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祈りの刻
その四
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伊藤さんが異能持ちになったからと言って職場では何がどう変わるということもなかった。
異能は登録義務はあるが、危険な物でないと認定されていれば調整用の装具を装着することで普通に生活も出来る。
職場に申告義務はないのだが、伊藤さんは一応課長に報告したらしい。
「長谷川課長、驚いていました」
「まぁ驚くよな。自分の部下にいきなり異能者が出たら。しかも今までは無能力者として認識してたのに」
「あ、実はそれなんですが」
「ん?」
「調整装置で一般人程度の波動放出が行えるようになったんです。ドアに触らなくても自動で開いてくれるのですごく便利になりました。でも、やっぱりつい触ろうとしてしまうんですけどね」
「あ、そうか。それなら今度体感型のムービーに行こうか? 今まで体験出来なかった分を取り返すのもいいだろ」
「え、あ、は、はい!」
俺の提案に伊藤さんは顔を赤くして勢いよく頷いた。
基本的に感知システムは人の波動を感知して認識しているので、伊藤さんはこれまで自動ドアも無能力者用のサポートスイッチをわざわざ押して開けて通らなければならなかったし、相互波動の干渉による体感システムの恩恵も受けられなかったから体感式ムービーやゲームなんかも楽しめなかったのだ。
未だに自分自身で波動のコントロールが出来る訳ではないが、コントロール用の装具を支給されたのでそれを使って一般人と同じように生活することが可能となったのである。
本来先天的な無能力者はこういうサポートすら受け付けないので伊藤さん的には思ってもみなかった副産物だろう。
「ふむ、社内でデートの約束をするとか、さすが、公認カップルは違うな」
そんな俺達のテーブルにいつの間にか近づいていた男がニヤニヤ笑いを顔に貼り付けてそう言った。
俺たちは現在、社内ビルの我が開発課があるフロアーの休憩室のテーブルで、弁当後の紙コップのコーヒーを啜りながら会話していたのだが、ついつい話に夢中になっていたようだ。
そいつの接近にうっかり気づかなかった。
まぁ、わざと気づかせなかったのかもしれないが。
何しろ、本来は俺なんぞ及びもつかない高位能力者のはずだからな。
我が商品開発課のおとなりの開発室の室長であり、我が悪友であり、同時に人としての高みに在る者の家系に生まれた魔導者でもある男、一ノ宮流《いちのみやながれ》先生である。
「いやいや、毎日違う女性からの愛情のこもった弁当持ってきているお前に言われたくないから」
「何を言っている。お互いだけを想っているという相思相愛という物はまた特別なものだ。誰もが憧れる夢物語じゃないか」
「夢物語とか言うな。一対一のお付き合いのほうが普通だからな。お前のほうがおかしいんだぞ?」
「ああ、これは失礼。お邪魔してよろしいでしょうか? 伊藤さんには度々うちの手伝いもしていただいていてお世話になっているので改めて自己紹介もおかしな話ですが、これの友人としては初めて挨拶させていただきます、隆の友人をやっている流です」
突然現れて俺たちをからかい始めた流にびっくりしたようにしていた伊藤さんだったが、そんな風に挨拶をされて、慌てて席を立って頭を下げる。
「あ、いつも隆志さんがお世話になっています」
おお、これは、何かこう、いいものがあるな。
「すでに新妻の貫禄がありますね。素晴らしい」
そしてさすがは俺の親友であり悪友である。
その姿に俺と似たような感慨を抱いたらしい。
だが、あえて言おう、こんな場所で堂々とそれを口にするのはバカであると。
「ふえっ?」
おおう、伊藤さんが変な声を出したぞ。
すごく真っ赤になっている。
ものすごく可愛いので俺的には目の保養だが、いかんせん、自分の彼女を例え親友であろうとも他の男がからかっているというのはいただけない。
しかもそれが飛び抜けた色男だというのはもっといただけない話だ。
「うむ、流、お前今日から俺の敵な」
「大人げないぞ、隆。もっとどっしり構えていないと伊藤さんが困るだろう?」
「お・ま・え・が・言・う・な」
「あの、よかったらおすわりになりませんか?」
俺たちの牽制し合う姿に動揺することなく、伊藤さんは流に俺の隣の席を勧めた。
