオレも乗った事ないですよ」
「そうなのか。まあ何にせよ、『帝国』の連中には少し迷惑かけたが、数は十分連れて来た」
レンさんが少しドヤ顔だ。
「どのくらいですか?」
「取りあえず、アンデッドと戦えるベテランが20人ほど。他に、ビギナー含めて支援に30人ってとこだな」
「50人も」
多いとは感じたが、すぐにハーケンを根城にしている『ダブル』の約一割が来るとは思わなかった。
数は50人でも、この世界の兵士の数百人分に匹敵する。
「ああ。アンデッドはともかく報酬が出るし、何より飛行船に乗れるからな」
「それにしてもよく集まりましたね」
「時期が良かったぜ。ビギナー拾いでハーケン辺りに集まっていた上に、ビギナーが一気に増えたからな」
近くではマリアさんとサキさんが、ハルカさん達と話している。
タクミも他の一部ビギナーと一緒に来ていてたが、ビギナーはギルドの指導員が引率して集団行動状態で、今は話をする事ができないでいた。
辛うじて、遠くから軽く手を振りあったくらいだ。
そしてもう一人、見知った人と再会する事になった。
『帝国』の将軍オニール・ゴードさんだ。
とは言え公の場なので、ハルカさんが代表して堅苦しい挨拶を二言三言交わした程度だ。
実直な人柄なので、私的な視線すらごく僅かに感じたくらいの反応しか無い。
どうやら『帝国』から飛行船を指揮して来たらしいが、この人が関わってくれるのなら心強い。
また、ランドーさんと供に『帝国』の竜騎兵の騎士が2人来ていて、船の中に飛龍が乗っているそうだ。
そして強い人の事について話していると、お決まりな感じの言葉が話していた二人からきた。
「ま、この場の最強は、兄弟達だろ」
「巨鷲と雷龍の使い手に、大魔導士と聖女様だからな」
「オレはオマケですけどね」
取り敢えず肩を竦めておく。
謙遜しすぎても悪いと言われたが、普段接している彼女達を見ていると、自分の力足らずを日々実感させられるからだ。
「そのオマケが、あの悪剣のヴァーリを倒したんだろ」
「まあ、主に剣は交えましたけど、ハルカさんも短時間ですけど小馬鹿にする感じで相手してましたよ」
「あの人もヤバいな」
二人が冷や汗気味に、ハルカさんの背中をチラ見する。
そんな事はつゆ知らず、ハルカさんは女子トークに花を咲かせているが、こうして見ると普通の女子だ。
「魔力マックスの時は、当たらない上に、今じゃあ当たっても地龍の一撃ですら弾けるらしいですからね」
「マジでヤバい強さだな」
「でもさ、兄弟もヴァーリの剣は掠りもしなかったんだろ」
「あんな雑な剣技、力任せなだけで大した事無かったですよ」
オレのちょっと強がった言葉に、二人が異議有りな表情をしている。
一応聞いておくべきなのだろう。
「……あの口臭男って、どんなヤツだったんですか?」
「口臭って、そんな距離でやり合ったのか」
盾役なジョージさんが軽く引いている。
どうもあいつの剣は、正面から受けるものではないらしい。
「ええ。あいつの実力図る為に、剣を正面から受けてやろうと思ったんで」
「よくへし折れなかったなって、その獲物は『帝国』の業物だったな」
「はい。向こうの剣の方がどんどん痛んでましたね」
そこでレンさんが軽く溜息を付く。
ジョージさんも肩を竦めそうな表情だ。
「そうだな、ヴァーリは北の方では有名な傭兵だ」
「と言っても悪名でな。犯罪組織や奴隷商とも昵懇(じっこん)って話だし、何より粗暴で暴力的で、残忍だ。手下も、強さよりも素行の悪い傭兵か盗賊が多いって聞くな」
「敵地の村を文字通り全滅させた事も一度や二度じゃない。この辺りの戦争でも暴れたって噂だな」
「だから、ハーケンの冒険者ギルドは、あいつらに近寄るなって言ってるくらいだ」
二人とも声色が厳しい。口にしている言葉も、単なる噂でない事を伝えている。
「ケダモノのリーダーってとこですね」
「あいつの方が、魔物より余程魔物だってのが一般評だな」
「だからこそ、死霊術師なんて外道野郎とも手を組んだんだろうがな」
「で、当人の腕は?」
そんな鬱になる話より、腕前だけの方がオレ自身にも益が有る。