さすが気配りの出来る女性は違う。
「色ボケとるなお前も」
流は俺をちらりと見ると、勧められた席に腰を下ろし、ハと、わざとらしくため息を吐いた。
「あ、ありがとうございます」
何言ってるんだ! と、反論しようとした俺の機先を制して、伊藤さんがなぜかお礼を言う。
いや、そいつに礼なんかいいからね。
二人で話している時に割って入るとか、空気をわざと読まない男なぞ馬にでも蹴られてしまえばいいのだ。
「俺だって野暮はしたくないんだが、話を聞きつけてね。伊藤さん、未登録の巫女だったんだって?」
「おま、なぜそれを」
俺は焦って周囲を見回した。
周囲のテーブルとはある程度距離があり、しかもそれぞれお互い同士の話に夢中だったり、卓球台で遊んでいたりと、休憩室内は騒がしいので特にこちらに注目している人間はいない。
「大丈夫だ。誰もこちらに『注目出来ない』からね」
「おいおい」
魔術とか魔法とか言うものとは一線を画した神の力に近いのが魔導だと言われている。
とりあえず理屈が通じない力なのだということだけわかっていればいいような力だ。
一切の手順を必要とせず、その存在の意思だけで世界がねじ曲がる。
こう言っちゃなんだけど、世の中には神に近い存在がゴロゴロしすぎていて、もうどうにでもしてくれって気分になる時があるんだよな。
「それでそれをなぜか知っている流さんはどういったご用件?」
俺はちょっと投げやりに聞いた。
伊藤さんはよくわからないのか、目を丸くして流と俺を見ている。
「巫女が幼い頃に保護されるのはその不安定さゆえに自我が崩壊しやすいからだが、思春期を越えてしまえばそれも安定する。逆に言えば思春期を越えた巫女に能力的な伸び代はないと言ってもいい。だが油断するな。巫女は世界の影響を受けやすい。そもそも今更力に目覚めたこと自体が問題だ。あまりこの事態を軽く考えない方がいいぞ」
「それはわかってる」
「伊藤さん、このバカはバカだが頼りになる。だけど頭は結構固い男なんで、助けが欲しい時は遠慮なく頼ってくれ。バカがバカゆえに煮詰まった時なんかはおすすめの尻の叩き方を教えてあげられると思うよ」
「バカバカ言い過ぎだろ!」
伊藤さんは俺たちのやりとりにくすっと笑うと、流に向かって頭を下げた。
「ありがとうございます。何かあったら頼りにさせてもらいます」
「ああ、彼女が出来たら途端に付き合いが悪くなった現金な男だが、まぁ一応親友のよしみで情けを掛けてやらんとしょうがないしな。それに伊藤さんにはうちのカオスな蓄積データを整理してもらった恩もある」
「え? 何? 手伝いの時にそんな仕事まで押し付けてたの? 越権行為じゃね?」
うちの課とお隣はお互いに助け合いで忙しい時には人員を回しあっているが、そんな本格的な仕事はさすがにやらせすぎだろう。
「あ、いえ、私が勝手にやりやすいように整理しただけなんです」
「伊藤さん甘やかしすぎだろ。そもそも開発室は研究にばかり熱を入れすぎて時々業務内容が明後日の方向に向いてる時もあるし」
「まぁその辺はね、研究者ばかりのうちの問題だよね。全然会社と関係ない研究始めてしまうこととかあるしね」
「あはは」
全員事情を知っているだけに擁護も出来ない。
それでも開発室がうちよりも優遇されているのは、多くの専売特許を取得し続けて来た実績と、流のカリスマのせいだろう。
どう考えても流はうちみたいな二流メーカーにいるような男ではないのだ。
「まぁともかく何かあってもそう悩む必要はないってことだけ覚えていてくれればいい。それじゃあ、後はお若い二人でごゆっくり」
「アホか、見合いの席じゃねえよ」
ハハハと笑いながら立ち去る姿も決まっている流を目で追いながら、内心ちょっと頭を下げていた。
以前流には伊藤さんとのことを相談したこともある。
気にしてくれていたのだろう。
「良い方ですね」
む、でも伊藤さんがそう褒めるとなんだか面白くない。
なにしろあいつはモテるのだ。
「でも、隆志さんのほうが素敵ですよ」
ブフッ! と、俺は気持ちをごまかすために口に含みかけたコーヒーを吹いてしまった。
突然何を言ってくれちゃってるんだ、伊藤さん。
「あ、大丈夫ですか?」
慌ててハンカチを取り出してこっちの口元を拭おうをするので、さすがに自分でハンカチを受け取って拭う。
いくらなんでも社内で彼女に拭ってもらう訳にはいかない。