久々の人間相手なので、自分の強さの判断基準に出来そうだからだ。
「冒険者ギルド基準で言うと、Sランクだな」
「『ダブル』以外で、オクシデントに100人いるかいないかの一人だ」
意外な回答だった。Aランク程度だと思っていたけど、少なくとも魔力は多かったらしい。
思わず口に出てしまう。
「えっ? あれでSランクなんですか? オレの感覚だとアクセルさんくらいじゃないとSランクじゃないんですけど」
「あのキラキラ騎士様、どんだけ強いんだよ」
「でもさ、ショウはそれ以上なんだろ?」
レンさんが少し探る様に視線をオレに向ける。
しかしオレとしては苦笑しかない。
「あいつを倒せると感じたくらいだから、魔力総量は上だと思います。ノヴァの戦争とかで、結果的に随分魔力は稼ぎましたから。けど、アクセルさんと比べたら、技量とかは全然ですよ」
オレの技量という言葉に、二人が少し遠い目をする。
「技量か。オレも鍛え直そうかなあ」
「だな。もっとこっちに居たいしな」
「だよな、相棒。兄弟もな」
そこでジョージさんが出したグーに、3人でコツンと合わせる。
「ですね、お互い頑張りましょう」
「おう。今度稽古につき合ってくれ」
「喜んで」
と、なんかいい感じに話がまとまった感じはあるが、こういう思いを持っていないと、こんな過酷な世界だと、現代日本人のひ弱な心を持つ『ダブル』はドロップアウトしやすいのだろう。
自然とそんな風に思えた。
軍用と言うだけあって重厚といえる姿で、男の子の心をくすぐる格好よさがある。
そしてエルブルスのシーナで見た飛行船に似ていた。同じように、飛龍を載せる事が出来るからだ。
後で少し詳しく聞く事が出来たが、『空中巡航艦』と呼ぶように長距離移動用の飛行船だ。
船の全長は、パッと見の印象で50メートルくらい。この世界の基準だと大型の双胴船で、下から見ると横幅が広いシルエットになる。
また、他の飛行船と同じ様に、巨大な浮遊石の上に主な構造物を持っている。
その浮遊石は、速度を増すためか太いサーフボードのように成型されている。
そして飛龍を乗せるために大きく、海で使う普通の船の軍艦よりも大きい。
なお、この時代の海を進む船は、帆船というよりガレー船の技術しかないらしく、帆船の技術は『ダブル』が持ち込んでいる。
それ以前に、『ダブル』は既に様々な内燃機関を主に実験レベルで実現して一部実用化しつつあるので、この世界の技術体系は混沌としている。
けど『ダブル』の技術は、まだ未知の部類だ。
そして空に浮かぶ船の方が断然速いので、大国や金持ちは様々な大きさの飛行船を用いる。
その中でも軍艦は頑丈で高価だ。
『空中巡航艦』は『帝国』でも最精鋭で、一部に結晶化された浮遊石を使用して上昇下降に利用しているなど、性能は普通の商船より格段に高いらしい。
しかもそうした浮遊石の結晶や武装を操作するために、専用の魔力持ちが多数乗り込んでいるのだそうだ。
そしてこの船の最大の特徴は、双胴の船体の間に飛行甲板がり、左右の船体内に龍舎があって4~8体の飛龍を載せて移動できる事にある。
それを体長20メートルくらいの巨体を持つ鯨みたいな姿の雲龍4体が、2頭ずつ横並びに並んで引く。ちょうど4頭立ての馬車のようだけど、大きさは馬車の優に10倍以上ある。
また、舵のような翼も各所に備えられている。普段は雲龍の操作とこれを合わせて上下左右に向かうので、飛行機やオレ達の世界の飛行船と少し似ている。それとも船に似ているというべきかもしれない。
空を飛ぶ速度は、飛龍の3分の1くらい。
けど、飛龍などが単体で飛ぶのと違い、交代で鯨龍を使役する事で1日中移動できるので、長距離移動には向いている。
ただ、24時間運行は緊急時だけで、夜中は雲龍を休ませるため空の上に止まるのが普通だ。
だから移動距離は、昼間だけ飛ぶ飛龍の半分程度になる。
勿論、飛龍などの単独での高速飛行には全く敵わない。
飛龍や巨鷲は1日800~1000キロくらい進めるので、400~500キロ進める事になる。