てか、流の影響が消えたからか、周囲の視線が痛い。
「お、おう」
まったく、伊藤さんにしても流にしても敵わないなと、思ってしまうのだった。
異能は登録義務はあるが、危険な物でないと認定されていれば調整用の装具を装着することで普通に生活も出来る。
職場に申告義務はないのだが、伊藤さんは一応課長に報告したらしい。
「長谷川課長、驚いていました」
「まぁ驚くよな。自分の部下にいきなり異能者が出たら。しかも今までは無能力者として認識してたのに」
「あ、実はそれなんですが」
「ん?」
「調整装置で一般人程度の波動放出が行えるようになったんです。ドアに触らなくても自動で開いてくれるのですごく便利になりました。でも、やっぱりつい触ろうとしてしまうんですけどね」
「あ、そうか。それなら今度体感型のムービーに行こうか? 今まで体験出来なかった分を取り返すのもいいだろ」
「え、あ、は、はい!」
俺の提案に伊藤さんは顔を赤くして勢いよく頷いた。
基本的に感知システムは人の波動を感知して認識しているので、伊藤さんはこれまで自動ドアも無能力者用のサポートスイッチをわざわざ押して開けて通らなければならなかったし、相互波動の干渉による体感システムの恩恵も受けられなかったから体感式ムービーやゲームなんかも楽しめなかったのだ。
未だに自分自身で波動のコントロールが出来る訳ではないが、コントロール用の装具を支給されたのでそれを使って一般人と同じように生活することが可能となったのである。
本来先天的な無能力者はこういうサポートすら受け付けないので伊藤さん的には思ってもみなかった副産物だろう。
「ふむ、社内でデートの約束をするとか、さすが、公認カップルは違うな」
そんな俺達のテーブルにいつの間にか近づいていた男がニヤニヤ笑いを顔に貼り付けてそう言った。
俺たちは現在、社内ビルの我が開発課があるフロアーの休憩室のテーブルで、弁当後の紙コップのコーヒーを啜りながら会話していたのだが、ついつい話に夢中になっていたようだ。
そいつの接近にうっかり気づかなかった。
まぁ、わざと気づかせなかったのかもしれないが。
何しろ、本来は俺なんぞ及びもつかない高位能力者のはずだからな。
我が商品開発課のおとなりの開発室の室長であり、我が悪友であり、同時に人としての高みに在る者の家系に生まれた魔導者でもある男、一ノ宮流《いちのみやながれ》先生である。
「いやいや、毎日違う女性からの愛情のこもった弁当持ってきているお前に言われたくないから」
「何を言っている。お互いだけを想っているという相思相愛という物はまた特別なものだ。誰もが憧れる夢物語じゃないか」
「夢物語とか言うな。一対一のお付き合いのほうが普通だからな。お前のほうがおかしいんだぞ?」
「ああ、これは失礼。お邪魔してよろしいでしょうか? 伊藤さんには度々うちの手伝いもしていただいていてお世話になっているので改めて自己紹介もおかしな話ですが、これの友人としては初めて挨拶させていただきます、隆の友人をやっている流です」
突然現れて俺たちをからかい始めた流にびっくりしたようにしていた伊藤さんだったが、そんな風に挨拶をされて、慌てて席を立って頭を下げる。
「あ、いつも隆志さんがお世話になっています」
おお、これは、何かこう、いいものがあるな。
「すでに新妻の貫禄がありますね。素晴らしい」
そしてさすがは俺の親友であり悪友である。
その姿に俺と似たような感慨を抱いたらしい。
だが、あえて言おう、こんな場所で堂々とそれを口にするのはバカであると。
「ふえっ?」
おおう、伊藤さんが変な声を出したぞ。
すごく真っ赤になっている。
ものすごく可愛いので俺的には目の保養だが、いかんせん、自分の彼女を例え親友であろうとも他の男がからかっているというのはいただけない。
しかもそれが飛び抜けた色男だというのはもっといただけない話だ。
「うむ、流、お前今日から俺の敵な」
「大人げないぞ、隆。もっとどっしり構えていないと伊藤さんが困るだろう?」
「お・ま・え・が・言・う・な」
「あの、よかったらおすわりになりませんか?」
俺たちの牽制し合う姿に動揺することなく、伊藤さんは流に俺の隣の席を勧めた。
さすが気配りの出来る女性は違う。
「色ボケとるなお前も」
流は俺をちらりと見ると、勧められた席に腰を下ろし、ハと、わざとらしくため息を吐いた。
「あ、ありがとうございます」
何言ってるんだ! と、反論しようとした俺の機先を制して、伊藤さんがなぜかお礼を言う。
いや、そいつに礼なんかいいからね。
二人で話している時に割って入るとか、空気をわざと読まない男なぞ馬にでも蹴られてしまえばいいのだ。
「俺だって野暮はしたくないんだが、話を聞きつけてね。伊藤さん、未登録の巫女だったんだって?」
「おま、なぜそれを」
俺は焦って周囲を見回した。
周囲のテーブルとはある程度距離があり、しかもそれぞれお互い同士の話に夢中だったり、卓球台で遊んでいたりと、休憩室内は騒がしいので特にこちらに注目している人間はいない。
「大丈夫だ。誰もこちらに『注目出来ない』からね」
「おいおい」
魔術とか魔法とか言うものとは一線を画した神の力に近いのが魔導だと言われている。
とりあえず理屈が通じない力なのだということだけわかっていればいいような力だ。
一切の手順を必要とせず、その存在の意思だけで世界がねじ曲がる。
こう言っちゃなんだけど、世の中には神に近い存在がゴロゴロしすぎていて、もうどうにでもしてくれって気分になる時があるんだよな。
「それでそれをなぜか知っている流さんはどういったご用件?」
俺はちょっと投げやりに聞いた。
伊藤さんはよくわからないのか、目を丸くして流と俺を見ている。
「巫女が幼い頃に保護されるのはその不安定さゆえに自我が崩壊しやすいからだが、思春期を越えてしまえばそれも安定する。逆に言えば思春期を越えた巫女に能力的な伸び代はないと言ってもいい。だが油断するな。巫女は世界の影響を受けやすい。そもそも今更力に目覚めたこと自体が問題だ。あまりこの事態を軽く考えない方がいいぞ」
「それはわかってる」
「伊藤さん、このバカはバカだが頼りになる。だけど頭は結構固い男なんで、助けが欲しい時は遠慮なく頼ってくれ。バカがバカゆえに煮詰まった時なんかはおすすめの尻の叩き方を教えてあげられると思うよ」
「バカバカ言い過ぎだろ!」
伊藤さんは俺たちのやりとりにくすっと笑うと、流に向かって頭を下げた。
「ありがとうございます。何かあったら頼りにさせてもらいます」
「ああ、彼女が出来たら途端に付き合いが悪くなった現金な男だが、まぁ一応親友のよしみで情けを掛けてやらんとしょうがないしな。それに伊藤さんにはうちのカオスな蓄積データを整理してもらった恩もある」
「え? 何? 手伝いの時にそんな仕事まで押し付けてたの? 越権行為じゃね?」
うちの課とお隣はお互いに助け合いで忙しい時には人員を回しあっているが、そんな本格的な仕事はさすがにやらせすぎだろう。
「あ、いえ、私が勝手にやりやすいように整理しただけなんです」
「伊藤さん甘やかしすぎだろ。そもそも開発室は研究にばかり熱を入れすぎて時々業務内容が明後日の方向に向いてる時もあるし」
「まぁその辺はね、研究者ばかりのうちの問題だよね。全然会社と関係ない研究始めてしまうこととかあるしね」
「あはは」
全員事情を知っているだけに擁護も出来ない。
それでも開発室がうちよりも優遇されているのは、多くの専売特許を取得し続けて来た実績と、流のカリスマのせいだろう。
どう考えても流はうちみたいな二流メーカーにいるような男ではないのだ。
「まぁともかく何かあってもそう悩む必要はないってことだけ覚えていてくれればいい。それじゃあ、後はお若い二人でごゆっくり」
「アホか、見合いの席じゃねえよ」
ハハハと笑いながら立ち去る姿も決まっている流を目で追いながら、内心ちょっと頭を下げていた。
以前流には伊藤さんとのことを相談したこともある。
気にしてくれていたのだろう。
「良い方ですね」
む、でも伊藤さんがそう褒めるとなんだか面白くない。
なにしろあいつはモテるのだ。
「でも、隆志さんのほうが素敵ですよ」
ブフッ! と、俺は気持ちをごまかすために口に含みかけたコーヒーを吹いてしまった。
突然何を言ってくれちゃってるんだ、伊藤さん。
「あ、大丈夫ですか?」
慌ててハンカチを取り出してこっちの口元を拭おうをするので、さすがに自分でハンカチを受け取って拭う。
いくらなんでも社内で彼女に拭ってもらう訳にはいかない。
てか、流の影響が消えたからか、周囲の視線が痛い。
「お、おう」
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