他と比較すると、この時代の海を進む船が調子の良い時で1日約150~200キロメートル、地上を走る普通の馬が1日50~60キロメートル程度。だから、地形を無視した上に大量の荷物を運ぶことが出来る点を加味すれば、その効果は計り知れない。
4体に船を運ばせるのも24時間連続飛行のためで、巡航とはよく言ったものだ。
戦闘用の飛行船は『帝国』以外にも保有している国はあるが、やはりこの手のものは浮遊大陸に国がある『帝国』が一番沢山持っていて性能も高いそうだ。
ただ、オレ達が目にしたバルドル到着時の様子は、アミューズメントパークの大型アトラクション状態だった。
何しろ、『ダブル』達が甲板の際に鈴なりになっていたからだ。
「いやー、恥ずかしいとこ見せちまったな。何しろ飛行船とか空の旅なんて、兄弟達と違って珍しいからなあ」
ジョージさんが、『帝国』の飛行船から降りて挨拶するなり頭を掻いている。
「飛行船はオレも乗った事ないですよ」
「そうなのか。まあ何にせよ、『帝国』の連中には少し迷惑かけたが、数は十分連れて来た」
レンさんが少しドヤ顔だ。
「どのくらいですか?」
「取りあえず、アンデッドと戦えるベテランが20人ほど。他に、ビギナー含めて支援に30人ってとこだな」
「50人も」
多いとは感じたが、すぐにハーケンを根城にしている『ダブル』の約一割が来るとは思わなかった。
数は50人でも、この世界の兵士の数百人分に匹敵する。
「ああ。アンデッドはともかく報酬が出るし、何より飛行船に乗れるからな」
「それにしてもよく集まりましたね」
「時期が良かったぜ。ビギナー拾いでハーケン辺りに集まっていた上に、ビギナーが一気に増えたからな」
近くではマリアさんとサキさんが、ハルカさん達と話している。
タクミも他の一部ビギナーと一緒に来ていてたが、ビギナーはギルドの指導員が引率して集団行動状態で、今は話をする事ができないでいた。
辛うじて、遠くから軽く手を振りあったくらいだ。
そしてもう一人、見知った人と再会する事になった。
『帝国』の将軍オニール・ゴードさんだ。
とは言え公の場なので、ハルカさんが代表して堅苦しい挨拶を二言三言交わした程度だ。
実直な人柄なので、私的な視線すらごく僅かに感じたくらいの反応しか無い。
どうやら『帝国』から飛行船を指揮して来たらしいが、この人が関わってくれるのなら心強い。
また、ランドーさんと供に『帝国』の竜騎兵の騎士が2人来ていて、船の中に飛龍が乗っているそうだ。
そして強い人の事について話していると、お決まりな感じの言葉が話していた二人からきた。
「ま、この場の最強は、兄弟達だろ」
「巨鷲と雷龍の使い手に、大魔導士と聖女様だからな」
「オレはオマケですけどね」
取り敢えず肩を竦めておく。
謙遜しすぎても悪いと言われたが、普段接している彼女達を見ていると、自分の力足らずを日々実感させられるからだ。
「そのオマケが、あの悪剣のヴァーリを倒したんだろ」
「まあ、主に剣は交えましたけど、ハルカさんも短時間ですけど小馬鹿にする感じで相手してましたよ」
「あの人もヤバいな」
二人が冷や汗気味に、ハルカさんの背中をチラ見する。
そんな事はつゆ知らず、ハルカさんは女子トークに花を咲かせているが、こうして見ると普通の女子だ。
「魔力マックスの時は、当たらない上に、今じゃあ当たっても地龍の一撃ですら弾けるらしいですからね」
「マジでヤバい強さだな」
「でもさ、兄弟もヴァーリの剣は掠りもしなかったんだろ」
「あんな雑な剣技、力任せなだけで大した事無かったですよ」
オレのちょっと強がった言葉に、二人が異議有りな表情をしている。
一応聞いておくべきなのだろう。
「……あの口臭男って、どんなヤツだったんですか?」
「口臭って、そんな距離でやり合ったのか」
盾役なジョージさんが軽く引いている。
どうもあいつの剣は、正面から受けるものではないらしい。
「ええ。あいつの実力図る為に、剣を正面から受けてやろうと思ったんで」
「よくへし折れなかったなって、その獲物は『帝国』の業物だったな」
「はい。向こうの剣の方がどんどん痛んでましたね」
そこでレンさんが軽く溜息を付く。
ジョージさんも肩を竦めそうな表情だ。
「そうだな、ヴァーリは北の方では有名な傭兵だ」
「と言っても悪名でな。犯罪組織や奴隷商とも昵懇(じっこん)って話だし、何より粗暴で暴力的で、残忍だ。手下も、強さよりも素行の悪い傭兵か盗賊が多いって聞くな」
「敵地の村を文字通り全滅させた事も一度や二度じゃない。この辺りの戦争でも暴れたって噂だな」
「だから、ハーケンの冒険者ギルドは、あいつらに近寄るなって言ってるくらいだ」
二人とも声色が厳しい。口にしている言葉も、単なる噂でない事を伝えている。
「ケダモノのリーダーってとこですね」
「あいつの方が、魔物より余程魔物だってのが一般評だな」
「だからこそ、死霊術師なんて外道野郎とも手を組んだんだろうがな」
「で、当人の腕は?」
そんな鬱になる話より、腕前だけの方がオレ自身にも益が有る。
久々の人間相手なので、自分の強さの判断基準に出来そうだからだ。
「冒険者ギルド基準で言うと、Sランクだな」
「『ダブル』以外で、オクシデントに100人いるかいないかの一人だ」
意外な回答だった。Aランク程度だと思っていたけど、少なくとも魔力は多かったらしい。
思わず口に出てしまう。
「えっ? あれでSランクなんですか? オレの感覚だとアクセルさんくらいじゃないとSランクじゃないんですけど」
「あのキラキラ騎士様、どんだけ強いんだよ」
「でもさ、ショウはそれ以上なんだろ?」
レンさんが少し探る様に視線をオレに向ける。
しかしオレとしては苦笑しかない。
「あいつを倒せると感じたくらいだから、魔力総量は上だと思います。ノヴァの戦争とかで、結果的に随分魔力は稼ぎましたから。けど、アクセルさんと比べたら、技量とかは全然ですよ」
オレの技量という言葉に、二人が少し遠い目をする。
「技量か。オレも鍛え直そうかなあ」
「だな。もっとこっちに居たいしな」
「だよな、相棒。兄弟もな」
そこでジョージさんが出したグーに、3人でコツンと合わせる。
「ですね、お互い頑張りましょう」
「おう。今度稽古につき合ってくれ」
「喜んで」
と、なんかいい感じに話がまとまった感じはあるが、こういう思いを持っていないと、こんな過酷な世界だと、現代日本人のひ弱な心を持つ『ダブル』はドロップアウトしやすいのだろう。
自然とそんな風に思えた。
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
異世界で俺はチーター
田中 歩
ファンタジー
とある高校に通う普通の高校生だが、クラスメイトからはバイトなどもせずゲームやアニメばかり見て学校以外ではあまり家から出ないため「ヒキニート」呼ばわりされている。
そんな彼が子供のころ入ったことがあるはずなのに思い出せない祖父の家の蔵に友達に話したのを機にもう一度入ってみることを決意する。
蔵に入って気がつくとそこは異世界だった?!
しかも、おじさんや爺ちゃんも異世界に行ったことがあるらしい?
夜明けの続唱歌
hidden
ファンタジー
炎に包まれた故郷。
背を灼かれるように、男は歩き続けていた。
辺境では賊徒が跋扈し、都では覇権や領土の奪い合いが繰り返されていた。
怯えながら、それでも慎ましく生きようとする民。
彼らに追い打ちをかけるように、不浄な土地に姿を現す、不吉な妖魔の影。
戦火の絶えない人の世。
闘いに身を投じる者が見据える彼方に、夜明けの空はあるのだろうか。
>Website
『夜明けの続唱歌』https://hidden1212.wixsite.com/moon-phase
>投稿先
『小説家になろう』https://ncode.syosetu.com/n7405fz/
『カクヨム』https://kakuyomu.jp/works/1177354054893903735
『アルファポリス』https://www.alphapolis.co.jp/novel/42558793/886340020
【完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる